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非営利法人の想いをカタチにするお役立ち情報
非営利法人の事業継続と経営基盤強化に役立つ情報について、公的機関20年の実績ある会計士の経験・ノウハウをお伝えします。
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自団体と親和性のある企業のリサーチ方法7[2017年04月21日(Fri)]
 おはようございます。昨日はある団体の理事会に行ってきました。ファンドレイジングの手法としていろいろなアプローチがありますが、最近の話題は休眠預金と遺贈でしょうか。特に、休眠預金はこれからの制度ですので、巷にはいろいろな話が飛び交っているようです。今日も元気に行きましょう。

 さて、前回まで、有価証券報告書、CSR報告書、統合報告書と来ました。もう大分、長くなってきているので、いつまで引っ張っているのだとお叱りを受けそうです。今回のアニュアルレポートで最後にして締めくくりにしたいと思います。

 アニュアルレポートは、欧米の一般投資家向けに作成されるもので、日本では主に海外の株主や投資家、金融機関等に英文で配布する、経営内容についての総合的な情報を掲載した冊子という位置づけでした。

 そう、一言で言えば、アニュアルレポートは海外向けの英文による経営情報です。ですが、最近の傾向を見ると、日本語で経営者のメッセージ、事業概要、企業のビジョン、社風や戦略などについて、写真やイラスト等を多用して見易くするなどの工夫がされるケースが増えています。

 たとえば、資生堂は1996年度からすでにアニュアルレポートを公表しています。この年のアニュアルレポートの目次を見ると、財務情報に重点を置いていることがわかります。圧倒的に財務情報が多く、有価証券報告書の内容をハイライト情報としてまとめた感じでしょうか。
https://www.shiseidogroup.jp/ir/library/annual/pdf/1996/anu00000.pdf

 こうした財務情報重視の中でも、マネジメント・メッセージとしてトップのメッセージを冒頭に記載しており、環境保護と社会への取組みにより良き企業市民として社会に貢献し、企業文化の醸成と新たな価値の創造によって世界に評価される企業を目指すことを宣言しています。

 一方、最近では2015年度のアニュアルレポートを見ると、財務情報は主役ではなくなり、非財務情報や写真・図表をふんだんに取り入れて、よりメッセージ性の強いものになっています。赤を基調にしたカラーにも企業の意図が見えてきます。
https://www.shiseidogroup.jp/ir/library/annual/pdf/2015/anu_00001.pdf

 社長メッセージに続き、資生堂プロフィールとして自社の価値創造モデルやブランドを示し、中長期的な成長戦略を描き、社会との関係では動物愛護への取り組みとして、化粧品・医薬部外品における 動物実験を廃止しています。

 また、美しい社会の創造では、社会に向けた美容セミナーの開催やバングラデシュでの女性支援、美しい環境の創造では、全世界でのCO2排出量の削減について、2017年および2020年の削減目標を掲げ、達成をめざして各事業所で推進しています。

 アニュアルレポートは企業によりどのような方針で記載するかは任意であり、その作成方針も様々です。だからこそ、その企業のポリシー、ビジョンミッションが重要であり、多様な関係者に評価されるための戦略やストーリーを描くことによって、より多くの共感を得ようとしています。

 このような企業は、当然に問題意識が高く、多様な関係者との交わりも積極的にしようと考えています。それが最終的に自社の長期的かつ持続的な成長に繋がると確信しているからです。

 これまで、いくつかの株式公開している企業の公表情報を見てきました。社会との持続的な関係性を構築しようとする企業が少しずつではありますが、増加していると思います。そうした企業の中から、自団体と親和性のある企業を上手くリサーチし、ウィンウィンの関係を構築する手立てを考えていただければ幸いです。
自団体と親和性のある企業のリサーチ方法6[2017年04月19日(Wed)]
 おはようございます。昨日は久しぶりに、高校のOBで主に事業を行っている者の交流会に行ってきました。前回は、実はインフルエンザに初めてかかってしまい、出席できなかったので楽しみにしていました。

 みなさん多士済々で、高校の110周年記念の事業の話で大いに盛り上がっていましたよ。今日も元気に行きましょう。

 さて、前回まで、有価証券報告書、CSR報告書と来ました。今回は統合報告書です。統合報告書とはあまり聞きなれない言葉だと思います。それもそのはず、ごく最近出てきたものだからです。

 欧米を中心に機関投資家が社会的責任投資(SRI)を重視するようになり、企業による統合報告の発行を制度化し始めたことが契機となり、日本でも2012年ごろから一部企業でぼつぼつ出始めたところです。

