イカリムシは主に魚類の体表に寄生する寄生虫であり、コイやフナ、金魚などに寄生していることがありますが、河川に生息する天然アユへの寄生の報告はほとんどありません。
好峯さんは3年かけて庄内川を調査し、小田井堰堤下流に生息するアユに高い頻度でイカリムシが寄生していることを明らかにしました。
様々な魚を調べた好峯さんによると、アユだけではなくゴクラクハゼにも高い率でイカリムシが寄生しているそうです。アユは秋に一生を終えるので、寄生したイカリムシは生き残れません。したがって、数年生きるゴクラクハゼに寄生したイカリムシが越冬し、繁殖を繰り返しているのではないか、とのことでした。
堰堤を遡上できずにいるアユは新たに生まれたイカリムシの格好の標的になっているのでしょう。アユへの寄生は庄内川の環境の悪さを反映していると言えそうです。
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