• もっと見る
非営利法人の想いをカタチにするお役立ち情報
非営利法人の事業継続と経営基盤強化に役立つ情報について、公的機関20年の実績ある会計士の経験・ノウハウをお伝えします。
« 2016年02月 | Main | 2016年04月 »
<< 2016年03月 >>
    1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31    
最新記事
カテゴリアーカイブ
月別アーカイブ
日別アーカイブ
貴法人のビジネスモデルはきちんと回っていますか[2016年03月31日(Thu)]
2016年3月31日(木)
 おはようございます。本日は平成27年度の最終日です。あわただしい中でも、しっかりと行動したいものですね。昨日は、あるNPO法人を1年ぶりで訪問しました。たった1年間でこれくらい変わるのかというぐらい、成長を感じることができました。引き続きこの団体を見守っていきたいと思います。今日も張り切って元気に行きましょう。

(要旨)
@ビジネスモデルとは団体の想いを事業として継続させるヒトモノカネが回る仕組みを言う
A非営利団体ならではのビジネスモデルはどのように作るか
B団体のビジョンやミッションに共感をしてくれた多様な関係者の無償の資源を戦略的に活用する

 さて、本日のテーマは「貴法人のビジネスモデルはきちんと回っていますか」です。前回、「貴法人のビジョンやミッションはどのように共有していますか」というテーマで、ビジョンやミッションを達成するための具体的な手法として、ビジネスモデルに落込む必要性をお伝えしました。

@ビジネスモデルとは団体の想いを事業として継続させるヒトモノカネが回る仕組みを言う

 今更ながらですが、このビジネスモデルとは何を指すのでしょうか。いろいろな定義があるのでしょうが、平たく言えば、団体の想いを事業として継続させるヒトモノカネが回る仕組みのことを言います。

 そう、このヒトモノカネが回る仕組みを言い換えると儲かる仕組みです。非営利団体は利益を追求しない団体であることは百も承知です。ですが、儲からないと事業継続ができません。

 確かに、多様な関係者のボランティアも必要ですが、これだけでは長続きしません。必ず、ビジョンやミッションを達成するための装置として、核となる事業を中心に据えて、民間企業との競争にも耐えられる仕組みが求められます。

A非営利団体ならではのビジネスモデルはどのように作るか

 では、この非営利団体ならではのビジネスモデルはどのように作り上げると良いのでしょうか。一言で言えば、市場で受け入れられる財・サービスを安価な価格で提供できる仕組みを作ることです。これは、事業の別を問いません。

 この当たり前のことを徹底するためには、ターゲットは誰で何をどのように提供するかについて、しっかり団体の自己分析ができており、団体の強みや弱みを把握したうえで、市場で勝てる戦略と戦術を志向することが求められます。

B団体のビジョンやミッションに共感をしてくれた多様な関係者の無償の資源を戦略的に活用する

 この市場で勝てる戦略と戦術を打ち立てる際に、団体が持つリソースとして、ヒトモノカネを回す方法を考える必要があります。ここで重要なことは、非営利団体には無償の資源を使えることです。

 すなわち、団体のビジョンやミッションに共感をしてくれた多様な関係者の無償の資源として、ヒトモノカネを提供してくれることです。この無償の資源を儲かる仕組みとしていかに戦略的に取り入れるかが問われています。

 もう一度言います。戦略的にです。非営利団体だから多様な関係者の無償の資源があるのは当たり前と思わないことです。民間企業ではあり得ない無償の資源を活用するには、そうした資源を提供する関係者が納得する情報発信と取り込む仕掛けが必要です。

 少し長くなってきましたので、具体的な方法については、次回以降にお伝えしたいと思います。まずは、ご自身の団体でこの多様な関係者の無償の資源をどのように戦略的に活用しているか、確認されてみてはいかがでしょうか。
 


