日本財団ミャンマーで100校目の小学校開校 [2007年05月25日(Fri)]
小学校の前で笑顔の子供たち 満足に教育を受けることができないミャンマー辺境の子供たちを支援するため日本財団は5カ年計画で小学校建設を進めていた。このほど100校目にあたる北部シャン州のオン・マ・ティ小学校が完成し、23日、笹川陽平会長が出席して「開校式」が行なわれた。日本財団はさらに5ヵ年計画で100校の建設を支援することにしており、民族紛争や人権問題を抱えるミャンマーにおいて教育支援が継続される。 開校式では少数民族が踊りを披露 スピーチに聞き入る子供たち 多民族国家として知られるミャンマーは、辺境地区に多くの少数民族が住んでいる。これらの地域は耕地も限られ収入が低く、地域に学校も少ないことから、就学期になっても教育を受けることができない子供も多い。こうした実情から、途上国で学校建設を進めてきた日本財団が支援に乗り出し、現地のNPO「セィダナー」を通じて2002年度から校舎建設のための資金援助を始めた。 開校式に臨んだ笹川会長は「子どもたちに教育を与えたいという願いから、親を中心とした村人が労力を提供し、この学校が完成しました。世界の学校建設のモデルとなる事業です」と述べ、教育における村の協力の大事さを強調した。同小学校はミャンマーの新学期である6月から子供たちに利用される。 ―――― ・ ―――― 日本財団の途上国に対する小学校建設は1993年度の南米ペルーから始まった。同国では計50校の建設資金を援助し、この後内戦の影響が深刻だったカンボジアでも2000年度から計100校の建設に協力し、ミャンマーでは02年度から支援を進めていた。 ミャンマーについては、2007年度からさらに5ヵ年計画で100校の建設を継続する。これまで通り、学校運営費を賄うための基金の創設も指導する。この基金は、学校農園でトマトづくりや養豚、小規模水力発電施設の建設や農業資金への貸付などに使われる。これらの技術や管理の指導はセィダナーが継続して行う予定。 ≪お知らせ≫ ロチェスター工科大学名誉博士号授与 5月25日、アメリカのロチェスター工科大学で、日本財団会長笹川陽平が名誉博士号を授与される。この授与は、WHOハンセン病特別大使としてのハンセン病制圧活動、奨学金や国際交流を通じた平和構築への貢献、障害者への支援が評価されたもの。1968年以降、これまでに35人が授与され、今年はビル・クリントン前アメリカ大統領も授与される。 |