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非営利法人の想いをカタチにするお役立ち情報
非営利法人の事業継続と経営基盤強化に役立つ情報について、公的機関20年の実績ある会計士の経験・ノウハウをお伝えします。
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会計ソフトは使い方次第で益にも毒にもなるその2[2016年03月14日(Mon)]
2016年3月14日(月)
 おはようございます。今日はホワイトデーです。世の男性は、バレンタインのお返しの日です。本命も義理もそれぞれに応じて、職場で家庭でサプライズの品のやりとり?が見られるのでしょうね。今日も張り切って行きましょう。

(要旨)
@便利な会計ソフトはともすれば、盲目的になってしまい、思考停止になりがち
Aたとえば、仕訳で貸借を間違えてもそのまま記録されてしまう
B「ちょっとこれ変かも?」という「健全な懐疑心」は第一義的には、事務局長が持つべき

 さて、本日のテーマは「会計ソフトは使い方次第で益にも毒にもなるその2」です。前回、「会計ソフトを使用した場合に便利なのは、資金管理や消費税の計算に活用できる。」とお伝えしました。会計ソフトの効用、すなわち、「益」の方ですね。今回は逆に「毒」の方です。

@便利な会計ソフトはともすれば、盲目的になってしまい、思考停止になりがち

 以前にも話しましたが、便利な会計ソフトであるが故に、ともすればそれに盲目的になってしまい、思考停止になりがちです。会計ソフトは、しょせんツールですので、それを生かすも殺すも使う人次第ということです。

Aたとえば、仕訳で貸借を間違えてもそのまま記録されてしまう

 たとえば、仕訳で貸借を間違えてもそのまま記録されます。勘定残高がマイナスになっていても、そまま表示されます。つまり、操作を間違っても、それをソフトが自動的に修正するような機能は持ち合わせていないということです。

 ですが、便利な会計ソフトを使う習慣がついていると、考えることがおろそかになってしまい、どうしてもそのまま信用することが多くなります。結果として、間違った数値をそのままスルーしてしまうことになります。そして、間違った経営判断に繋がることになります。

B「ちょっとこれ変かも?」という「健全な懐疑心」は第一義的には、事務局長が持つべき

 もちろん、そうならないように会計ソフトを使う人が気を付ける必要があります。日々の業務を行っているので、感覚的にこの数値はおかしいのではという「健全な懐疑心」を持つことが求められます。では、この「健全な懐疑心」は誰が持つのでしょうか。

 会計事務員でしょうか、それとも事務局長、理事、理事長?いろいろな職階の方が持つほどその団体の会計は万全になっていくのでしょうが、第一義的には、事務局長です。団体全体のことと会計のことを両方知り得る立場にある事務局長がその役割を果たす必要があります。

 「ちょっとこれ変かも?」という感覚はすごく大事です。これがあるとないとでは大違いですので、事務局長に限らず、会計にタッチする方々は、ぜひこの「健全な懐疑心」をもつことをお勧めします。
失敗しないデザイナーの選び方 そのD「レスポンスが早い、もしくは返事をしっかり返してくれる」[2016年03月12日(Sat)]
こんにちは、小さなNPOをデザインで応援している林田です。デザインを活用したいNPOのために有用なノウハウをまとめましたので、共有させていただきます。


失敗しないデザイナーの選び方
「予算も確保できたし、デザイナーに依頼したいけれど、どうやって探せばいいの?」
そんな時に押さえておきたいポイントを何回かに分けてお伝えしていきます。

金額が高いからといって、満足のいくデザインが仕上がるとは限りません。“こんなはずじゃなかった!”というマッチングの悲劇を避けるためには、どのような点に気をつければいいのでしょうか。


そのD レスポンスが早い、もしくは返事をしっかり返してくれる
円滑なコミュニケーションは、仕事を進める上で重要な要素となります。
仕事のパートナーとして信頼性は、意思疎通自体がストレスなくできるかどうかにかかってきます。

初期段階のメールのやりとりをしていくなかで、コミュニケーションの相性を確かめていきましょう。
メールのレスポンス(返信、反応)が早いかどうか、あるいはしっかり対応してくれるかどうか。さらには、小さな約束を守る、スケジュールが遅れることになったらこまめな相談をしてくれる、といった点を踏まえて信頼できる相手を探していきましょう。