いま、流行の資金調達を考える[2016年03月30日(Wed)]
2016年3月30日(水)
 おはようございます。本日は、夜に1年ぶりに支援したNPO法人に会いに行きます。1人親家庭の子供に安価で塾の授業を提供する事業を実施している団体です。最近は、6人に1人の割合で子供の貧困状態であり、1人親家庭に限っては半分が貧困状態であるとの統計も出ています。そうした子供さんを助けたいという想いを実現している団体で、応援したいと思います。今日も元気で張り切って行きましょう。

(要旨)
1.流行の資金調達の一つとして、クラウドファンディングがある
2.クラウドファンディングの特徴は、何らかのお礼を前提にした寄付でオールオアナッシング
3.クラウドファンディングは短期決戦のため、周到な準備と戦略が必要

1.流行の資金調達の一つとして、クラウドファンディングがある

 さて、本日のテーマは「いま、流行の資金調達を考える」です。前回まで、3回にわたり銀行についてお伝えしました。銀行融資も資金調達の一つですが、非営利団体にとってハードルが高いのも事実です。

 このため、共感資金としては寄附や会費等がありますが、いま、流行の資金調達の一つとして、クラウドファンディングがあります。ご存知の方も多いと思いますが、平たく言えば目標金額を設定して、共感していただく方に何らかのお礼を前提に寄付をしてもらう手法です。いわゆる購入型の寄附ですね。

 購入型とだけに着目すると、ひょっとしたらふるさと納税も近いかもしれません。通常の寄附が対価を求めないのに対し、クラウドファンディングもふるさと納税もお礼という対価を受けるのが特徴です。

2.クラウドファンディングの特徴は、何らかのお礼を前提にした寄付でオールオアナッシング

 クラウドファンディングのもう一つの特徴は、オールオアナッシングというところです。すなわち、目標金額を設定してそれに達すると共感資金を受け取ることができますが、そうでない場合は一銭も入りません。

 目標額に到達しなければゼロという厳しさを持っています。また、目標額に到達しても2割は運営会社に手数料を払うので、実質8割の手取りとなります。ですので、いかに資金調達のための事業プロジェクトについて多くの共感を得られる支持を受けるかどうかにかかっています。

 クラウドファンディングはネットを活用した資金調達の一つですが、やるからには成功させなければなりません。つまり、不特定多数の方々に事業のプレゼンをして支持を受けられるかどうかです。

 これは、実は団体のビジョンやミッションを棚卸をし、寄附をしても良いと考えている潜在的な寄附者を掘り起し、ファンになってもらうことと基本、同じです。

3.クラウドファンディングは短期決戦のため、周到な準備と戦略が必要

 クラウドファンディングは短期決戦ですから、いかに団体の想いを事業プロジェクトに寄せて、寄附をしてもらうかは周到な準備と戦略が必要です。日頃から団体の想いを情報発信することはもちろん、特にこの事業プロジェクトに賭ける熱い想いに共感してもらう必要があります。

 その意味で、クラウドファンディングという手法を活用することにより、潜在的な寄附者層を掘り起こす効果をもたらせることができます。クラウドファンディングを通じて、いったんファンになった方々は、その後も継続的な寄附者になってもらう可能性が高いです。

 では、どうすれば、クラウドファンディングを成功させることができるか。私が考えている手法については次週に続きます。
 
後継者教育はどのように進めていますか[2016年03月29日(Tue)]
2016年3月29日(火)
 おはようございます。3月も最終コーナーを回り始めました。今日を含めてあと3日で平成27年度も終わりです。やり残したことがないかどうか、最終確認をするギリギリのタイミングでしょうか。今日も元気で張り切って行きましょう。

(要旨)
@トップに求められる後継者選びはとても重要でありながら、優先順位が低い
A団体の存在意義やミッションを達成するためには、普段から後継者の養成を考えておく
B後継者選びはそう簡単ではないため、経営者としての資質を磨く機会を頻繁に作る

@トップに求められる後継者選びはとても重要でありながら、優先順位が低い

 さて、本日のテーマは「後継者教育はどのように進めていますか」です。トップに求められる役割は様々ですが、その一つに後継者選びがあります。この後継者選びはとても重要でありながら、どちらかと言えば優先順位が低いです。

