ハチドリの精神で! 社会貢献者50件を表彰 [2010年11月24日(Wed)]
表彰された社会貢献者たち 危険を顧みず人命救助をした人やさまざまな分野で社会に貢献した個人・団体を表彰する「社会貢献者」の2010年度の表彰式が16日、東京のホテルで開かれ、アフリカのスーダンで医療活動を続ける川原尚行さん(45)らに表彰状と日本財団賞(各50万円)が贈られた。社会貢献支援財団が主催する表彰式典はことしで40回目。表彰件数は1万1800件を超えた。 |
代表してあいさつをする川原さん 表彰は「人命救助の功績」、「社会貢献の功績」、「特定分野の功績・海の貢献賞」の3部門で、塩川正十郎元財務相を委員長とする選考委員会が223の件の候補の中から50件(人命救助11件=17人、社会貢献34件=22人・13団体、特定分野5件=3人・2団体)を選んだ。 表彰を受けた木村さんの紹介映像 表彰式で選考委員の脚本家・内館牧子さんは「昨今は暗い話が多く日本はどこへ行くのかと不安になるが、皆さんに励まされ力をいただいた。皆さんは善と美の資質を神から与えられて生まれてきたのだと思う」と受賞者を讃えた。この後、日下公人同財団会長が一人ひとりに表彰状を手渡した。 今回の受賞者の最高齢は徳島市の木村義次さん(92)で、徳島出身の中国残留孤児・鳥雲(オユン)さん=日本名、立花珠美=が中国・内モンゴル自治区の砂漠で植林活動をしていることを知り、協力者を集めて1996年から内モンゴルホルシン砂漠緑化運動を始め、18回にわたって300万本の植樹をした。1999年からは中・高生8人に奨学金を贈り、小学校3校と中学校の寄宿舎1校を建設した。 川原さんは医務官としてスーダンの日本大使館に赴任、多くの子どもたちがマラリアやコレラで亡くなるのを目の前にしながら、診察が許されないという状況に悩んで2005年に外務省をやめNPOを設立、医療活動のほか現地で学校建設に取り組んでいる。受賞者を代表してあいさつに立った川原さんは、南米・アンデスに伝わる「ハチドリのひとしずく」(森が大火事になり、ハチドリはクチバシで水を運んで火にかける。それをほかの動物たちに笑われるが、ハチドリは「私にできることをやっているだけ」と答える=辻信一・明治学院大教授監修)http://allabout.co.jp/gm/gc/50932/の話を紹介、「自分ができることを自分なりにやればいいと思う」と語った。(写真:祝賀会であいさつする笹川会長) 祝賀式会場 表彰式のあとの祝賀会で笹川陽平日本財団会長は「皆さんの善行の輪を広げていくことが大事だ。皆さんの活躍に大きな刺激を受けた。目の前のことを改善するために行動を起こそう」と呼びかけた。(石井克則) |