 統合報告書とは、一口で言えば、企業の財務情報と非財務情報を組み合わせたものです。有価証券報告書は主に財務情報、CSR報告書は主に非財務情報を中心に記載されていますが、統合報告書はどちらの情報にも重点を置いています。

 統合報告とは、すなわち、財務、環境、CSR、ガバナンス、知的財産など様々な情報に基づき、中長期的な企業価値の創造のプロセスを伝えることを言います。

 企業の価値を財務情報からだけではなく、特許やブランド、経営者の資質など、直接数字に表れない無形財産も何らかの形で評価しようという動きの中で、それらの価値がどのようなプロセスで評価されるかをわかりやすく伝えることに重点としています。

 たとえば、京都の堀場製作所の統合報告書を見ますと、表紙に「おもしろおかしく」というタイトルが目に入ってきます。http://www.horiba.com/uploads/media/HORIBA_2015AR_jp_HQ.pdf

「既存のビジネスを広げ、さらなる可能性を追求し、あらゆる壁を乗り越え、よりHORIBAらしく進む。」堀場製作所の熱い想いが込められたメッセージで読者を引き込みます。

 堀場製作所は、見えない資産による価値創造として、組織、人材、技術、ブランドを記載しており、こうした非財務情報を見える化することにより、企業の財務情報だけではわからない企業の価値の源泉ともいうべきものを開示しています。

 統合報告書を作成している企業はまだまだ少ないですが、企業の持続的な成長に対する想いと他社との差別化を戦略的に考え、それをわかりやすく読み手に共感を得て応援してもらうというツールの一つであることは間違いありません。こうした報告書にも注目していただければと思います。
自団体と親和性のある企業のリサーチ方法5[2017年04月15日(Sat)]
 おはようございます。少し、諸般の事情で間が空きました。昨日まで東京出張しており、バタバタしておりました。そうこうしている内に、もう4月も中盤です。本当に時間が経過するのは早いですね。うかうかしていると、あっという間に4月も終わりになります。気を引き締めて行かなければ。

 さて、前回は有価証券報告書を取り上げ、実際の事例でどんな見方をすれば良いか、ということをお伝えしました。本日は、前々回で取り上げたCSR報告書をもう少し掘り下げたいと思います。前回登場した「ミズノ」は、CSR報告書も充実していますので、これを見ていきます。
http://corp.mizuno.com/jp/csr.aspx

 「ミズノ」のホームページを見ると、CSRが独立したページがあります。これだけでも実はすごいんです。他社のサイトを見ると、事業報告の片隅にポツンとCSR報告書の簡単な紹介だけアップされていたり、そもそもどこにCSR報告書があるかよくわからない場合もあります。

 この点、「ミズノ」は独立したページを持ち、目次ごとにそれぞれクリックすると該当ページが閲覧できるようになっており、それらを総括したPDFの報告書もアップされています。そこから目次別、全ページ別の活動報告がダウンロードができるようになっています。

 目次を見ると、まずはトップメッセージでCSRと経営の統合をはかっていくために、CSRとして何をどこまでやるべきかを問題提起し、ミズノにおけるCSRを定義してミズノ製品に携わる全ての人が幸せを感じられるような環境を創造することに向き合うとしています。

 このトップメッセージはすごく大事ですよね。ここに企業のCSRに対するトップの想いが込められており、それを実践していく決意というか、ポリシーが明確になっていると後はそれをどう実施してくかの道筋が示されることになります。

 そして、「ミズノ」の本業であるスポーツの振興について、経営理念「より良いスポーツ品とスポーツの振興を通じて社会に貢献する」に基づき、子どもたちの苦手種目の克服を手伝う「ミズノ・スポーツ塾」など多様な手法で実践している事例が紹介されています。

 これらの情報から、自団体の事業との親和性をどう感じとればよいのでしょうか。地域の住民の健康増進をスポーツを通じて支援する事業は多種多様な取組みが考えられます。その時に、同じ方向性を持った企業と連携できれば、どちらもウィンウィンの関係を構築する可能性があります。

 自団体が行う事業に企業もメリットを受けるのであれば、そこにCSVに展開するチャンスが生まれます。ぜひともこうした情報を収集し、企業とつながるアクションを考える契機にしていただければと思います。
自団体と親和性のある企業のリサーチ方法4[2017年04月11日(Tue)]
 おはようございます。今朝もあいにく雨です。桜シリーズで恐縮ですが、なかなか天晴れはありませんね。関東より南では、大方の地域で桜満開ではないでしょうか。今年は何か雨の合間を縫って桜を見に行く感じですね。今日も元気に行きましょう。