 何故なら、当面はトップが団体の代表として業務を実施するため、直ちに交代することは予定されておらず、喫緊の課題となりにくいからです。団体によっては、何十年も同じ人がトップにいることも珍しくはありません。

 トップの力が強ければ強いほど、関係者はトップの様子を伺いながら仕事をしがちなので、ともすれば組織が停滞し、組織運営では弊害すら出てくることもあります。ですので、トップがあまり長く居続けるのは良くありません。

 一方、毎年のようにトップが交代する団体があります。もちろん、諸般の事情でトップが変わらざるを得ない状況があったことが考えられます。ですが、団体の方向性はある程度決まっているとしても、トップの考え方は一様ではないため、一緒に働く役職員に少なからぬ影響を与えます。

 トップが頻繁に変わるのも、あまり好ましいことではありません。何故なら、人間の常として、前任者とは異なることをしたいという想いが多かれ少なかれあるからです。極端な話、前任者を否定することから始めるトップもいます。

A団体の存在意義やミッションを達成するためには、普段から後継者の養成を考えておく

 このように、トップの影響力は大きいため、団体の方向性を決定する重要な役割があるトップは、日々の業務の中でトップの考え方を事あるごとに関係者に情報発信し、納得と共感を得る努力を続けなければなりません。そうしないと肝心な時に関係者の協力を得られないからです。

そうすると、団体の存在意義やミッションを達成するためには、その考え方に深い理解と実践を図るべく、普段から団体の方向性を継続させ、継承する後継者の養成を考えておく必要があります。

B後継者選びはそう簡単ではないため、経営者としての資質を磨く機会を頻繁に作る

 実際のところ、この後継者選びはそう簡単ではありません。トップ自身の考え方を理解し、それを発展させる気概の持ち主を団体内に求めようとすれば、これはと思う方に日常の業務を通じて経営者としての資質を磨く機会を頻繁に作ることが求められます。

 もちろん、次の後継者は貴方ですよとは直接言わないとしても、そのような雰囲気を醸し出し、自覚を持ってもらう必要があります。経営者としての経験知識を伝授することもあるでしょう。

 その方法は、一つではなく、いろいろなやり方があります。肝心なことは、トップ自らがそれを常に意識し、自分なりの方法を選択して、次の世代にバトンタッチすることを考え実践するしかありません。

 日頃は多忙を極めているトップですが、年度末の終わりに、ちょっと立ち止まって後継者教育のことを考えてみてはいかがでしょうか。
 

 

 

 
 
決算対応のチェックポイントその2[2016年03月28日(Mon)]
2016年3月28日(月)
 おはようございます。昨日、母校の野球部OBの定期戦に参加しました。ちょっと天気が危ぶまれたのですが、何とか持ちこたえ、試合をすることができました。試合は10対7で勝ってよかったのですが、今朝は猛烈な筋肉痛で目が覚めましたよ。今日も元気で張り切って行きましょう。

(要旨)
@決算対応のチェックポイントの第2回目は資産負債の残高を関連帳票と照合しよう
A現金預金は銀行の残高証明と照合する
B固定資産は実際の残高を現物確認し、固定資産台帳と照合する

@決算対応のチェックポイントの第2回目は資産負債の残高を関連帳票と照合しよう

 さて、本日のテーマは「決算対応のチェックポイントその2」です。前回、決算日を意識して未払金漏れを防ぐために簡単なチェックリストを作ることをお伝えしました。今回は資産負債の残高を関連帳票と照合しようです。

 決算に際しては、日々の会計伝票や元帳から試算表を作成し、その後決算書を作成する手順になります。決算書を構成する勘定残高を確定していく際には、そのままの数字を計上するのではなく、必ず関連帳票との照合確認をする必要があります。

A現金預金は銀行の残高証明と照合する

 その主なものは、資産では現金預金、固定資産、負債では借入金、未払金です。現金は決算日に現金実査をして、出納帳の残高と合っているかを確認します。預金は通帳はもちろん、銀行から残高証明書を入手して、元帳の残高と合っているかを確認します。