いかがでしょうか?以上のポイントをふまえて、デザイナー選びの参考になれば嬉しいです。こんな調子で「失敗しないデザイナーの選び方」をご紹介していきます。(来週に続きます)

これまでの記事
@ 自分たちのつくりたいイメージに近い制作実績があるかどうか
A NPOなど公益組織の実績があるかどうか
B 価値観や相性が合うかどうか
C 制作予算の折り合いがつくこと
公監査の現状と課題についてその3[2016年03月11日(Fri)]
2016年3月11日(金)
 おはようございます。本日は、東日本大震災から5年たちました。いろんなところでこれに関する特集が組まれています。忘れないようにするためです。私も阪神大震災を経験していますので、その気持ちはよくわかるつもりです。亡くなられた方々のご冥福をお祈り申し上げます。今日も元気で行きましょう。

(要旨)
@自治体に統一された監査基準が必要であることはすでに公表されている
A統一された監査基準が法制度化されるのはそう簡単ではない
B統一された監査基準が制度化されるためには、実務上の課題を解決する関係者の力を結集する必要がある

 さて、本日のテーマは「公監査の現状と課題についてその3」です。前回、監査委員の監査の品質を維持するためにも、自治体に統一された監査基準が必要とお伝えしました。
https://blog.canpan.info/kin-cpa/daily/201603/04

@自治体に統一された監査基準が必要であることはすでに公表されている

 前回で書き切れなかったことがあるので、もう1回、監査の専門性についてお伝えしたいと思います。総務省では、「地方公共団体の監査制度に関する研究会報告書」や第31回の地方制度調査会の「人口減少社会に的確に対応する地方行政体制及びガバナンスのあり方に関する答申(案)」が公表されています。http://www.soumu.go.jp/main_content/000219868.pdf
http://www.soumu.go.jp/main_content/000401436.pdf

 これらの公表情報から、監査の専門性を上げることは急務であり、特に地方制度調査会から答申が出ましたので、普通に行けばこれを受けて法制度の改正が行われる手はずとなるはずです。

A統一された監査基準が法制度化されるのはそう簡単ではない

 ところが、この「なるはず」というところが実際に成就するかは難しいものと考えています。何故なら、統一した監査基準一つをとっても、ずいぶん前から言われているのにもかかわらず、まだ実現していないからです。

 一般的に法制度化する前段には、実務的に実施可能な環境が整備される必要があります。すなわち制度化する際のヒトモノカネを整備しなければなりませんが、統一した監査基準については、その環境を誰も責任を持って整えようとしていない状況があると考えています。
 
 統一した監査基準を法制度化するには、当然のことながら規範性が求められます。いったん制度化したならば、これを義務付けられることになります。ですが、全国の自治体は都道府県から市町村まで約1800ほどありますが、これをすべての自治体に適用する監査基準を設定するのは、そう簡単ではありません。

 たとえば、現在でも監査を実施する部門である監査委員事務局の人員体制はピンキリです。東京都は100人を超える規模を誇る反面、人口5万人未満の市町村は数人しかいません。このような体制の中で統一した監査基準に基づいた監査を実施せよと声高に言っても物理的に無理があります。

 つまり、実際にすべての自治体にこれを義務付けようとするならば、本当に実施できる体制を整備しないと、絵に描いた餅になってしまうことを意味します。いざ、実施しようとするとぐんとハードルが高くなってしまうのです。

B統一された監査基準が制度化されるためには、実務上の課題を解決する関係者の力を結集する必要がある

 こうした実務上の課題を解決しない限り、統一した監査基準を設定すべきと言ったところで、誰も本気で考えません。もっとも、まずは法制度化して、そこから実務を整備する逆算方式も考えられるところですが、関係者の力技と腹をくくった実行力が求められます。

 そこまで本当にやるのだとという強い意思が問われているものだと思います。すみません。これまで関わってきただけに、少し熱くなってしまいました。また、専門的な話になってしまい、退屈に感じる方も大勢いるでしょう。

 もう、これで終わりにしますが、個人としてはこの問題に引き続き強い関心を持ち、監査の専門性が強化されることを願ってやみません。そのことが自治体の行政経営力の強化、ひいては税金を払っている住民のためになると考えています。
 
