自前の野菜を使った自慢の料理を召し上がれ〜旬菜カフェたんぽぽ [2011年03月03日(Thu)]
![]() ランチタイムは満員となる旬菜カフェたんぽぽ お魚や季節野菜を使ったメーン料理にスープ、畑のサラダ、ライスかパン、デザート、飲み物を組み合わせた「今月のランチ」(1050円)が1番の売れ筋。午前11時の開店とともに店内の22席はすぐに埋まり、入りきれずにあきらめる人も…。西武池袋線飯能駅から歩いて5分の「旬菜カフェたんぽぽ」は、1月17日にオープンしたばかり。シェフ歴20年の水澤靖さん(47)の腕前に加えて、新鮮で素朴な野菜の味が人気を呼んでいる。 |
![]() 水澤シェフとデザート担当の本田さん 元々は牛乳店と靴店だった。空き店舗となり、NPO法人ぬくもり福祉会たんぽぽ(飯能市、桑山和子会長)が、日本財団の支援を受けてレストランに改装した。「素材の味を尊重しています。ニンジンなどは小指大で、洗ったそのままの形で出しています。ええ、皮付きです」と、同店に引き抜かれたという水澤シェフ。メニューは他にパスタ(735円)、オムライス(同)、飯能野菜の薬膳カレー(630円)、とうもろこしのから揚げ(315円)、温野菜の盛り合わせ(430円)…と野菜が主役。最後の締めはパテシエ・本田昌子さんが担当するケーキやプリンのデザートで、この健康的な献立からか、店内には女性客が多い。 ![]() 飯能市落合地区にひろがるたんぽぽ農園 地方都市の空洞化を抑え活性化につながると、オープンの日には沢辺瀞壱・飯能市長もかけつけた。埼玉県でのNPO法人認定第1号で、150人を超えるスタッフで介護保険、自立支援事業など幅広く活動する「ぬくもり福祉会たんぽぽ」に、首長として期待を寄せる。桑山会長も同じ思いだ。「私たちもこのカフェに期待するところ大です。障害者や引きこもりの若者らに雇用の場を提供するソーシャルファーム(社会的企業)の自然農園を1昨年に立ち上げました。無農薬野菜ですが、さらに工夫して、高い値段で卸せるようにしたい。消費が拡大し黒字経営につながれば、障害者の職場がそれだけ安定し、確保できます」。 ソーシャルファームの始まりは1970年代の北イタリアの精神病院。偏見などから退院しても雇用してくれる企業が見つからないため、病院職員と患者が一緒になって自ら雇用の場を創り出す営農ビジネスを始めた。日本でも2008年ごろから同様の試みが見られ、福祉会でも2009年春農業に参入。今では2万5000平方メートルの畑地を借りて、障害者6人と指導者3人で野菜づくりに取り組んでいる。小松菜、白菜、大根、クレソン…。「今は、3月に大豆を植えるため耕運機で土起こしを行っています。カフェができたので、お客の反応をすぐ知ることができる。シェフと話し、栽培品目をこれまでの半分の15品目ほどにしぼり、ハーブなどの香辛料をこれから育てようと思っています」と現場責任者の橋本猛さん(73)。橋本さんは元東京消防庁職員、農業は今も勉強中という。 ![]() 店内で食事中の小さなお客 「旬菜カフェたんぽぽ」の営業は11時から18時までで、土日が休み。営業時間外でもパーティーなどの相談は受け付けている。料理の価格帯は315円〜1575円、ドリンク類は315円(コーヒーなど)〜1890円(ハウスワイン赤白ボトル)。電話042-971-5580。(平尾隆夫) |