 現金預金はいうまでもなくすぐに換金でき、いつでも残高を確認することが求められます。残念ながら、いくつかの団体できちんと銀行の残高証明書と照合しなかったために、不正の発覚が遅れたという事件も起こっています。ですので、決算時期に併せて、現金預金の実際の残高を外部の資料と照合することはとても重要です。

B固定資産は実際の残高を現物確認し、固定資産台帳と照合する

 固定資産は、土地建物の不動産から備品まで範囲が広いです。これらの資産は団体によっては、ほとんどない場合もあるでしょう。その場合はご放念ください。一方、事業を相当規模で実施している団体は、ある程度固定資産を持つ場合もあると思います。

 これも基本は、各固定資産について実際の残高を固定資産台帳と照合します。その前段として、本当に現物があるかどうかを確認するため、現物の実査をすることも必要です。

 事業を実施する際に、備品を移動したり、古くなって処分したりすることがあります。その時、固定資産台帳に適切に記録していないと、元帳の残高と固定資産台帳の残高が一致しないことがあります。

 そうすると、どちらかが間違っているので、その原因を追究しなければなりません。特に、古くなって現物を処分したのに、会計伝票を起票していないと、すでに現物がないのに帳簿上は残ったままになってしまいます。

 結果として、ないはずの備品が帳簿上あることになりますので、間違った残高で決算することになります。こうした誤りを防ぐためにも現物の実査は必要です。

 負債の借入金や未払金も同様です。基本は計上した残高について、契約書や請求書等と照合することにより、残高が正しく計上されていることを確認することができ、自信を持って決算することが可能となります。

 いかがでしょうか。ご自身の団体の決算では、このような手続をどこまで実施されているでしょうか。もしそこまで実施していない団体は、決算手続を見直ししてみてください。会計事務所に任せるのではなく、ご自身で実施することをお勧めします。

失敗しないデザイナーの選び方 そのF「スケジュールや忙しさの状況を把握する」[2016年03月26日(Sat)]
こんにちは、小さなNPOをデザインで応援している林田です。デザインを活用したいNPOのために有用なノウハウをまとめましたので、共有させていただきます。

失敗しないデザイナーの選び方
「予算も確保できたし、デザイナーに依頼したいけれど、どうやって探せばいいの?」
そんな時に押さえておきたいポイントを何回かに分けてお伝えしていきます。

金額が高いからといって、満足のいくデザインが仕上がるとは限りません。“こんなはずじゃなかった!”というマッチングの悲劇を避けるためには、どのような点に気をつければいいのでしょうか。

そのFスケジュールや忙しさの状況を把握する
デザイン業界にも繁忙期があります。年度末の12月や3月に忙しさのピークを迎える会社・人が多い傾向です。
繁忙期でなくとも、ちょうど仕事が詰まっているタイミングもありますので、確認が必要です。
「お願いしようと思っていたデザイナーさんが、業務が詰まっていてNGだった!」とギリギリの状況で困らないように、事前にスケジュールを確保してもらうことも場合によってはできるかもしれません。

そもそも、デザイン制作にどのくらいの期間がかかるか、は人それぞれです。その場合は、見積もりをとる際に、つくりたいものの仕様(つくるものの大きさ、量)と合わせて、どのくらいのスケジュールを見ておけばいいのか、相談してみましょう。


これまでの記事
@ 自分たちのつくりたいイメージに近い制作実績があるかどうか
A NPOなど公益組織の実績があるかどうか
B 価値観や相性が合うかどうか
C 制作予算の折り合いがつくこと
D レスポンスが早い、もしくは返事をしっかり返してくれる
E 横のつながりで紹介してもらう
公会計の活用について[2016年03月25日(Fri)]
2016年3月25日(金)
 おはようございます。今朝は、明日講演する社会福祉法人向けセミナーの原稿作りをぎりぎりまで行っていましたので、少し遅いスタートになっています。まだ、ぼんやりとした感じですが、今日も元気で行きましょう。