社会福祉法人の会計監査を受ける心構えと準備は大丈夫ですか[2016年03月10日(Thu)]
2016年3月10日(木)
 おはようございます。最近は寒暖の差が激しいですね。月曜日は20度を超えて思わずコートを脱ぎましたが、火曜日から打って変って寒くなっており、今週いっぱいはこの寒さが続くようです。三寒四温を本当に実感する今日この頃です。今日も張り切って元気に行きましょう。

(要旨)
@法律で社会福祉法人の外部監査である会計監査を受けることがほぼ確実になっている
A社会福祉法人の会計監査は所轄庁が行う指導監査とは全く異なるものである
B29年度からの施行に向けて対象となる社会福祉法人は早めの準備が必要である

 さて、本日のテーマは「社会福祉法人の法定監査を受ける心構えと準備は大丈夫ですか」です。
前回まで2回にわたって公益法人と社会福祉法人の指導監査についてお伝えしました。団体は、法律で義務付けられている指導監査を上手く活用してほしいものですね。
https://blog.canpan.info/kin-cpa/daily/201603/03

@法律で社会福祉法人の外部監査である会計監査を受けることがほぼ確実になっている

 本日は、法律で義務付けられるもう一つの法定監査として、社会福祉法人の外部監査である会計監査を取り上げます。実は公益法人も外部監査制度があるのですが、政治的な決着もありその対象は驚くほど少ないです。

 しかし、社会福祉法人の場合、これも多分に政治的なところがありますが、昨今の不正事件等の続発を鑑みて、収入規模10億円、負債規模20億円以上の社会福祉法人を対象とすべく、国会の審議を受けることになっています。

 もし、法案が通ると全国で1800程度の社会福祉法人が会計監査の対象となり、毎年公認会計士等の監査を受けることが義務付けられます。今のところ、波乱気味の国会の審議状況にもよりますが、29年度から施行の予定となっています。

A社会福祉法人の会計監査は所轄庁が行う指導監査とは全く異なるものである

 この会計監査は指導監査とは異にします。指導監査は会計監査と業務監査の両方を含みますが、あくまで所轄庁が指導するための監査です。これに対して、会計監査は民間企業の外部監査と同様、公認会計士等が社会福祉法人の財務諸表が社会福祉法人会計基準に準拠して適正に表示しているかについて証明をするものです。

 したがって、監査主体が異なるとともに、責任の取り方も異なります。早い話が所轄庁が指導監査をミスって社会福祉法人の不正を見逃しても責任を取りませんが、公認会計士等が過失で社会福祉法人の不正を見逃すと責任を取ることにになります。

 また、所轄庁の指導監査は、概ね一つの団体に1日から数日の範囲の日数で終わりますが、公認会計士等の会計監査は団体の規模にもよりますが、最低でも数十日がかかります。

B29年度からの施行に向けて対象となる社会福祉法人は早めの準備が必要である

 このように、公認会計士等の会計監査が義務付けられると、監査を受ける側の社会福祉法人の対応は指導監査の比ではなくなり、相当の労力を要することになります。また、監査を受けるための体制を整備する必要がありますが、これも事前準備に相当の時間がかかります。

 こうした制度変更は、ある程度経過措置的なバッファーを持たせるのが通常ですが、今回の会計監査については、その辺の配慮はあまりなされず、否が応でも対象となる社会福祉法人は、それぞれが監査を受ける準備を進めなければなりません。

 次回以降では、その一端をお知らせすることにします。まだまだ、対象となる社会福祉法人は自分事と考えていない団体が多いようです。あと1年しかありませんので、早めの準備をすることをお勧めします。
 
銀行から融資を引き出す際の重要事項とは[2016年03月09日(Wed)]
2016年3月9日(水)
 おはようございます。今朝起きると、最初から鼻がむずむずしています。すでに花粉症の季節ですが、みなさんは大丈夫ですか。私は、鼻炎系の花粉症で朝から尾籠な話で恐縮ですが、鼻水が止まらなくなります。とはいうものの、今日も元気で張り切って行きましょう。

(要旨)
・銀行は金融庁から融資拡大を強く要請されている
・銀行は職員不足で満足に融資拡大する体制になっていない
・銀行は融資する目利き力が減っている

 さて、本日のテーマは「銀行から融資を引き出す際の重要事項とは」です。前々回、資金調達の優先順位の中で、「融資という資金調達を有効活用することも選択肢に入れるべき」とお伝えしました。https://blog.canpan.info/kin-cpa/daily/201602/24

