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悠久の美を見つめて 第3回新作日本刀展開く [2012年06月22日(Fri)]

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会場の大倉集古館

日本刀文化の理解と刀職者支援などを目的とした「新作日本刀 研磨 外装 刀職技術展覧会」が6月9日から東京・虎ノ門の大倉集古館で開催されている。2010年に始まり今年で3回目。日本刀文化振興協会大倉集古館の共催で、副題は「日本刀―悠久の美を見つめてー」。最高賞の経済産業大臣賞に輝いた兵庫県の明珍裕介さん(刀匠銘・宗裕)の太刀など作品展示に併せ、7月22日までの開催期間中、週末を利用して作刀や研磨、刀装具の専門家によるギャラリートークや研磨や柄巻などの実演も行われる。
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ギャラリートークで話す吉原さん(左)と森井さん

展覧会は経済産業省文化庁が後援、日本財団が助成しており “若手の登竜門”の性格も持つ。日本刀製作に関わる全分野を対象に作刀・刀身彫刻、研磨、外装(柄巻き、鞘塗りなど)の3部門に分けて作品を募集し海外からの1点を含め計92点の応募があった。
文化庁担当官の立会いで審査の結果、経産大臣賞のほか日本刀文化振興協会会長賞(3人)、さらに作刀承認から3年以内が対象となる新人賞に長野県の根津啓さん(刀匠銘・秀平)と奈良県の濱川純哉さん(同・貞純)が選ばれ、6月9日に授賞式が行われた。


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経済産業大臣賞に輝いた太刀

作品は大倉集古館1、2階のガラスケースに展示されている。タタラによる玉鋼(たまはがね)の製造や折り返し鍛錬を繰り返す日本刀独自の製造工程を分かり易く説明するコーナーも。6月17日に訪問すると、刀匠・吉原國家さんと研師(とぎし)・森井鐡太郎さんによるギャラリートークが開催され、ケースに顔をつけるようにして淡い照明に浮かぶ美しい刃紋に見入る見学者も目に付いた。

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玉鋼など製造工程を説明する資料も

吉原さんは「私は刀鍛冶」と前置きした上、1本の日本刀が出来上がるまでの工程を、森井さんは大小さまざまな砥石の実物を示しながら研磨作業の流れを説明。館内にいた約20人の見学者からは専門的な質問に混じり「日本刀は本当に切れるのか」、「何故、研師(とぎし)になったのか」といった素朴な質問も出され、「現在、製作が認められているのは美術品としての日本刀。しかし刀である以上、切れる。切れなければ刀ではない」(吉原さん)、「父親が研師をしており、抵抗もなくこの世界に入った」(森井さん)などユーモアあふれるやり取りが展開された。

吉原さんによると現在、刀匠は約250人、研師は約50人。一方で古作とよばれる古い刀は230万本に上っている。技術の保存継承には刀匠や研師だけでなく鞘師、柄巻師、塗師、蒔絵師など多くの分野の専門家が必要となるが、後継者は少なく、20年に一度行われる伊勢神宮の遷宮で必要となる御神宝の太刀や鉾の製作も来年の遷宮分はともかく、さらに20年後となると見通しが立たない情勢にあるという。

大倉集古館は日本初の私立美術館として建設され絵画や書籍、中国の古典などの収蔵で知られる。展覧会の見学者は第1回の2010年が約6000人、昨年は東日本大震災の影響もあって4000人にとどまった。学芸員の三島知美さんは「今年は何とか1万人を目指したい」と語っている。(宮崎正)
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Posted by 日本財団 広報チーム at 09:12 | 文化・教育・社会問題 | この記事のURL | コメント(0)
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