(要旨)
@公監査を効率的効果的に実施する前段としての公会計の活用が重要
A団体の対外的な会計情報の活用は、決算情報の開示
B団体の対内的な会計情報の活用は、経営管理や経営判断に資する管理会計

 さて、本日のテーマは「公会計の活用について」です。前回まで4回にわたって、公監査の現状と課題についてお伝えしました。今回は、公監査を効率的効果的に実施する前段としての公会計の活用です。

@公監査を効率的効果的に実施する前段としての公会計の活用が重要

 監査を受ける対象が会計を活用しているといないとでは、その活用結果を踏まえた監査ができるできないに大きな影響を与えます。つまり、まずは団体が会計を対外的にも対内的にも会計情報を使った経営を行う。監査はその活用結果に基づき、会計監査や業務監査を行うのです。

A団体の対外的な会計情報の活用は、決算情報の開示

 団体の対外的な会計情報の活用は、決算情報の開示です。事業報告の一つとして、会計情報はすごく重要です。1年の事業活動の結果が決算書に反映されますので、団体の事業結果を適切にかつ、わかりやすく公表することが求められます。

 会計ルールに従った会計情報はもちろん、その結果をグラフや表にしたり、過去の業績推移や予算と実績との比較など、細かい情報よりは大枠での情報に重点を置き、マクロ的な視点からの情報開示の工夫があれば、良いと思います。

 誰が決算情報を見ているかわかりませんし、潜在的な関係者が団体の工夫された決算情報を見て、何らかのかかわりを持ってくる可能性があります。広報的な視点で決算情報を眺めると結構関心を呼ぶことができます。

B団体の対内的な会計情報の活用は、経営管理や経営判断に資する管理会計

 一方、団体の対内的な会計情報の活用は、経営管理や経営判断に資する管理会計です。たとえば、月次決算をしていれば、年度当初に計画した月次ベースの予算実績の比較により、事業の進捗管理に活用できます。

 これにより、事業の方向性を自己点検できますし、計画どおりに行っていなければ、次の行動計画を変更するなど計画達成のための判断材料に使えます。そして、その結果を組織内で情報共有して、同じベクトルで活動を行うことも可能です。

 また、財務情報と非財務情報とを組み合わせた目標や計画の達成状況のみならず、セグメント情報やプロジェクト情報を出せる仕組みがあれば、事業採算の要否や新規事業の是非判断などにも使用することができます。

 民間企業では普通に実施している会計情報の活用は、非営利団体では同様に行われているのでしょうか。結論から申し上げると答えはNOです。その理由は、だいぶん長くなってきましたので、次回に続きます。
貴法人のビジョンやミッションはどのように共有していますか[2016年03月24日(Thu)]
2016年3月24日(木)
 おはようございます。3月20日から高校野球の第88回選抜大会が始まりました。まさに球春が春を呼ぶで、何かウキウキするものを感じますね。今日は地元の長田高校が出場します。先日、新長田の駅に行きましたら、商店街に「長田高校がんばれ」の垂れ幕があり、応援ムードが出ていました。何とか勝ってほしいと思います。今日も張り切って元気に行きましょう。

(要旨)
@ビジョンやミッションは団体設立の立ち位置と存在意義を示す最重要項目
Aビジョンやミッションを達成するための一連のプロセスは共有できているか
Bビジョンやミッションを達成するために継続して意識した活動をするマインドと仕組みが大事

 さて、本日のテーマは「貴法人のビジョンやミッションはどのように共有していますか」です。本日からしばらくは、団体の経営管理に関する事項をお伝えしたいと思います。皆さんの団体はこの古くて新しい事項をどのように取り扱っていますでしょうか。

@ビジョンやミッションは団体設立の立ち位置と存在意義を示す最重要項目

 常にビジョンやミッションを事あるごとに共有して、事業との関連性を確認しているという団体もあれば、当初のビジョンやミッションと現在の事業活動とが、微妙にずれている団体もあると思います。