 寄附(出損)、会費、補助金・助成金などの組み合わせの中に、融資を含めて考えてはどうかということでしたが、実際に銀行から融資を引き出すためには、何に留意すればよいのでしょうか。そのためには、銀行の内部事情を知る必要があります。本日はその一端をお知らせします。

1.銀行は金融庁から融資拡大を強く要請されている
 銀行というのはどこを向いて仕事をしているのでしょうか。取引先でしょうか。投資家でしょうか。いや、正解は金融庁です。彼らは何より金融庁が怖いのです。

 なにしろ、生殺与奪の権力をもっているので、金融庁には逆らえません。ですので、金融庁から言われたことは、必死で対応することを余儀なくされます。その金融庁が融資要請の大合唱をしています。

 金融庁はアベノミクスに貢献しなければならないので、安倍さんの政策を必死で実行しますが、それが中小企業に焦点を当てた融資拡大です。このため、銀行に融資を増やせと命令するのです。最近では日銀のマイナス金利が話題になっていますね。

 銀行が日銀に預けているのに、マイナス金利ですから預けている方が金利を払わなければならないという、前代未聞の状況です。そうでもして、銀行に日銀に預けるよりは融資をいやでもさせようとする政策です。

2.銀行は職員不足で満足に融資拡大する体制になっていない
 では、肝心の銀行は融資を拡大させているのでしょうか。ここでは、中小企業の融資に焦点を当てると答えはNOです。特に、地銀、信金など地域の銀行は職員を一定数減らしている中で、以前とは比較にならないほど業務が多様化しています。

 預金獲得はもちろんのこと、国債の販売や保険など手数料取引を増やせと言われているので、時間のかかる融資には、なかなか時間を割くことができないのが実情です。地域の地銀信金の融資部門はありますが、役席という管理職の他に営業行員数人で構成している銀行も少なくありません。

 支店によっては結構広いエリアを管轄してるところもあり、どうしても業務の優先度を考えると比較的結果が出やすい業務を手掛けることになります。ですので、なかなかそう簡単には融資を拡大する体制にはなっていないと思われます。

3.銀行は融資する目利き力が減っている
 融資をするのに従来のような担保至上主義では通用しない時代になっています。金融庁が担保だけの融資はダメと言っているからです。ですので、知識と経験が必要は融資業務は以前よりハードルが高くなっているのです。

 一方、上記のように融資をするには知識と経験が必要であり、融資先の決算を含む状況を把握するには時間がかかります。特に、中小企業は融資が欲しいがために決算書のお色直しをすることも少なくないので、決算書から融資先の経営実態を把握する目利き力が重要になってきます。

 この目利き力はそう簡単には養われません。何度も失敗して場数を踏むことが求められます。ですが、先ほど言いましたように時間がかかるために、そのために時間を割く余裕もなく、全体として、銀行の融資先に対する目利き力は減少しているものと思われます。

 以上、最近の地域の銀行の状況の一端を独断と偏見でお伝えしました。当たらずとも遠からずというところでしょうか。では、こうした銀行の内部事情を踏まえて、銀行から融資を引き出すためにはどうすればよいのでしょうか。次回に続きます。
トップと現場の情報ギャップは誰が埋める[2016年03月08日(Tue)]
2016年3月8日(火)
 おはようございます。先週、日曜日の震災関係の映画見ました。障害者施設の利用者や事業者が震災にどう向き合ったのか、どう乗り越えて行ったのか、1時間ほどのドキュメンタリーでその後、視聴者でディスカッションしました。もうすぐ、東日本大震災5年目を迎えます。今日も元気で張り切って行きましょう。

(要旨)
・トップは事業規模に応じて段々と現場と遠ざかることを余儀なくされる
・トップと現場との間にコミニュケーションギャップが大きくなると不信感が芽生えて、相互理解 の量がどんどん減るリスクがある
・そのギャップを埋めるのは現場とトップの両方に接する管理層、特に事務局長の役割が大きい

 さて、本日のテーマは「トップと現場の情報ギャップは誰が埋める」です。前回、「トップのリーダーシップは何を重視する」で、非営利法人の場合、「共感」を得るための情報発信とコミニュケーションが重要とお伝えしました。https://blog.canpan.info/kin-cpa/daily/201603/01