 さて、先日、有価証券報告書を取り上げましたが、実際に何をどう見れば良いのかわかりにくかったかも知れません。よって、実際の事例でこんな見方をすればということで参考にしていただければと思います。

 CSRでも結構頑張っている、スポーツ用具全般を製造販売している「ミズノ」を見ることにします。「ミズノ」でみなさまが思い出すイメージとしては、やはり野球でしょうか。野球にご興味のある方であれば、グローブ、バット、シューズ、ユニフォームなど高校球児やプロ野球選手に提供している会社です。http://corp.mizuno.com/jp/investors/yuho.aspx

 「ミズノ」の有価証券報告書を見ると、1.企業の概況、(3)事業の内容には、主に野球やゴルフなどスポーツ用品を日本だけでなく、全世界で製造販売している会社です。その他、スポーツ施設の建設や運営及び受託なども事業として実施しています。

 (5)従業員の状況では、グループでは5000人を超える従業員が働いており、このうち、国内では2000人弱、平均年齢42歳、平均勤続年数18年、平均年収620万円とそこそこ良い会社だなということがわかります。

 2.事業の概況、(3)対処すべき課題では、新たなビジネスモデルとして、スポーツ品生産の技術の蓄積を基盤として、燃料電池自動車の水素貯蔵タンク用素材など新分野の事業領域に挑戦することを宣言しています。

 また、会社の経営理念として、「より良いスポーツ品とスポーツの振興を通じて社会に貢献する」を掲げており、その理念を実現する重点目標の一つとして、「健康関連事業への取組み強化」を述べています。

 そこには、シニア層の人口が増大する中で日常的なスポーツやトレーニングに対する需要に応える商品とサービスを提供する旨、記載されています。

 こうした公表情報から、自団体との関係で何を読み取ればよいのでしょうか。キーワードとしては、「シニア層の人口の増大」、「日常的なスポーツやトレーニング」、「シニア層の需要に応える商品とサービスの提供」などがあります。

 地域の住民の健康増進に取り組んでいる団体であれば、これらのキーワードからさらに関連情報を収集し、自団体とジョイントできる事業はないかということを検討することができます。

 実際に、「ミズノ」は公益財団法人 ケア・インターナショナル ジャパンと連携して、大阪チャリティウォーク in 万博記念公園を開催されています。
http://www.careintjp.org/news/b/wihs2017_0603event.html

 もちろん、有価証券報告書だけでこうした連携ができるわけではありません。ですが、少なくともこうした情報を普段からウォッチしていると、何かのきっかけでヒットすることが期待できます。何故なら、そのような意識で情報収集しているからです。

 ぜひ、自団体と親和性のある企業の有価証券報告書を覗いてみてください。そこから思いもよらないヒントが見えてくるかもしれません。一度、トライしてみてくださいね。
今日は大学の講義に行ってきます。[2017年04月08日(Sat)]
 おはようございます。今朝も雨のスタートです。私が住んでいるところは山の麓なので、まだまだ朝は気温が低く、いまだにストーブが活躍しています(笑)。こたつも手放せません。関西なのにどんなところに住んでいるのだと言われそうですが、標高300メートルなのでご容赦ください。

 さて、本日は、少し小休止です。今日から大学の講義が始まります。学部学生相手に「優良企業の見分け方」と称して、大部屋で講義です。自分もよく研修に行き受講しているからわかるのですが、座学形式だとどうしても一方通行になり勝ちで、ましてや大教室だと学生までの目線が遠いです。

 自分が学生の時はどうだったかなあというのは棚に上げて、途中で寝るは、明後日の方に顔を向けているわということで、好き放題だったような気がします(笑)。ですので、学生の関心を引くのと適度な緊張感を持たせるにはどうすれば良いか悩みながらやっています。

 「優良企業の見分け方」は、学部学生が企業が公表する様々な情報をどのように読み解き、それぞの意味や内容を評価し、企業評価のための総合的な判断ができるようにすることが講義のゴールとなっています。

 そのポイントは実はマーケティングの手法です。企業がターゲット顧客を絞り込み、そこにできるだけフォーカスして経営資源を投入する手法が求められます。それを学生が就活などに応用することが核になっています。