 言うまでもなく、ビジョンやミッションはとても重要です。団体の立ち位置と存在意義を示すものであり、これがあるからこそ、錦の御旗のもとに多様な関係者の資源を結集する源になるからです。

 このビジョンやミッションを達成するための方向性が経営戦略であり、その方法が経営戦術です。具体的な手法としてのビジネスモデルに落とし込み、それが中長期計画や年度計画に反映され、事業活動の結果が事業報告書に示される。そして、その結果を公表します。

Aビジョンやミッションを達成するための一連のプロセスは共有できているか

 この一連のプロセスは、団体の運営に関わる全ての関係者により役割分担の中で実施されます。その中心がビジョンやミッションとなる訳です。このビジョンやミッションは、日々の活動の中でどのように共有されていますでしょうか。

 対内的には組織内の各種会議やインフォーマルなコミュニケーションの中で確認されるでしょうし、対外的には広報などでの情報発信により確認されるでしょう。ここで大事なことは、重要な事項はいつでもどこでも誰でも継続して意識した活動をするマインドと仕組みです。

Bビジョンやミッションを達成するために継続して意識した活動をするマインドと仕組みが大事

 日常の営みの中で常にビジョンやミッションを思い起こさせ、それを意識した活動として反復継続的に実施する仕組みが備わっており、それを確認する運用ができているか。何だ、簡単じゃないかと思われるかもしれませんが、このことをどこまで徹底しているでしょうか。案外、できていない団体もあるのではないでしょうか。

 平凡なことを徹底することが非凡に変わる唯一の方法だと思います。自分も含めてこのことをいかに意識し継続した行動を徹底し、関係者と共有できるか。その姿勢と方法をこれからも追求し続けたいと思います。 
 
銀行との付き合い方のポイントは[2016年03月23日(Wed)]
2016年3月23日(水)
 おはようございます。本日は徳島に出張です。最近は結構な回数になっていますが、全く仕事オンリーですね。何とか時間を見つけて少しは観光もしたいところです。まずは温泉からですね。仕事をやりくりしてトライしたいと思います。今日も元気で張り切って行きましょう。

(要旨)
1.最近の銀行の融資は融資先の事業性評価を義務付け
2.事業性評価は財務情報と非財務情報と併せて融資決定の材料とする
3.今後ははすべての銀行にこのローカルベンチマークを適用される

 さて、本日のテーマは「銀行との付き合い方のポイントは」です。前回まで2回にわたり、銀行の内部事情を踏まえて融資を引き出す際の重要事項をお伝えしました。本日は最近の銀行事情をお話ししたいと思います。

1.最近の銀行の融資は融資先の事業性評価を義務付け

 銀行は昨年から融資に関して融資先の事業性評価を義務付けられるようになっています。事業性評価とは、一言で言えば、財務内容と担保案件だけで融資をするなということです。つまり、相手の事業内容を定性的に評価して、財務内容とセットで融資決定することを意味します。

 これは、銀行にとってなかなかハードルが高いです。何故なら、これまで財務内容と担保案件だけで画一的に融資決定してきましたので、あまり考えなくても良かったからです。融資の判断材料が形式的で良かった訳です。

2.事業性評価は財務情報と非財務情報と併せて融資決定の材料とする

 しかし、今後はそういう訳にはいきません。融資先の事業内容を精査して、財務内容と担保案件という財務情報だけではなく、経営者の資質、内部管理体制など非財務情報と併せて融資決定することを義務付けられることになります。

 これをローカルベンチマークと言います。経産省が昨年からローカルベンチマークの概念整理と実際の運用について検討しており、先般、中間とりまとめとして公表しています。
http://www.meti.go.jp/policy/economy/keiei_innovation/sangyokinyu/locaben/

 ローカルベンチマークは、企業の経営状態の把握、いわゆる「健康診断」を行うツールとして、企業の状態を把握し、融資先の関係者が同じ目線で対話を行うための基本的な枠組みであり、事業性評価の「入口」として活用されることが期待されるものです。

