就籍で東京高裁が初判断 後婚の比残留2世、国籍認める [2013年04月25日(Thu)]
![]() 就籍が認められたチュオドラさん 日本国籍の取得に向け、新たに戸籍を作る「就籍」の申し立てをしたフィリピン残留日本人2世が、これを却下した東京家裁決定の取り消しを求めた抗告審で東京高裁第11民事部は25日までに、家裁決定を取り消し、就籍を許可する逆転決定を出した。本件は、日本で結婚(前婚)していた男性がフィリピンに渡り現地女性と結婚(後婚)して産まれた子の就籍の可否が争われ、弁護団によると、こうした重婚のケースで就籍を認める判断が示されたのは初めて。 |
![]() 2006年、身元が判明し山口県の元藏さんの墓前に報告 申し立てをしていたのはフィリピン・イロイロ市に住む田中チュオドラさん。1931年、広島県出身の田中元藏さんと現地の女性の長女として生まれた。元藏さんはその後、日本軍に徴用され行方不明となったが、2006年、日本財団が支援する肉親捜しで一時帰国した際、名乗り出た山口県の親族とのDNA鑑定結果などから、身元が判明していた。しかし東京家裁は昨年11月、元藏さんとの父子関係は認めたものの、フィリピン法が重婚の後婚を「無効」としていることから元藏さん夫婦の婚姻の有効性を認めず、申し立てを却下していた。 ![]() 訪日時に親族と記念撮影=前列左から3人目がチュオドラさん これに対し東京高裁は重婚における後婚について(1)日本法は重婚を後婚の取り消し原因としているものの、取り消しの裁判があるまでは有効としている (2)フィリピン法では後婚となる元藏さん夫婦の婚姻は無効だが、同法は一方で無効婚で生まれた子の救済手段として「法的擬制による認知」の定めを設けている (3)フィリピンの国立公文書館にはチュオドラさんの出生記録が残されているーなどの点を指摘。チュオドラさんは元藏さんの法律上の子(認知された非嫡出子)としての地位を獲得しているとして就籍許可の結論を出した。 ![]() 4月24日 PNSC及び日本財団は司法記者クラブにて記者会見を行った 長男家族と暮らすチュオドラさんは4月1日に82歳の誕生日を迎えたばかり。フィリピン残留2世の国籍取得を支援する「フィリピン日系人リーガルサポートセンター」(PNLSC)を通じて高裁決定を受け取り「人生で一番素晴らしい誕生日プレゼント」と喜びを語った。 フィリピン移民では、日本に妻子を残し現地に渡航、あらためて結婚した日本人も多かったといわれる。PNLSCによると、現在、東京家裁に係属中の55件の就籍申し立てのうち8件が同様のケースという。(宮崎正) |