 組織で活動する以上、たとえ最少人数であったとしても、コミニュケーションが必要です。相互理解がないと業務を円滑に進めるうえでロスが生じるからです。したがって、規模が大きくなればなるほど、このコミニュケーションをどのように進めるかが重要です。

 ここでは、ある程度の規模(数十人から100人ぐらいの組織)を前提にすると、トップと現場の距離感は比較的近いです。一緒に業務をすることも多く、トップは自然と現場と情報を共有し、肌感覚で現場の雰囲気を感じ取ることができます。

 しかし、業務が多様化複雑化するにつれて、本来の業務であるトップの経営にかける時間が多くなると、必然的に現場と接する時間が少なくなり、現場からの間接的な報告を通じて経営判断することを余儀なくされます。

 現場からの情報が適時に上がるうちは良いのですが、忙しさにその頻度が下がり、段々と現場との接点が減少して遠ざかってくると、トップと現場との間にコミニュケーションギャップが生じ易くなります。

 このギャップが大きくなると、トップと現場との間に不信感が芽生えて、相互理解の量がどんどん減ってきます。いったんこうした情報ギャップと不信感が出ると、それを是正するのに多くの労力をかけることになります。

 トップは忙しいですから、なかなか現場と十分なコミニュケーションを取ることが難しいです。そのことを前提にして、トップはできるだけ自ら現場に足を運び、相互理解の行動を取ることが求められますが、限界もあります。

 トップと現場の情報ギャップは常に発生するのだという認識の下、それを埋める不断の対応が求められます。そのギャップを埋めるのは現場とトップの両方に接する管理層です。非営利団体で言うと事務局長や現業ラインの部門長です。特に事務局長の役割が大きいです。何故なら、法人全体の状況を一番把握できる位置だからです。

 もちろん、内部での各種会議などトップと現場の相互理解を進める仕組みは必要です。ですが、公式の場だけでは足りません。いくらハコを作っても機能していないことも多いからです。非公式のコミニュケーションギャップを埋める作業が上手く行くかどうかは、管理層の意識の差が大きいです。

 公式非公式、いろいろな場を設定したり、情報を共有化したりの組み合わせになると思います。組織を一定の方向性のベクトルに向かわせるためには、現場との接点を常に持ち続けることが重要です。現場に問題が落ちていることを十分把握して、その問題を拾える体制と意識が大事です。

 ご自身の団体でこのギャップが生じていないか、そしてこのギャップを埋める体制ができているか、一度振り返ってみてはいかがでしょうか。

 
 
会計ソフトは使い方次第で益にも毒にもなる[2016年03月07日(Mon)]
2016年3月7日(月)
 おはようございます。今朝はどんより曇っていますが、すごく暖かいです。最高気温は20度を超えるみたいです。もうコートはいらなくなりますね。今日も張り切って行きましょう。

(要旨)
・会計ソフトは会計周りの付加的な機能が多く揃っている
・会計ソフトを使用する事業規模の目安は年間3000万円〜5000万円以上の収入規模
・会計ソフトを使用した場合に便利なのは、資金管理や消費税の計算に活用できる

 さて、本日のテーマは「会計ソフトは使い方次第で益にも毒にもなる」です。前回、「会計知識はどのくらいまで必要か」のテーマで、「会計ソフトは便利だが、使い方を良く考えて、団体の活動実態を反映しているか、十分留意する必要がある」とお伝えしました。
https://blog.canpan.info/kin-cpa/daily/201602/29

 今回は、これをもう少し掘り下げていきます。多くの団体では会計ソフトを使用していると思います。弥生会計、PCA会計、ミロク、ソリマチ、ICSなどのベンダーが各法人別の会計ソフトを販売しています。

 ベンダーも商売ですから、日常の仕訳から財務諸表作成までの会計の基本機能に、実に多くの機能を付加しています。給与計算、固定資産管理、消費税、取引先の債権債務管理、在庫管理、資金管理など実務に関連する業務系の機能があります。

 この辺の機能は、実際に使用する団体の規模や業務内容により、選択することになりますが、ある程度の事業規模があって初めて活用できます。そうですね。一つの目安として収入規模では年間3000万円〜5000万円でしょうか。これ以上の収入があると、そこそこ業務系の機能の使い出があります。

