1999年12月12日に設立総会を開催して「山科醍醐こどものひろば」がスタートして24年目に突入しました。あっという間です。当時を写真で振り返ってもこの23年間で世の中はずいぶん変わったなと感じさせてくれます。
設立趣意書には、当時の前身団体の状況や社会状況を踏まえて、
子ども達を取り巻く文化環境、社会環境を充実させ、子ども達の豊かな「子ども時代」の実現に寄与することが目的に書かれていました。そのことにコロナ禍の今どれほど取り組めているのかあらためて考えさせられます。他にも設立趣意書のなかには、当時の子ども社会における「いじめ」「不登校」「学級崩壊」といったことへの問題意識や、おとなたちが子どもの権利条約の精神に照らしながらそれに基づいた活動や子どもの権利条約のなかでも第31条にある「休息及び余暇についての児童の権利並びに児童がその年齢に適した遊び及びレクリエーションの活動を行い並びに文化的な生活及び芸術に自由に参加する権利」の実現を目指すことも書かれています。
しかしながらコロナ禍ということを差し引いても、山科醍醐こどものひろばの活動では、この10年間ではさらに、「貧困」「虐待」「DV」「ヤングケラー」といった言葉に表されるようなより深刻な相談が届くようになり、子どもの権利として、他のさまざまな権利をも保障していかなければいけない社会になってきています。このような社会状況のなかで、私たちはこれからどのように取り組むことがよいのだろうかと常に考えさせられます。
休息、余暇、遊び、文化的生活・芸術的への参加と、その基盤となる日常を安心して暮らしていけるようにと地域の活動として取り組むことの両輪で取り組んできましたが、コロナ禍では「余暇、遊び、文化的生活・芸術的への参加」の部分の多くが実施できませんでした。この1年間においてもごく一部の活動に限られての実施となりました。
24年目を迎えましたが、次の一年では、なんとかコロナ禍で実施できなくなった「余暇、遊び、文化的生活・芸術的への参加」の部分を充実させていければと思っています。また関係各所や子ども・家庭から寄せられる多くの相談に応えながら、子どもの暮らしの基盤の下支えも引き続き取り組んでいきたいと思います。
この間も多くの会員のみなさま、役職員のみなさま、ボランティアスタッフや寄付者のみなさま、地域で連携してくださっている多くの関係機関のみなさま、そして地域で暮らすみなさまに支えられ活動することができました。ありがとうございました。まだまだ微力ではありますが、山科醍醐こどものひろばとしてできることを一つずつ取り組んでいきますので、今後とも応援のほど何卒よろしくお願いします。
理事長 村井 琢哉