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大徳寺で音禅法要 シリアの歌姫も古代聖歌披露 [2010年04月28日(Wed)]

本番前のリハーサル

僧侶の読経と石の楽器サヌカイトや尺八、横笛の一種である能管を融合して禅を分かりやすく伝える音禅法要が4月24日、京都・大徳寺の国宝「大方丈」で行われた。2005年のパリ初公演以来、南仏・プロバンスで行われた昨年の宗教音楽祭などで大きな評判を呼び、国内で3回目となる今回はシリアの歌姫ノーマ・オムランさんも参加、今に伝わる古代聖歌を披露し、国際色を増した。
法要は「世界平和祈願」と銘打たれ、フランス公演の成功を受け2008年に設立された「音禅法要実行委員会」(戸田実山実行委員長)が日本財団の支援を受け主催。午後2時から1時間半にわたって行われ、300人の招待客が詰め掛けた。(写真:シリアの歌姫ノーマさん)

会場となった大方丈は小堀遠州作の前庭に時々薄日が射すものの、ふすまをすべて取り払い冬を思わせる寒さ。托鉢姿の修行僧8人が「法雨(ホウウ)」の声を上げながら登場して始まり、高田明浦管長以下13人の僧侶による読経とサヌカイトや尺八の澄み切った音色、さらに古代キリスト教の祈りを基にしたノーマさんの歌声が織り成す不思議なコラボレーションが1時間半にわたり繰り広げられた。


石の楽器サヌカイト

サヌカイトの演奏者は世界的な打楽器奏者として知られるツトム・ヤマシタ氏。尺八と能管は三好芫山赤尾三千子両氏。サヌカイトは香川県・讃岐地方で産出される火山岩で、柔らかく透明感のある音色を出し、「この石との出会いが音禅を生んだ」とまで言われる。音による『禅』仏教と古代キリスト教の“初共演”についてヤマシタ氏は「宗教界、音楽史に意義深く記憶されるでしょう」と招待状に記している。

小堀遠州作の方丈前庭

大徳寺は日本臨済禅の源で一休禅師、沢庵和尚らで知られる。今も大方丈の拝観を認めず、禅仏教を守る厳しい姿勢で知られるが、「音禅こそ世界の人に本物の禅を伝える助けになる」との考えで、この日も高田管長が自ら導師を努め、本番に先立ち入念にリハーサルを行った。伝統文化を新しい形で伝える意欲的な試みに笹川会長も「意義深く、今後も支援したい」と語っている。(宮崎正)


※昨年の音禅法要の映像はコチラ(1:39秒)
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Posted by 日本財団 広報チーム at 10:09 | 文化・教育・社会問題 | この記事のURL | コメント(0)
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