 逆に言えば、年間3000万円〜5000万円未満の収入規模であれば、エクセルで管理することも可能です。あえて会計ソフトを使用しなくても、エクセルの世界で手が届きます。会計ソフトは導入した後も、維持管理のランニングコストがかかることが多いので、そこまで考慮することが必要です。

 会計ソフトを使用した場合に便利なのは、資金管理や消費税の計算があります。資金管理は、キャッシュフローの動きと残高を把握して、資金繰りや資金計画に活用できます。消費税は、日々の取引のデータ入力する際に、課税・非課税・不課税の区別さえできていれば、自動計算して消費税の計算をしてくれます。
 
 こうした機能は、団体の規模に関係なくあれば便利ですので、上手く活用することをお勧めします。特に、資金管理は日々のお金の管理をしてくれますので、数か月先の資金繰りを予測し、資金ショートにならないように対応することができます。

 皆さんの団体では、この資金管理の機能を十分活用できていますでしょうか。案外使っていない団体もあるのではないでしょうか。もし、まだ使っていないという場合は、会計ソフトを確認してみてください。そして、資金管理の機能を使ってみてください。これも経営判断に資する情報となりますよ。
失敗しないデザイナーの選び方 そのC「制作予算の折り合いがつくこと」[2016年03月05日(Sat)]
こんにちは、小さなNPOをデザインで応援している林田です。デザインを活用したいNPOのために有用なノウハウをまとめましたので、共有させていただきます。


失敗しないデザイナーの選び方
「予算も確保できたし、デザイナーに依頼したいけれど、どうやって探せばいいの?」
そんな時に押さえておきたいポイントを何回かに分けてお伝えしていきます。

金額が高いからといって、満足のいくデザインが仕上がるとは限りません。“こんなはずじゃなかった!”というマッチングの悲劇を避けるためには、どのような点に気をつければいいのでしょうか。

そのC 制作予算の折り合いがつくこと
デザイナーやデザイン会社に仕事を依頼する際に、相場がどのくらいなのか分からない方が多いのではないでしょうか。

最低限、つくりたいものの仕様と希望納期を伝えれば、無料で概算見積もりを出すことは可能です。気軽に見積もりの相談をしてみましょう。

「見積もりを依頼する前に、だいたいの相場を知りたい!」という方のために、参考サイトをご紹介します。
ウェブサイトで料金を公開しているデザイナーやデザイン会社の情報をまとめているブログがあります。これまでにチラシ、Webサイト、ロゴ、バナー、電子書籍の表紙、パンフレット、画像の切り抜きといったデザインサービスの料金をまとめています。

デザインの頼み方を研究してみる http://www.design-47.com

もちろん、デザイナー側のスキルや実績、スピードなどによって料金は変わってくると思いますが、大体の参考になると思います。

いかがでしょうか?以上のポイントをふまえて、デザイナー選びの参考になれば嬉しいです。こんな調子で「失敗しないデザイナーの選び方」をご紹介していきます。(来週に続きます)

これまでの記事
@ 自分たちのつくりたいイメージに近い制作実績があるかどうか
A NPOなど公益組織の実績があるかどうか
B 価値観や相性が合うかどうか
公監査の現状と課題についてその2[2016年03月04日(Fri)]
2016年3月4日(金)
 おはようございます。今朝はずいぶん暖かいですね。昨日飲み過ぎたのか、少し寝坊をしてしまいました。だんだんと季節の変わり目を感じています。こういう時こそ、風邪などひきたくないですね。今日も元気で行きましょう。

(要旨)
・監査の質を維持するインフラとして統一された監査基準がある
・監査委員の監査には統一された監査基準がない
・監査の品質を維持するためにも、自治体に統一された監査基準が必要

 さて、本日のテーマは「公監査の現状と課題についてその2」です。前回、監査委員監査の課題は専門性と独立性があり、外形的には独立性が疑われる制度設計になっていることをお伝えしました。https://blog.canpan.info/kin-cpa/daily/201602/26

 今回は監査委員監査の専門性です。監査の世界では、監査の質を維持するインフラとして、統一された監査基準があります。民間企業の監査では、監査をする者は、すべからくこの監査基準に従って監査を実施しなければなりません。

 監査委員の監査も例外ではありません。ところが、この監査基準が曲者です。一応、監査基準らしきものはあるのですが、同じ自治体なのにばらばらです。統一されたものはなく、各自治体が自由に設定しています。