 もうお気づきの方も多いのではないでしょうか。そうです。NPO法人がパートナーとして組みたい企業を探すのと基本的には同じです。 学生が自分の適性と希望に合致した企業を探すように、NPO法人が自団体と親和性があって、協働できる企業を探すのにマーケティングの手法を応用するのです。

 私もまだまだ勉強不足ですが、このマーケティングの手法を取り入れて、NPO法人に適用する仕組みと仕掛けのモデルを志向していきたいと思います。それがCSVを梃子にした企業と繋がるものと確信しています。 
自団体と親和性のある企業のリサーチ方法3[2017年04月07日(Fri)]
 おはようございます。今朝は雨でスタートです。結構、しっかり降っています。桜が満開になる前の慈雨だと良いのですが。明日の昼から天気が良ければ桜を見に行こうと考えています。さて、どこに行こうかしら。今日も元気に行きましょう。

 昨日から、CSVやCSRに取り組んでいる企業が公表している情報を見に行きましょうということで、第1弾として有価証券報告書を取り上げました。実際に手にするとわかりますが、大分の量で最初はなかなか読むのに手こずるかもしれません。まあ、慣れの問題ですね。

 今日はCSR報告書を取り上げます。CSRとは、今さら言うのは何なんですが、Corporate Social Responsibilityの頭文字をとったもので、「企業の社会的責任」と訳されています。 従業員の労働面での人権保護、地球環境や地域社会など、多様で大勢のステークホルダー(利害関係者)に配慮した経営のことを一般的に言います。

 そこから、CSR報告書とは、企業が環境や社会問題などに対して、倫理的な責任であるCSR(企業の社会的責任)の考え方に基づく社会的な取り組みをまとめた報告書を言います。CSRと言っても、結構、守備範囲は広いです。

 環境、労働、安全衛生、社会貢献、事業など、様々な活動に伴う環境負荷の測定などを開示し、CSRに積極的に取り組む活動を企業の価値創造と併せて公表する企業が増加しています。このうち、環境部分だけを取り出したのが環境報告書です。

 企業が自らの事業活動によって生じる環境負荷や、環境に対する考え方、取り組み等を通じて、社会に対してどのように貢献しているかについて定期的に公表しています。

 その内容は、企業により様々です。たとえば、オムロンでは、ホームページでCSR取り組み方針を掲げています。
http://www.omron.co.jp/about/csr/what/csr_efforts.html#anchor-c

 事業を通じてよりよい社会をつくること、社会が抱える課題に当事者として自ら取り組むこと、企業活動を進める上で常に公明正大であること、この3つの方針に基づき企業活動をしていることがわかります。

 CSR報告書も、企業が利害関係者に対して社会的責任を果たすことで企業の利益に資する情報提供するためのツールとするならば、@どの読み手をターゲットにし、A企業の伝えたいメッセージをストーリーで伝え、B読み手との信頼関係をどのように担保しているか、こうしたことが戦略的に公表される必要があります。

 そこに、企業の意図が見えるわけであり、自団体との関係性を推し量る材料をどのように提供しているかと言う視点で読むことができます。ですので、自団体の事業活動と近しい企業のCSR報告書を読んでみてはいかがでしょうか。

 なお、CSR報告書は企業のサイトを見に行けばありますが、複数の企業のものを知りたい場合は、エコほっとラインというサイトがあります。興味のある方は一度、覗いてみてください。
http://www.ecohotline.com/


 
自団体と親和性のある企業のリサーチ方法2[2017年04月06日(Thu)]
 おはようございます。東京は桜は満開のようですが、関西はこれからです。この週末辺りが満開の予想です。しかし、天気があまり良くないようです。

 ということで、今年は平日に見られる人はともかく、週末観桜者はチャンスが少ないかもしれませんね。まあ、夜桜もあるしと言うことで、今日も元気に行きましょう。

 さて、前回、CSVやCSRに取り組んでいる企業はどんな情報を発信しているかについて、公表情報を見ていきましょうということをお伝えしました。今回は、その全体像をお知らせします。株式を公開している企業が公表している情報は、たとえば以下のものがあります。

公表情報170406.pdf

 公表情報には、有価証券報告書のような法定開示書類もあれば、CSR報告書のように任意開示書類もあります。いずれもかなりのボリュームがあり、読み解くのにある程度の知識が必要なものもあります。

 これらの情報は基本、公表されているので、インターネットからデータのダウンロードが可能です。よって、ご自身が関心興味のある企業情報を複数入手して、いろいろと比較検討することが可能です。そう、この比較分析がどこまでできるかがポイントになります。

