アジアの義肢装具士学校関係者が会議 技術・指導員の交流を促進 [2008年10月22日(Wed)]
笹川会長を表敬訪問した義肢装具士養成学校関係者 地雷や交通事故で手足を失い、義手・義足を必要としている人たちのために義肢装具士を養成しているアジアの学校関係者が集まり、9、10の両日、東京の日本財団で養成学校ネットワーク会議を開いた。今回の会議は09年2月にタイ・バンコクのマヒドン大学で開催する全体会議の事前会議として、カンボジアやタイなどで展開する養成学校の校長ら中心メンバーのみが参加、今後5年間の活動方針などについて話し合った。 |
会議に参加したのはメアリー・スコット・カンボジア義肢装具士養成学校校長、田澤英二・タイ・マヒドン大学シリントン義肢装具士養成学校アドバイザー、マイク・スコット・スリランカ義肢装具士養成学校校長、バク・サワー・パキスタン義肢装具士養成学校校長とダン・ブロッカ国際義肢装具協会会長、カーソン・ハート・カンボジアトラスト常務理事の計6人。日本財団からは国際グループ担当者が参加した。(写真:議論する会議参加者)
日本財団は、アジアの途上国で義肢装具士の養成を支援しており、学校関係者が義肢装具のサービス向上を目指し情報の共有とネットワーク構築のため2006年から関係者による会議(APOS)を開いている。今回の会議では今後の5ヵ年計画の草案作りを中心に議論を進めた。この中で学校同士の技術協力や指導員の交流なども積極的に推進することで一致した。さらに、次回の全体会議では会議出席のメンバー構成の大幅な若返りを図り、地元の人材育成と事業の発展・拡充などのため各学校の卒業生らを理事として登用することを決めた。 会議後、参加メンバーは笹川陽平日本財団会長を表敬訪問した。笹川会長は「障害を持った人たちのために、皆さんと仕事ができることに誇りを持っている」と述べ、学校関係者の活動に感謝した。これに対し、会議の議長役を務めたメアリー・スコットさんは「日本財団の支えでアジア地域義肢装具士として若い人を育ててきた。これをさらに広め、情熱を持った若い人に技術を継承していきたい」と述べた。(写真右:笹川会長との懇談風景) 今回の会議に参加したカーソン・ハート・カンボジアトラスト常務理事は会議前に兵庫県三田市の神戸医療福祉専門学校三田校を訪問、生徒らを相手に講演。「東南アジアには義肢装具を必要としている人が多い。そんな人のために立ち上がってほしい」と語った。日本財団は来年2月にインドネシアのジャカルタNO1医療専門学校にもカンボジアトラスト(本部、英国)と協力して義肢装具士学科を開設するが、神戸医療福祉専門学校義肢装具士科の卒業生も新しい学校の運営に参加する予定という。(上野貴子・石井克則) 兵庫で講演するカーソン・ハート常務理事(右)と講演に聞き入る学生たち(左) *動画はこちら(1:43秒) |