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バリアフリーで海を楽しもう 市民とともに「セーラビリティー津」 [2010年03月23日(Tue)]


伊勢湾に歓声! アクセスディンギー体験試乗会(昨年7月、「セーラビリティー津」提供)

障害、年齢、能力に関係なく、だれもがセーリングを楽しみ、海の素晴らしさを体感できる機会を提供したい――。三重の海好きの面々が、そうした活動目標を掲げて結成した「セーラビリティ津」は、伊勢湾でアクセスディンギーの体験試乗会などを続け、間もなく5年目のシーズンに入る。新年度も県内外の大会に選手を派遣、「出場するからには勝つ!」の意気込みで週末の練習や勉強会に取り組む計画だ。
三重県大会には練習生から出場選手が生まれ大活躍(「セーラビリティー津」提供)

「セーラビリティ津」が誕生したのは、2005年に長野で開催されたスペシャルオリンピックが契機。知的発達障害のある人たちの国際大会に三重県内で寄せられた寄付金に剰余金が生じ、障害者のために活用できるアクセスディンギーの購入が決まった。津には国体開催時に整備されたマリーナはあるものの、セーラビリティ活動を支える組織がなく、先行する伊勢のグループから「津も組織を作るべきだ」と持ちかけられたのが代表の坂本京子さんだ。

「津の海をもっと市民に」と頑張る(左から)辻ヶ堂事務局長、坂本代表、西山理事

ヨットはもちろん、海には無縁の印刷会社経営の坂本さんは途方に暮れた。とはいえ海の国・三重の津には実にふさわしい話ではある。そのうえヨット歴45年の辻ヶ堂諦さんが事務局長を引き受け、県庁ヨット部の西山和仁さんが理事に就くなどして体制が整った。拠点を津市内の伊勢湾海洋スポーツセンターに置き、練習生を募集して各地の大会出場を目指すほか体験試乗会も開催、伊勢湾のセーリングを楽しむ機会を広く市民に提供している。

4月から11月までのシーズン中は、ほとんどの週末がプログラムで埋まる。障害があるためこわごわと参加し始めた人たちも、しだいに海の楽しさに目覚め、技術の向上に熱心に取り組むようになる。そうやってこれまでに、交通事故で下半身が不自由になった50代の男性と、視力障害のため無線機からの指示を聞きながら操船する60代の男性が、他県で開催されるレースに遠征するまでになっている。

日本アクセスクラス協会のホームページによると、Sailability(セーラビリティ)はsailing(帆走)とability(能力)を組み合わせたイギリス生まれの造語。オーストラリアで開発されたアクセスディンギーを使ったバリアフリーのセーリング活動が普及し、この言葉も一般化したらしい。日本では2001年に大阪で「セーラビリティ・ジャパン」が設立され、三重県でも伊勢、河芸、津の3カ所のマリーナで、3つのグループが協力しながら活動している。

伊勢湾海洋スポーツセンターの艇庫には、会所有の6艇がシーズン開始を待っている

アクセスディンギーは転覆しない構造で、座る位置や操作が様々な身体の障害に対応できるようになっている。だから幅広い年齢層で、だれもがセーリングを楽しむことができる。「セーラビリティ津」は日本財団の助成でそろえた2艇を含め6艇を所有、マリーナ前の広大な伊勢湾を教室にしている。練習日はコーチのほかレスキュー艇も伴走するため多くのスタッフが必要となるが、「みんなが楽しむ」をモットーに、恵まれたロケーションを満喫している。

海を愛する仲間の輪が広がる、これもみんなの楽しみ(「セーラビリティー津」提供)

坂本代表は「私も乗せてもらって海の楽しさを知りました。多くの人たちと知り合えることもうれしい」と、セーラビリティのよさを実感している。ただ「海に親しむ」という感覚が薄れているような最近の傾向がメンバーの気がかり。だから「この津の海で、全国大会を開催する」ことが夢の辻ヶ堂さんと西山さんは、教室の参加者を増やし、海と市民生活をもっと近づけていきたいと5年目の準備に余念がない。【加藤春樹】
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Posted by 日本財団 広報チーム at 09:17 | 海と船 | この記事のURL | コメント(0)
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