夕張支援NPOに福祉車両 現地で贈呈式 [2008年10月22日(Wed)]
福祉車両を運営するゆうゆう24のメンバー 北海道夕張市などでボランティア活動をしているNPO法人 「当別町青少年活動センターゆうゆう24」に対し、日本財団は車いす対応の福祉車両を配備(購入費を助成)し、13日、現地で贈呈式が行われた。財政が破綻し苦境にある夕張市は、65歳以上の高齢化率が現在43%に達し、6年後には50%を超える見通しで、病院への足として福祉車両は力を発揮することになる。 |
福祉車両の贈呈式は夕張市内の市立診療所(夕張希望の杜)で行われ、三浦一郎日本財団常務理事が当別町青少年活動センターゆうゆう24の大原祐介所長に車のレプリカキーを手渡した。これに対し大原氏は「地元の方が参加することに意味がある。この活動を通じて夕張が元気になってもらいたい」と抱負を語った。また市立診療所の村上智彦理事長は「地域医療を進めていくために通院サービスは、必要不可欠。夕張の地により貢献できるよう努力したい」と感謝の言葉を述べた。(写真左:レプリカキーの贈呈式)
ゆうゆう24は、北海道医療大学(石狩郡当別町)のボランティアセンターとして設立され、当初は当別町を中心に地域住民の積極的な参加による高齢者や障害者の生活支援をしていた。昨年10月からは当別町に加え夕張を通じて自分たちも元気になりたいという思いから、夕張市内のはまなす会館を拠点として夕張再生のためのボランティア活動を開始した。(写真右:贈呈式を見つめる福祉車両利用者) 福祉車両はこの一環として日本財団の助成金で購入、予防医療に尽力する村上智彦氏が理事長を務める市立診療所に車いすで通院する人たちの送迎を支援することになった。この活動には、夕張在住の5人が運転ボランティアとして参加する。その一人の沼孝義さんは、「自分にも何かできなかと思って参加した。地元のために頑張りたい」と意気込みを力強く語った。地域住民がボランティアとして参加したこの送迎支援は市民、NPO、医療法人の協同で進めるもので、夕張の新たなまちづくりに貢献するものと期待される。(写真左:早速福祉車両に乗り込む利用者たち) 日本財団は、1994年度から障害の有無に関わらず、すべての人々が地域で暮らすことのできる社会を目指して福祉車両の配備を続けており、これまで全国の社会福祉法人やNPO法人に2万台を配備している。また、破綻した夕張市再生への支援として、2007年度に透析患者のための福祉車両の配備や子どもを対象にした自然体験活動を行っている。(沢渡一登) |