東日本大震災を中心に49億円 日本財団への2011年度の寄付金 [2012年06月29日(Fri)]
オリンピック予選大会での募金活動 「社会福祉・教育・文化などの活動」、「海や船にかかわる活動」、「海外の人材育成・人道活動」の3つの分野を中心に幅広い公益活動を支援している日本財団は、さまざまな寄付を受け入れ、2011年度は東日本大震災関係の寄付を中心に総額は約49億円に達した。大震災関係を除く寄付受け入れプロジェクトに対する寄付も増えつつあり、寄付文化の浸透を訴える日本財団の活動に対する理解度が高まっていることがうかがえる。 |
Let’s Treeの支援による「仮設住宅における壁画アートプロジェクト」 2011年度に日本財団が受け入れた寄付金は、総額が49億988万5804円。内訳は東日本大震災関係の「ROADプロジェクト」が45億6524万1631円、寄付型の自動販売機の設置などを推進する「夢の貯金箱」が1億7515万2655円、日本歯科医師会協力の歯科撤去金属による「歯の妖精・TOOTH FAIRY」が1億6647万3777円、韓国の俳優・イ・ソジンさんと共同で立ち上げた「LetVs Tree基金」が169万656円、日本オリンピック委員会(JOC)との共同プロジェクト「エールFOR 日本」が132万7085円―となっている。 このうち「ROADプロジェクト」は、寄付金を基に被災地支援のNPOやボランティア団体に対する上限100万円の助成(651団体695事業に計6億6190万円)、被災地への学生ボランティアや足湯ボランティア派遣(延べ1万人以上)などの事業を実施している。震災直後からの同プロジェクトへの寄付は、これまでに50億1063万2997円(5月末現在)になった。一方、「夢の貯金箱」に関して設置が全国に浸透しつつある寄付型自販機(2008年3月からスタート。1本買うごとに10円が寄付される)は6月20日までに1300台を突破して1394台になった。このプロジェクトでは、寄付金はホームホスピス・たんがく(福岡県久留米市)の支援、ラオスの小学校の建設、犯罪被害者支援などに活用している。 6月23日に行われた「オリンピックデー・フェスタinいわき」 「TOOTH FAIRY」で換金された資金は、小児ホスピス・海の見える森(神奈川県大磯町)や小児がん専門施設「チャイルド・ケモ・ハウス」の建設、ミャンマーでの小学校建設などに充当されている。またエールFOR 日本」は、ことし8月までに1億円を目標に募金を集め、オリンピック選手と東日本大震災被災地の子どもたちが触れ合う「オリンピックデー・フェスタ」などを実施している。 東日本大震災を中心に多額の寄付が寄せられたことについて笹川陽平日本財団会長は「日本財団は国民の寄付文化を醸成することを大切な使命と考えている。しかし私たちの努力は緒についたばかりであり、今後も多くの皆様のご協力をお願いする」と述べている。(石井克則) |