
場所は霧ヶ峰の或る山小屋さんのバックヤードです。
今年は花の開花がゆっくりな年です。
みなさんに霧ヶ峰の花の旬をお届けするタイミングが難しいと思っていた矢先、
「うちの裏でスミレが咲いたからおいでよ」とお声えをかけていただきました。
撮影は日頃は立ち入り禁止の場所ですが、特別の許可をいただき撮影させていただききました。

このすみれは、昔、山小屋で使用していた「かまど」のなか咲いたものです。
昭和の30年代はおそらく現役として活躍していた「かまど」も今はスミレの群生地?です。
撮影をしていて、以前読んだ「邂逅の山(手塚宗求著)」に書いてあった霧ヶ峰の山小屋生活を思い出しました。
また、もうひとつ、「フローラ逍遥(澁澤龍彦著)」で、菫(すみれ)の項目で芭蕉の句を引用していたこと。
山路来てなにやらゆかしすみれ草 芭蕉
今回は山路ではありませんか、山小屋の主人ともに風雪に耐えてきた「かまど」に咲くスミレは、
「かまど」ともども「なにやらゆかし」。
今回の撮影は、「かまど」と、「なにやらゆかしすみれ」へのリスペクトから、デジタルとフイルムを併用。
フイルムカメラは地元岡谷市で組まれた「コンタックス」を使用。
不肖理事長は、いまだにフイルムカメラを使用しています。
実は、霧ヶ峰基金のオリジナルポストカードのほとんどがフイルム撮影です。
撮影したスミレの写真は時期をみて、オリジナルポストカード、額装写真になり、みなさまのお手元に届きますのでお楽しみに。
なお、その売り上げは、当基金の活動を通じて霧ヶ峰の環境保全、エコツーリズムの普及に使用されます。
その節はお協力をお願い申しあげます。
今回は非常にいい撮影ができました。
撮影の許可を下さいました、山小屋のTさんには心から感謝申し上げます。
(不肖)
(補足)
「邂逅の山(手塚宗求著)」、「フローラ逍遥(澁澤龍彦著)」も平凡社ライブラリーより出版。
両著は不肖の枕頭の書です。