交流の場ができた! 諏訪のサロン・えんがわ [2010年05月24日(Mon)]
改修された事務所がサロンになった 御柱祭で知られる長野県諏訪地方。その熱気につい最近まで包まれていた富士見町御射山神戸(みさやまごうど)地区に子どもからお年寄りまで気軽に利用できる「サロン・えんがわ」が3月にオープンした。JAの事務所として使われていた築40年の建物を地域づくりに取り組んでいるステップアップゼミが日本財団の支援で改修、地区の人たちの交流の場を作った。読書や囲碁だけでなく幅広い用途に使われそうだ。 |
ステップアップゼミの小林代表 御射山神戸地区は、諏訪大社の摂社御射山社の祭礼で栄えた。サロンは、国道20号沿いの神戸公民館の北側にある。かつてのJA信州諏訪神戸支所の金融部門として使われ、JA撤退後はステップアップゼミが無償で借り受けた。建物は鉄筋2階建てで、かなりの部分はJAから委託されたスーパーが利用。サロンは約116平米の広さで、こたつのある畳のコーナーといすを備えたカウンターコーナーがある。約900冊の本も並んでいる。この多くは、人口1人当たりの貸出率が全国トップクラスの富士見町図書館から譲渡されたものだ。 ステップアップゼミ全景 ステップアップゼミの小林市子代表(富士見町議会副議長)は、「この地区では独居老人や高齢者の2人暮らしが増えている。そうした人たちの拠り所にしたい」と語り、隣のスーパーに買い物に来た人たちが立ち寄り、おしゃべりをする姿が見られる。既に囲碁教室も開かれており、今後は地域介護センターによる介護相談、健康相談なども計画している。学校帰りの子どもたちも本を読むために、集まるようになった。 内部にはカウンターコーナーも ステップアップゼミは、小林さんが富士見町のまちづくりネットワークを構築することを目標に2000年4月に設立した。これまでに「食」「農」をテーマにした住民の意識を探るアンケート調査や、荒廃地を造成したビオトープ(生物空間)の建設などを行い、フナ、タニシ、ドジョウの放流、牧場での羊の飼育、果樹のブルーベリーの植裁などの事業を行っている。地域マップ・地域資源カードも好評だ。 日本財団の支援で発行した地域マップ 日本財団は街の中に福祉拠点を設けることで地域との交流を促進することを目的に2004年から古民家や空き店舗を福祉拠点に再活用する改修事業に対し助成しており、サロン・えんがわの改修もこの一環だ。(石井克則) |