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アフリカの農業改革に取り組む 国連平和大分校一期生の徳末さん [2011年08月08日(Mon)]


徳末さん

過去60年で最悪と言われる旱魃が東アフリカを襲い、内戦が続くソマリア南部などが飢饉に直面している。そのアフリカの食料増産に取り組む笹川アフリカ協会(SAA)のエチオピア事務所に昨年7月、国連平和大学マニラ分校の第一期生が着任した。徳末明子さん(29)。農産物の加工・流通改善に取り組む現地の女性グループの指導に当たる。一時帰国した7月、抱負を聞くと「将来は途上国と先進国の精神的ギャップを埋めるような仕事がしたい」と語った。
食物を加工する女性グループ

2006年、東大卒。民間会社に1年間勤務した後、2007年、日本財団が平和構築に関わる人材育成を目指してフィリピンのアテネオ・デ・マニラ大に開校した国連平和大学(本部・コスタリカ)分校の奨学生に。両国での修士課程を経てインターンとしてベトナム、さらにJICA(国際協力機構)のプロジェクトであるメキシコ・マヤ族の生活支援も経験、1年前、SAAに移った。

“生徒”の大半は主婦

現在、SAAが活動するのはエチオピア、ウガンダ、ナイジェリア、マリの4カ国。緑の革命でノーベル平和賞を受賞した故ノーマン・ボーローグ博士の食料増産プロジェクトを国策として取り入れ、農業改革と加工技術の普及を目指す。エチオピアに全体を束ねるリージョナルオフィス、各国にカントリーオフィスがあり、徳末さんは双方に所属して食品加工に取り組む女性グループの指導に当たる。

子供たちとも交流

農作物を売って現金収入を得るビジネスマインドを育成するのが狙い。しかし加工技術、流通インフラが未整備なアフリカでは、豊作に恵まれると作物が値崩れを起こし現金収入につながりにくい現状がある。女性の地位が低く妻の積極的な活動を夫が歓迎しない気風や長年の支援漬けで食料増産より現物支援を歓迎する雰囲気もある。難問が多いが、1グループ40人前後、全体で約400人の“生徒”の反応は確実に前向きになりつつあるいう。

目下、首都アジスアベバで2匹の犬と暮らす。朝鮮戦争に参加したエチオピアには、日本で一時休暇を過ごした兵士が横浜に住む女友達への想いを歌った「日本の女の子」が今も歌い継がれる。中国人と間違われることが多いが、「横浜出身の日本人」と分かると急に親近感を示す人も多いという。目下、悩みはダニ。タクシーのシート、ソファーなどあらゆる場所で襲われ「気が狂うほど痒い」と苦笑する。

東日本大震災では被災地の惨状を伝える衝撃の映像に「自分が生まれ育った国のことかと信じられない気がした」とブログに記し日本財団が震災で立ち上げた支援基金への寄付を呼び掛けた。地震発生直後にはインターネット電話が比較的つながり、エチオピアから勤務先の父親の無事を自宅の母親に中継した。

現在取り組む女性相手のプロジェクトが一段落するのは2、3年先。唯一の日本人スタッフとして責任を持ってやり遂げ、将来のことはその時点で改めて考えたいと言う。「アフリカにホレ込み離れられなくなるのでは」と言葉を向けると、一瞬、考えた末「そうかも・・」と笑顔を見せた。(了)
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Posted by 日本財団 広報チーム at 09:26 | 国際 | この記事のURL | コメント(2)
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コメント
コメントありがとうございます。

発展途上国への支援は文化や価値観の違いも考慮に入れて慎重に進めなければいけないと思います。今後の徳末さんの活躍にご期待下さい。
Posted by: 日本財団広報⇒川上様  at 2011年08月09日(Tue) 23:26

「妻の積極的な活動を夫が歓迎しない気風や長年の支援漬けで食料増産より現物支援を歓迎する雰囲気もある」と記事が伝えるところだけで取り組まれておられる問題の根深さに思いが至りました。
Posted by: 川上 淳  at 2011年08月08日(Mon) 14:07