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2023年01月29日

自分の気持ち

こんにちは。森の実スタッフのちえです。

寒い日が続いていますね。
森の実も新しい場所に移ってから初めての冬を迎え、利用者さんもスタッフも、どこが暖かい場所なのかをわかってきたようです♪
“この場所があったかくて過ごしやすい”
と思うポイントがみんなそれぞれ違うのも面白いなぁと思いながら、もっと快適に過ごすためには何があればいい?どうすればいい?とアイディアを求めて聞いてしまう自分がいます。

先日、ひろばで離乳食をテーマにおしゃべり会を開催しました。おしゃべり会を始めたきっかけも、利用者さんの持っている育児のアイディアや意見、思い、実際の行動、挫折、それに対してやったこと、やらなかったこと等々をそこに居あわせた方とスタッフだけが聞いているのはもったいない!
この経験をみんなにも聞いて欲しい。それを聞いて何か感じることがあれば思いを伝えて欲しい。と思ったからでした。

そのおしゃべり会の中で、自分自身の離乳食経験談を話す機会があり「子どもが食べたくない時にはあげなかった。その後は自分があげたいと思ったらあげていた」ということを伝えたのですが、ズボラな母さんだったなぁと思いながらも“なぜそんな選択をしたのか”と頭の中でぐるぐると思いを巡らせていました。
そんな事を考えていた時に思い出したのが、
食物アレルギーのひどかった娘が、食べるものによって、一度に眠れる睡眠時間が1時間から15分に変わる現実が辛すぎて、自分の体調に合わせて離乳食を進めていた。という当時の自分の姿でした。
おしゃべり会のおかげで、自分が選択したやり方は(単にズボラな性格が理由だったわけではなく)娘の希望と自分の願いを出し合って、その時のお互いにとっての最善の方法を選んだ結果だったのだな。ということに今になって気づくことができましたが、森の実の利用者さんも子どもの気持ちだけじゃなく、自分の気持ちやこだわり、願いについても知って、大事にして欲しいなぁと感じた時間になりました。
 
相手を知ることもワクワクしますが、新たな自分を発見するのも楽しいですよ〜
posted by 河村 at 21:12| Comment(0) | TrackBack(0) | キッズステーション

2023年01月19日

2023年度新規職員募集 追加!

2023年度の新規募集情報を更新しました。

〈名古屋市応援拠点森の実〉
保育士パートを募集します。
主に0歳〜3歳のお子さんとその保護者さんが利用する、地域密着型の子育て支援施設です。
子育てひろばでの利用者さん対応や、一時預かりのお仕事があります。
保育士資格をお持ちの方、春から新しい仕事にチャレンジしてみませんか。
短時間勤務もできるので、お子さんの学校に合わせた働き方も可能です。
詳細は団体HP〈求人情報〉にて。
https://www.kodomo-npo.or.jp/careers/

興味をお持ちの方、ぜひご連絡ください。
問合せ先 こどもNPO事務所 052-848-7390
posted by 河村 at 11:34| Comment(0) | TrackBack(0) | 事務局

2023年01月11日

【緑児童館】じどうかんだより職員コラム〜不登校・フリースペース〜

こんにちは。緑児童館職員の伊藤です。

緑児童館へ平日の午前中に来館された方は、小中学生がにぎやかに過ごしている姿に驚かれたかもしれません。
児童館は0歳から18歳までの子どもが利用できる公共施設です。
学童期の子どもたちは放課後や週末に遊びに来ることが多いですが、平日日中でも利用できます。実際、以前から緑児童館では学校が休みの子どもや、学校を休んだ子どもが昼間に利用することがありました。また、小中学生以外にも、通信制高校に在籍している子、もっといえば学校に在籍していない子の利用もあります。

しかしここ数年、いわゆる「不登校」の子どもの利用が重なり、とりわけ「コロナ休校」以降は利用者が定着しています。それを受け、児童館としても、あらためて日中に安心して過ごすことができる場づくりの必要性を実感し、今年度から「フリースペース」と銘打った専用の部屋と専属スタッフを配備しました。1学期は1日に3名から5名程の利用があり、夏休み明けの2学期には問い合わせや見学が急増。現在は10名程の小中学生が毎日過ごしています。

「学校に行けない」「学校には行きたくない」「学校には行かない」「学校に行き、児童館にも行く」など、ニーズは様々です。頻度も様々で、毎日のように来る子もいれば、ときどきやって来る子もいます。そして過ごす時間が長くなるごとに、メンバーが増えるごとに、活動の展開やトラブルも起こってきました。そんな日々を共に過ごすなかで、子どもたちとの試行錯誤を重ねるなかで、日課のミーティング、曜日ごとの過ごし方、自習時間など、ゆるやかなリズムが形づくられ、いまに至ります。
 
ところで、10月末に文部科学省から昨年度の不登校に関する調査報告が公表されました。新聞にも「不登校の小中生最多24万人」との見出しで取り上げられ、目に触れた方も多いと思います。不登校急増の背景には、新型コロナウィルスの影響により学校活動が制限され登校意欲が下がった、休校による生活リズムの乱れ、あるいはフリースクールなど学校以外の学びの場が選ばれやすくなったなどの指摘があるようです。

不登校についてはこれまで「学校恐怖症」「登校拒否」「不登校」「選択登校」などと呼称が変遷しました。社会のありようの変化にあわせて、個人的病理という扱いから多様な学習機会の保障という流れに変化しつつあります。

ただ、その「選択」は、自由で平等なものでしょうか。
「選択」が「自己責任」にすり替えられていたり、格差の助長に加担していたりする可能性も考慮しなければなりません。たしかにフリースクールやオルタナティブスクールといった民間の居場所、学びの場が増えたとはいえ、拠点の数や運営は依然として不安定です。アクセス面や受け入れキャパシティ、利用費負担などの課題が山積しています。そこで児童館は公設の児童福祉施設としての特性を活かして、日中の居場所、あるいは学習機会の保障に寄与することができるのではないかと考えています。

児童館にも歴史的経緯があります。高度経済成長期には安全な遊び環境の保障、健康や情操の向上、交通教育といった役割が期待されました。その後は社会情勢の変化にあわせて孤立防止、多世代の居場所、そして今後も「子どもの権利」を基盤としつつ、社会状況に即した、あるいは牽引する役割が期待されています。いずれにせよ、社会課題のしわ寄せは社会的弱者に、ひいては子どもの生きにくさとして表出しがちです。では、逆に、児童館という「小さな社会」を子どもたちと共に創っていくことによって、誰もが生きやすい社会にしていくことはできないでしょうか。

「フリースペース」は、そのチャレンジに他なりません。いつかこのにぎやかな姿が、世の大きなうねりになることを思い描きながら、子どもたちと日常を共に過ごしています。(伊藤)
 
【参考】
・「令和3年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果について」
 2022年10月27日(木) 文部科学省初等中等教育局児童生徒課
・「中日新聞」(日刊)2022年10月28日(金)
・木村元『学校の戦後史』岩波新書 2015年
posted by 河村 at 16:50| Comment(0) | TrackBack(0) | 緑児童館