「日本財団　写真・動画コンクール２０１２」表彰式が５月１７日に日本財団ビルにて開催されました。写真部門のグランプリ、渡部陽一特別賞、優秀賞をご紹介いたします。




作品コメント：高田松原の７万本の松は、巨大津波で流され、たった１本だけ残りました。作家新井満さんの散文詩「希望の木」をＮＨＫラジオ深夜便の朗読で聴いたときは、涙が止まりませんでした。7万本の家族（松）が守ったたったひとつの命（一本松）です。この健気な一本松を見て、私達岩手県民はどれだけ力づけられたことでしょう。その後、巨大津波で流された松材から２丁のヴァイオリンが製作されたことを知りました。この２丁のヴァイオリンは、それぞれ日本国内と海外をまわり、犠牲者の追悼演奏に使われます。私は東日本大震災１年後の３月１１日、陸前高田市を訪れました。一本松に向かって黙とうを捧げていると、バッハのガボットが聴こえてきました。松材のヴァイオリンで演奏されていたのは、マエストロのイヴリー・ギトリス（８９歳）さんです。心を込めて演奏されている姿は神々しく見えました。音楽が流れる一本松の周囲は神聖な空気に包まれ、人々の心はだんだん穏やかな気持ちになりました。

　
　



作品コメント：阪神淡路大震災から復興を遂げた神戸から東北へ、みんなの元気を届けたい！そんな思いが集まったイベントでした。素敵な笑顔があふれていました。







作品コメント：東北に訪れて、気仙沼漁港での写真。一年たち、いろいろな報道がされる中、生きていくために、何かと向き合い生きていく。魚に対しても、何に対しても決意を感じられる一枚だと思います。







作品コメント：3月11日に石巻に行ってきました。これまで現地に入ってボランティアなどしてなかった自分が、1年目となる日に石巻を訪れるのは野次馬的ではと悩んだうえでの訪問でした。当日は地元の方やボランティアにも多くの話を聞かせていただき、街の復興に向けて努力されている皆様の希望や不安の入り交じった思いを強く感じました。復興にはまだまだ時間もかかりますが、なにより人が集まることが大事だと思います。東京からたった4時間です。1人でも多くの方が石巻をはじめ被災地を訪れて応援していけたらと思います。







作品コメント：墓所も流失し、一周忌はＮＨＫドラマ「ひょこりひょうたん島」目前に見える仮設テントでの慰霊祭。付添人のいない老人が手押し車を押しながらたどり着いて、祭壇にじっと手を合わせる。




その他、写真部門及び動画部門の受賞作品は下記のリンクよりご覧いただけます。

写真部門：
http://www.nippon-foundation.or.jp/org/movie/nominees_for_photo.html

動画部門：
http://www.nippon-foundation.or.jp/org/movie/movie_entry_2012.html