認定NPO取得の動き広がる 大阪ではトゥギャザーが第1号に [2013年05月31日(Fri)]
トゥギャザーが大阪のデパートで開いた被災地福祉施設の商品販売会 現在、日本には特定非営利活動法人(NPO)と呼ばれる法人が約4万7000団体(4月1日現在・内閣府調べ)存在し、このうち個人や法人から受ける寄付金が課税面で優遇される「認定NPO」は389団体(同)と1割に満たないのが現状だ。これまで国税庁が認定していたこの制度は、2012年4月から都道府県知事あるいは指定都市の長が認定する制度(改正NPO法)に変わり、大阪では府知事認定の第1号としてNPOトゥギャザー(中條桂理事長)が取得した。ほかでも認定NPO取得の動きが広がっている。 |
トゥギャザーのみなさん(左端が中條桂理事長) NPOは、さまざまな社会貢献活動を行い、その団体の構成員に収益を分配することを目的としない団体の総称で、収益を目的とする事業はできるが、事業で得た収益は社会貢献活動に充てることが義務付けられている。1996年1月17日に発生した阪神・淡路大震災で多くのボランティアが支援活動を行い、これをきっかけにNPO活動への関心が高まり、1998年3月、特定非営利活動促進法(いわゆるNPO法)が成立、この年の12月1日から施行された。さらに2001年10月には認定NPO法人制度も創設された。 2009年の大阪食博覧会会場 認定NPO法人制度は、認定要件の緩和など数回の法律改正を経て、2012年4月からは、所管が国税庁から都道府県・指定都市に変更になった。組織運営、事業活動が適正で、高い公益性を持つ団体として一定の要件を満たすのが認定の条件で、ことし2月1日大阪府認定第1号になったトゥギャザーは(2001年にNPO認証)、大阪府で障害者の自立支援のためのさまざま活動をしている団体だ。2009年の大阪食博覧会に関西の14の福祉団体が出展した際は、日本財団と協力して支援活動を展開し、東日本大震災でも被災地の福祉団体への支援活動を続けた。今回、最大で46%の税金が控除される認定NPOになったことについてトゥギャザーは、活動報告34号で「ご寄付いただいた資金は障害者の自立支援活動に大切に使わせていただき、期待され、存在感のあるNPOになりたい」との抱負を書いている。 仮認定NPOとなった仙台・Switchの相談風景 東日本大震災の被災地、宮城県石巻市で若者の心の面からの支援活動を始めた仙台市のNPO Switch(高橋由佳理事長)も、3月27日付で仙台市第1号の「仮認定NPO」となり、3年以内の本認定を目指している。2011年6月スタートの新寄付税制と改正NPO法の施行は、認定NPOへの追い風といわれ、今後トゥギャザーの後を追う団体が増えそうだ。(石井克則) |