ラテンアメリカ支援をより身近に 明大で出前講義 [2010年04月27日(Tue)]
明大商学部の中林真理子教授が昨年度から取り組んでいる特別実践科目「ラテンアメリカの開発支援とボランティア」のひとコマ。日本の開発支援はアジアやアフリカが主だったが、ラテンアメリカは家族主義的で人情に厚く、歴史的にみて日系人を通じた交流も盛ん。このためもっと理解を深める必要があると、在日歴6年の打村さんを出前講義の講師として招いた。その授業ぶりはー。
出前講義の意義を話す中林教授 Q なぜヨーロッパ諸国は南米を侵略できたのでしょうか。 Q (何人かの日本的な顔立ちのスライドを見せて)この中にいる日本人は誰… 学生への奇妙な(?)質問をはさみながら、ブラジルやメキシコの基本データ、実情などを紹介し、背景にある国民性などを説明していく。「以前はアメリカ寄りか対立国かに分かれていたが、今は政治的な色合いがゆるやかになり、政治・経済などみんなでうまくやっていこうという南米としての動きが出てきている」との分析も。 ちなみに質問の答えは、欧州人がはしかをもたらし、馬に乗った姿が「神が天から下りてくる」という南米の伝説に重なり原住民の抵抗力を奪ったから、という説があるそうだ。日本人当てクイズは全員が海外からの留学生で、『世界はひとつ』を実感させた。 出前講義の後半は日本財団国際協力グループの梅村岳大さんが登壇。日系社会に対する財団の支援内容について、福祉施設や文化会館の整備などを経てシニアボランティアの派遣、若手日系人への奨学金など人的交流に重点が移りつつあると説明した。 支援活動の内容を説明する梅村さん 1時間半の講義は短く、学生らは終了後も打村さんや特別聴講生の上智大学留学生、チャペス・テレーシーさん(ペルー出身)らを囲んで、ラテン諸国の現状などの質問攻め。商学部3年の新原裕さんは「ラテンアメリカの詳しいことはこの大学で初めて知った。新鮮でとても勉強になった」と話した。(平尾隆夫) 学生と講師らとの交流風景
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