マ・シ海峡に航行援助施設基金設立へ [2008年01月16日(Wed)]
マラッカ海峡沿岸3国の代表者と 15日、東京においてインドネシア・シンガポール・マレーシアのマラッカ・シンガポール海峡沿岸国の代表者と日本財団の間で、同海峡の航行安全確保のための基金設立に関する会議が開催され、基金の設立へ向けた具体的な動きが始まった。この基金は、海峡の利用を持続的に行うために、海峡利用国、利用者に対し任意で資金拠出を求めるもので、世界でもはじめての試みである。会議の席上、日本財団は5年間、基金の3分の1相当額の拠出と、基金の必要額を算定するための調査費用として1億5千万円の支援を表明した。 マラッカ・シンガポール海峡は、年間9万4千隻の船舶が通航する世界一通航量の多い海峡である。近年、中国の経済拡大とともにマ・シ海峡の通航量は増加傾向にあり、海難事故の危険も増大している。 こうした情況に鑑み、2007年3月にクアラルンプールにおいて、マ・シ海峡の航行安全と環境保全の向上に関するシンポジウムが開催された。このシンポにおいて、日本財団の笹川陽平会長は、マ・シ海峡の航行安全確保のために基金を創設することを提案した。 昨年12月、笹川会長は、ロンドンを訪れBIMCO(ボルチック国際海運評議会)、ICS/ISF(国際海運会議所・国際海運連盟)、INTERCARGO(国際乾貨物船主協会)、INTERTANKO(国際独立タンカー協会)の海運主要4団体の代表者と面談し、基金設立への協力への基本的合意を取り付けている。 今回の会議では、海運団体をはじめとした利用者の理解を得たことを受け、基金の仕組み作りと今後のスケジュールなどが話し合われた。会議後の記者会見において、日本財団の笹川会長は、海の利用はただであるという伝統的な考えを脱却した新しい海洋安全への取組みの必要性を強調し、「基金は、海運会社などマ・シ海峡を利用している企業のCSR活動として資金の拠出を求めていく」と述べた。(写真:記者会見の様子) ↓記者会見の動画 |