野鳥とカメと星たちと〜小笠原クルーズ航海記II [2011年08月24日(Wed)]
![]() デッキ上でのラジオ体操で1日が始まる 海の体験を通して友達の輪と笑顔を広げようと、ブルーシー・アンド・グリーンランド財団(B&G財団)が企画した小笠原・父島への5泊6日の「体験クルーズ」。約500人の子どもたちは、大型客船「ふじ丸」(2万3235トン)での団体生活、世界自然遺産に登録された小笠原の動植物との出合い、視界の隅々にまで飛び込んでくる満天の星々…に戸惑い、息を呑み、見惚れた。航海日誌は、最初に出合った自然・カツオドリで始まる。 |
![]() ![]() 鳥島を船上から観察、アホウドリは不在/トビウオを狙うカツオドリ 8月18日、航海2日目。AM9:10。「ふじ丸」の艦内に「右舷方向にカツオドリが飛んでいる」のアナウンス。白い腹を見せたカツオドリが数羽、風にゆったりと漂い、急降下して海に潜り込む行動を繰り返していた。「船に驚いて水面に現れるトビウオを狙っています」と説明するオーシャンファミリー海洋自然体験センター代表理事、海野義明さん。真っ青な空から蒼色の海に『白』が流れる絵図は、水平線をバックに迫力満点。例年3月に行われる航海ではアホウドリが観察されるが、東日本大震災で8月に延期されたこの時期は、アリューシャン列島にエサ場を求めて不在のため、カツオドリが同行者。航海途中の鳥島で、目的地の小笠原諸島で、いつも一緒だった。 ![]() 初めての海に向かう1歳のカメ/漁船で遊覧中、イルカに遭遇したグループも 8月19日、航海3日目。小笠原・父島に上陸。シュノーケリングやカヌー実習が行われる大村海岸は、人間の生活圏に近いのにアオウミガメの産卵地という世界的にも珍しいところ。この海岸だけで年間1万5000個の産卵があるという。ところが赤ちゃんウミガメは明るい方に歩く習性があり、放っておくと反対側の町に出て危険なため保護している、と小笠原海洋センターの佐藤隆行さん。ふ化後1年たったカメの放流が、子どもたちの前で行われた。前足を必死に動かして海に向かうカメ、それに声援を送る子どもら。4〜5先の海に無事にたどり着くと、大きな拍手が湧き起った。 ![]() 停泊中のふじ丸を見下ろしながらトレッキング/ガジュマルの木に登っての記念撮影 8月20日、航海4日目。小笠原でしか見られない植物を求めて近くの大神山をトレッキング。動物と同じように漂着した母種が次第に進化した固有種は、ハート型の葉を持つテリハハマボーなど120種以上にのぼるが、ノヤギやクマネズミなど外来種による被害が深刻化、世界自然遺産に登録後は一層、外来種対策の強化が叫ばれている。中南米ホンジュラス出身でガイドをしているソリエさんによると、「ハイビスカスのようにきれいな花は大抵外来種。固有種は地味なものが多い」とか。道路脇に実っていたシマクワの赤黒い実は甘酸っぱく、子どもらは美味しいと食べたが、これは外来種。記念写真を撮ろうとみんなで登ったガジュマルの木も外来種だった。 8月20日、航海4日目。PM7:30。ふじ丸デッキにて星空観察。船の灯りを消した目の前に、無数の星たちがきらめいていた。プラネタリウムかと見間違うほどの近さ、「20数年の航海歴でもめったにないほど」(菅啓二船長)という鮮明さだ。天の川が横になびく。航海士が指す光線の先に「さそり座」が現れ、「ペガサス」や「オオクマ」の形が浮かんでくる…。流れ星。「3回願い事を唱えると、叶うのですよ」の説明に、デッキ上に子どもらのどよめきが走った。 ☆次回は子どもたちの触れ合いの模様を記した「航海記III」です。 |














