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伊勢湾は豊かな海だった〜鳥羽の海の博物館が特別展 [2010年09月29日(Wed)]


美しい海面を見せる伊勢湾

青い海に数々の島影が浮かぶ伊勢湾。でも、その美しい海の下では魚や海藻などの生き物がめっきり減り、汚染が進んでいる。そんな実態を古図や標本、グラフなどを使って分かりやすく展示した特別展「伊勢湾は豊かな海だった」が、三重県鳥羽市の志摩半島の突端にある「海の博物館」で、日本財団の支援を受けて開かれている。「子供たちが、身近な海のことを考えるきっかけになってほしい…」の願いを込めての展示だ。
古い漁場図を前に説明する平賀大蔵学芸員

特別展を企画した平賀大蔵学芸員によると、伊勢湾は50年前まで、広大な干潟や浅い砂地の海底が多かった。小魚の絶好の餌場となる藻場が豊富で、それを取り巻く多種多様な生き物が生息していた。ハマグリやボラ漁、ノリ漁などさまざまな漁業も営まれていた。しかし、干潟藻場の減少など近年の環境の変化が激しく、漁獲量は減る一方。その情況を、明治時代の海図や標本など計180点の資料で解説している。

数10種類もの魚のレプリカに家族連れも興味深そう

特別展には、生きた魚も水槽内に展示されている。かつてはたくさん獲れたが、今はめっきり少なくなった種類を、平賀さんが早朝に魚市場を回り手に入れた。開会初日の9月18日にはマコカレイ、クロダイ、タコなど計12匹が展示できた。以前は1日に1〜2d獲れたというイイダコは、冬から探していたが見つからずに断念。その代わりというか、めったに手に入らないアヤメカレイ(アヤメの咲くころに獲れるところからこの名前がついたという)を仲買人に頼んで譲り受けることができた。レプリカにして展示している。

少なくなってきた魚の写真や水槽内のカレイなどが注目されている

このほか、漁師らの証言を元に作成した「消えた魚の写真展」(29点)。証言では「昔のエビ漁は、網をあげるとエビがいっぱい跳ねていたが、今はゴミや泥の中から探さないと見つからない」という。伊勢湾の環境変化が分かる藻場分布図、主な漁獲物の量の変化など。平賀学芸員は「魚がいっぱいいたことに驚き、なぜ減少したかに疑問を持つ…。いろんな受け取り方があるでしょうが、まず海のことを考えてほしい。そのきっかけになれば」と企画の意図を話した。特別展は12月12日まで。この秋、修学旅行や遠足などで約3000人の児童、生徒の来館予約が入っており、平賀さんの期待は広がっている。(平尾隆夫)
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Posted by 日本財団 広報チーム at 09:08 | 海と船 | この記事のURL | コメント(0)
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