 今日は有価証券報告書を取り上げます。有価証券報告書は金融商品取引法に基づいて、株式を公開している企業が毎年作成する、会社内容の開示資料(法定書類)です。大分の書類でソフトバンクなど300ページを優に超える企業もあります。

 有価証券報告書の目次を見るとわかりますが、法定開示書類なので様式が決まっており、どの企業も1.企業の概況、2.事業の概況、3.設備の状況、4.提出会社の状況、5.経理の状況、6.提出会社の株式事務の概要、7.提出会社の参考情報の大項目があります。

 このうち、この会社が何をしているかということを詳細に知りたいということであれば、1.企業の概況、2.事業の概況を見ればかなりのことがわかります。

 たとえば、1.企業の概況では、(1)主要な経営指標等の推移、(2)沿革、(3)事業の内容、(4)関係会社の状況、(5)従業員の状況が記載されており、企業の概観がわかります。これだけでもかなりの情報量で、企業にあまり関心がない方は少し骨が折れるかも知れません。

 有価証券報告書はどちらかと言えば、株式投資をしている方向けの企業の詳細情報なので、どうしても多くの情報になってしまいますが、その分、企業のことを知るのに、結構深堀する手掛かりにもなります。

 なお、資料の入手方法は先ほどお伝えしたとおり、企業のホームページから入手できますが、類似企業の情報を一括で入手したい場合は、「EDINET」という有価証券報告書を一括して閲覧するサイトがあり、そこで同一の企業の複数期の書類、異なる企業の同じ期の書類等、複数の書類を入手することが可能です。http://disclosure.edinet-fsa.go.jp/

 まったく有価証券報告書をご覧になったことのない方は、その情報量に圧倒されるかもしれませんが、一度気になる企業のホームページを除いて見てください。そこから新しい企業の発見があるかも知れません。
自団体と親和性のある企業のリサーチ方法1[2017年04月03日(Mon)]
 おはようございます。今日から実質的に新年度のスタートですね。読者のみなさまも新しい気持ちで、事業や活動に取り組もうとされていることと存じます。その前に英気を養うということではありませんが、昨日は天気があまりに良かったので、少し遠出をしてドライブがてら淡路島に行ってきました。菜の花畑が一面を黄色で囲っており、しばし自然の美しさに見惚れていました。今日も元気で行きましょう。

 さて、先日、FRJ2017 ファンドレイジング・日本に行ってきましたと題して、5回シリーズで投稿しました。その中で、自団体と組むパートナーにふさわしいかどうかについて、情報収集する必要性をお話ししました。

 そこで、CSVやCSRに取り組んでいる企業はどんな情報を発信しているかについて、少し紹介したいと思います。公表情報からそれをリサーチするわけですが、自団体と親和性のある企業を探す際に、こうした情報を読み解く必要があります。

 しばらくは、こうした公表情報をご紹介し、自団体との接点を見つけて、ターゲット企業を絞り込むヒントにしていただければと思います。

1.企業とは何か。
 まずは、あらためて企業とは何でしょうか。企業についてある程度イメージするためのをキーワードを拾って見ると、たとえば、以下の事項があります。

・市場経済における経済活動の主な担い手
・資金、労働力、原材料等の提供を受ける組織
・経験や知識、技術など多様な資源を用いて付加価値を創出する主体
・市場に財やサービスを提供して余剰資産を取得する組織
・余剰資産を再投入して新たな価値を継続して創出する主体
・利潤最大化が基本
・社会的存在として「公器」の役割

 基本、利潤を獲得すること、すなわち、営利を追求する組織ですが、上記の最後のキーワードである、社会的存在として「公器」の役割に注目していただきたいと思います。そう、まさに、企業を取り巻く多様な関係者と接点を持つことで社会的な存在としての役割が求められています。

2.株式公開している企業の公表情報

 こうした企業が公表する情報にはどのようなものがあるでしょうか。ここでは、株式公開している企業に着目すると、以下のような情報が公表されています。

有価証券報告書
・CSR報告書
・アニュアルレポート
・コーポレートガバナンス報告書
・統合報告書
・ホームページ

 これらの情報は、結構ボリュームがあり、最後まで読もうとすると結構大変です。でも、ご安心ください。すべてを読む必要はありません。あくまで、自団体と親和性のあるCSVやCSRに関する情報を抽出すればよいのです。

 少し長くなってきました。次回以降、これらの公表情報の概要と読み方を見ていきたいと思います。よろしくお願いします。
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