広がる「海藻おしば」 環境保全の訴えこめて [2010年04月21日(Wed)]
下田で行われた指導者養成講座 海藻おしばは野田さんが20年以上前、仕事の関係で訪れた筑波大学下田臨界実験センター(下田市)で1枚の海藻標本に出会ったのがきっかけ。美しさに驚くとともに、海藻が持つ多彩で鮮やかな色をそのまま残すよう工夫を重ね、おしばの製作方法を確立。学校や生涯学習の場で講習会を重ね、6年前、「海藻おしば協会」を発足させた。後継者となる「認定講師」も既に20人誕生している。 講座で話す野田会長 2009年度の指導者養成講座は昨年11月と今年1、3月に実施され、3月20、21両日に臨界実験センターで行われた3回目は2日間で計43人が参加。野田会長や協会の顧問で海藻生態学の大家でもある横浜康継・筑波大元教授の指導で近くの砂浜や磯に漂着した海藻を採取、色止めや保存管理、仕上げの実習のほか、将来の指導者としての話し方指導などが行われた。 子供作品も多彩 海藻は世界で約一万種、日本の沿岸には2000種が生息すると言われるが、会場となった下田の海岸は比較的深いところに生える紅藻類を中心に約400種類が生息する海藻の宝庫。海藻は水温の低い冬季に育つため、潮の干満差が大きい春先の大潮の日が絶好の採取日。海の環境破壊を防ぐ上でも採取の対象はあくまで漂着海藻に限られ、講座でも参加者が潮の引いた砂浜や岩場で色とりどりの海藻を拾い集めた。 一方、完成した小冊子はB5版24頁の「海藻おしば」。「海と地球環境を結ぶ糸口」の副題が付けられ、おしばの作り方から海藻の種類、さらに海の森からのメッセージとして、海藻が生物の生存が可能な地球環境を作り、維持している現状を易しく説明しており、今後、全国各地で開催される講習会などの教材として活用される。(写真:完成した小冊子) おしば協会の小澤征昭事務局長によると、最近は夏休みの自由課題などで海藻おしばに取り組む子供も多く、10年度には小冊子の内容をさらに易しく解説した“子供向版”の作成も予定している。次世代の子供たちに「海の水が濁ると海藻の“ごはん”である光が届きにくくなり、海藻は育つことができず海の森は消えてしまいます」(協会の子供向けパンフレット)といった分かりやすい形で環境保全の大切さを伝えていくのが狙いだ。=宮崎正、写真は海藻おしば協会提供= |