 都道府県と市町村では、監査基準の内容が異なっているのが普通です。規模は違うけれど、同じ行政運営をしているのだから、適用される基準は本来同じであるべきです。しかし、実際はそうなっていません。みなさん、それぞれ勝手に設定しています。

 こうした状況になっている背景として、統一された監査基準を設定する主体がないこと、自治体の監査にいわゆる監査の理論が導入されていないこと、自らが監査の品質に責任を持つ思想がないことなどが考えられます。

 前回にもお伝えしましたが、監査の質は監査結果に如実に反映されます。でも、監査結果の内容は本当に千差万別で、これで本当に監査を実施したのと首をかしげたくなるものもあります。もちろん、しっかり監査をしてその結果を公表している自治体も多いのですが、全体でみれば、現状では一定の品質を維持しているとは言えないと思います。

 こうした状況の中で、総務省が中心となり、自治体にも統一された監査基準が必要との意見を公表していますし、地方制度調査会でも取り上げられてもう待ったなしの段階に来ています。
http://www.soumu.go.jp/main_content/000219868.pdf

 監査委員の監査もその大元は税金を使って実施されています。その意味でも、もっと監査委員監査に関心を寄せていただき、しっかり監査をしているか日頃から注意をしていただければと思います。 
公益法人、社会福祉法人の指導監査をして感じたこと(その2)[2016年03月03日(Thu)]
2016年3月3日(木)
 おはようございます。今日は、おひなさんですね。そういえば、昨日、仕事で保育所に行って来たら、そこでおひなさんを飾っていました。7段式ぐらいのりっぱなもので久しぶりに見ましたよ。今日も張り切って元気に行きましょう。
(要旨)
・公益法人、社会福祉法人の指導監査では会計周辺ことをいろいろな角度から聞く
・会計のことをしっかりしている団体は何を聞かれても返事が適切である
・会計のことを聞けばその法人の実力がわかるので日頃の管理意識が大切

 さて、本日のテーマは「公益法人、社会福祉法人の指導監査をして感じたこと(その2)」です。2月18日のブログで【会計のことは後回し】という、活動の中で優先順位が下がる位置づけにしていると後で困る話をさせていただきました。本日は、その2です。
https://blog.canpan.info/kin-cpa/daily/201602/18

 【会計のことを聞けばその法人の実力がわかる】
 公益法人、社会福祉法人の指導監査の際に、会計を中心とした周辺のことも聞きます。たとえば、会計事務及び出納事務のけん制の仕組みと事務局長や理事長の関与度合い、理事会や評議委員会での運営の仕方、業務にかかる報告体制や財産の管理方法などです。

 いずれも最終的には会計に直結する話で、これらのことをどのように上手く連結させて事業運営をしているかを質問します。そうすると、しっかりしている団体は当然のことですが、適切に答えが返ってきます。逆に、あまり十分な対応を日頃からしていない団体は、返事がしどろもどろになってしまいます。

 ここら辺りは本当に団体により様々ですが、自ずと管理がしっかりしている団体とそうでない団体に色分けできます。もちろん、管理が行き届いているから素晴らしい活動成果を出しているかと問われたら、必ずしもそうとは言い切れません。たとえば、トップのリーダーシップで管理運営の弱点を補うことだって十分あります。

 しかし、管理が行き届いていない団体は、直感としてはほとんど成果を出していないと思います。例外があるかもしれません。ですが、日常の細かな所作ができていないのに、大きな活動の成果を出すことは現実的には相当困難というのが、指導監査を通じた共通の印象です。

 目的意識を高く持って日々の活動を行う。自ら目標や仮説を立ててそれを実行してPDCAサイクルを回す。そしてこうした情報を関係者が共有化している。これらの小さな積み重ねが確実に団体の目標達成度や管理レベルを上げていく推進力になると思います。

 その中心になるのが、会計です。日々の活動のほとんどは基本、会計に反映されます。その意味で、会計周りのことを聞けばその団体の実力を比較的簡単に知ることが可能となります。皆さんの団体はいかがでしょうか。日々の活動の中心に会計を据えて、管理意識をしっかり持っているでしょうか。今一度、そうした振り返る時間を持っていただければ幸いです。
資金調達をする前にすべき大事なこととは[2016年03月02日(Wed)]
2016年3月2日(水)
 おはようございます。また、寒さがぶり返していますね。3月になったというのに、春はまだもう少し先のようです。もうちょっとですね。今日も元気で張り切って行きましょう。

(要旨)
・資金調達の関係性は社会起業家のビジョンミッションに行き着く
・事業を始める際の熱い想いをもう一度棚卸をするところから始まる
・資金の調達は、社会起業家のビジョンミッションを達成するための手段であり、それをあらためて確認できる時間と場を提供してくれる

 さて、本日のテーマは「資金調達をする前にすべき大事なこととは」です。前回、資金調達の優先順位付けの中で、「社会起業家の資金調達の優先順位付けは団体との様々な関係性の中で、最適解を探る」とお伝えしました。https://blog.canpan.info/kin-cpa/daily/201602/24

 その関係性とは、社会起業家のビジョンミッションに行き着きます。すなわち、何故、その事業をするのか、その目的は何か、何に焦点を当てて実施するのかなど、事業を始める際の熱い想いをもう一度棚卸をするところから始まります。

 特に、社会起業家は多くの関係者から資源を得る必要があります。そのためには、自らのビジョンミッションを掲げていかに共感と協力を得るかにかかっています。この点、事業を開始したときと現在の状況を比較した時、思いのほか、最初の想いと異なる事業になっていることがあります。

 また、場合によっては、何のためにという目的が微妙に変わっていたり、無意識のうちに現在の事業活動と当初のビジョンミッションがずれていたりすることがあります。

 もちろん、ビジョンミッションだけでは事業継続できません。それを達成する際の具体的な行動が伴って、初めて意味を持ちます。そして、自らの熱い想いを達成するための資金を調達することができます。

 資金の調達は、社会起業家のビジョンミッションを達成するための手段であり、それをあらためて確認できる時間と場を提供してくれます。そして、年数が長い団体ほど、資金調達の選択肢の引き出しをたくさん持ち、その達成する方法を見直す機会を増やすことができます。

 ぜひとも資金調達をビジョンミッションと関連付けして、実行してみてください。そして、ビジョンミッションを再確認してみてください。きっと新たな発見が見つかります。
トップのリーダーシップは何を重視する[2016年03月01日(Tue)]
2016年3月1日(火)
 おはようございます。今日から3月です。3月は日本の場合、いろいろな節目の月になりますね。学校や公的機関、多くの民間企業の仕上げの月です。今日も張り切って行きましょう。

(要旨)
・トップのリーダーシップは利益だけでなく、「共感」資産を獲得する必要がある
・非営利法人の場合、特に「共感」を得るための情報発信とコミニュケーションが重要
・対外的な情報発信、対内的にはコミニュケーションをいかに工夫して行動するかがトップの役目

 さて、本日のテーマは「トップのリーダーシップは何を重視する」です。およそ組織で活動するには、トップのリーダーシップがもっとも重要なのは論を待ちません。営利非営利も関係ありません。民間企業の場合、利益という共通の尺度があるため、利益獲得に向かってのリーダーシップに集約されるものと考えます。

 一方、非営利法人の場合は、必ずしもそうではありません。もちろん、利益を獲得しないと事業継続できないので、重要な指標ですがそれだけではありません。多様な関係者の資源を集め活用するために、「共感」という無形の資産を獲得する必要があるからです。

 無形であるがゆえに、この「共感」という得体のしれない、しかし、最も重要なものをトップは常に意識し、これを団体の内外から得るために自ら行動を示す必要があります。そのためには常に日頃からアンテナを張っておき、この団体で仕事がしたい、自分の持っているものを役立たせたいいと思わせる「共感」を得るための情報発信とコミニュケーションを取ることが求められます。

 この「共感」資産が多い団体ほど、多くの人が団体に集まり、いろいろな資源を提供してくれるインフラがあることを意味します。団体のサービスを受ける受益者、取引先、金融機関、行政、役職員とその家族、潜在的な見込み客など多様な関係者に対する求心力が強いのです。

 対外的には、この情報発信、対内的にはコミニュケーションをいかに工夫して行動するか。ちまたにリーダーシップ論は山ほどありますが、次週以降でまずは組織内のコミニュケーションの方法、それから情報発信と広報戦略についてお伝えしていきたいと思います。ご期待ください。
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