3.今後ははすべての銀行にこのローカルベンチマークを適用される

 今後はすべての銀行はこのローカルベンチマーク、通称ロカベンを適用し、特に非財務情報の評価を重視することを義務付けられます。そうすると、融資を受ける企業等もこれを意識した説明をすることが求められます。

 このローカルベンチマークをクリアすることにより、融資審査が決定されるので、ここに照準を合わせた対応をする必要が出てきます。実際の運用はこれからですが、今後はローカルベンチマークの動向に注目することになります。

 すなわち、このツールの結果をどう生かしていくかが重要であり、関係者の知恵と実務適用に向けた対応が求められます。銀行も企業等も関係者は上手く使いこなしたいものですね。
組織運営におけるフォーマルとインフォーマルとの間ですべきことは[2016年03月22日(Tue)]
2016年3月22日(火)
 おはようございます。3月も第4コーナーを回り始めました。今週辺りは、来年度の予算や事業計画における理事会や評議員会などが行われる期限となりましょうか。いよいよ新年度に向けての諸活動が本格化してまいります。今日も元気で張り切って行きましょう。

(要旨)
@フォーマルは、理事会、評議員会、各種会議、インフォーマルはその会議等に参加する役職員間のコミュニケーション
Aフォーマルでは、決定することを重視し、インフォーマルは日頃の役職員間のコミュニケーションを重視
B円滑な組織運営をするためには、フォーマルとインフォーマルのバランスを上手く取る

さて、本日のテーマは「組織運営におけるフォーマルとインフォーマルとの間ですべきことは」です。前回まで3回にわたり、トップに関して日頃考えていることをお伝えしました。何と言っても組織の大小にかかわらず、トップの役割は決定的ですからね。

@フォーマルは、理事会、評議員会、各種会議、インフォーマルはその会議等に参加する役職員間のコミュニケーション

 そのトップに限らず、役職員が一丸となって組織全体や各部門の運営を回すことが求められます。その際、フォーマルとインフォーマルとの間ですべきことは何でしょうか。ここでは、フォーマルは、理事会、評議員会、各種会議を指します。インフォーマルはその会議等に参加する役職員間のコミュニケーションを指します。

Aフォーマルでは、決定することを重視し、インフォーマルは日頃の役職員間のコミュニケーションを重視

 フォーマルでは、決定することを重視します。関係者が各種会議に参加して協議するのですが、ともすれば、何かを決定せずそのままになっていることがあります。多くの関係者が参加する時間とコストを考えると、決定しない会議は何の意味もありません。

 もちろん、1回で決まらなければ、2回3回と回を重ねることがあります。しかし、できるだけその回ごとでも必ず何かを決定して、次の行動に繋げる必要があります。多くの関係者を拘束するのですから、そうしないと時間がもったいないからです。

 一方、そのようなフォーマルな場で決定するためには、日頃から役職員間のコミュニケーションが円滑に行われていることが大事です。会議の参加者にその時の議題に共通認識があり、ベクトルが一定の方向に向いていれば、スムーズに行きやすいですね。インフォーマルなコミュニケーションがいわば潤滑油になります。

B円滑な組織運営をするためには、フォーマルとインフォーマルのバランスを上手く取る

 このように、円滑な組織運営をするためには、フォーマルとインフォーマルとの間を上手く泳ぐ必要があります。フォーマルを補完するインフォーマルはとても大事です。役職員間のコミュニケーションは組織風土の問題でもあります。

 職場でのコミュニケーションが日頃から進んでいる団体は、各種会議に参加する関係者が自らの役割分担の中で、活発な意見が出やすいと思います。当事者意識を持ち、何とか組織に貢献したいと思える組織風土がある団体は強いです。

 ご自身の団体で、この組織運営におけるフォーマルとインフォーマルのバランスが上手く取れているか、物事を決定するルールとそれを補完する組織内のコミュニケーションがとれているかについて、一度確かめて見られてはいかがでしょうか。
決算対応のチェックポイント[2016年03月21日(Mon)]
2016年3月21日(月)
 おはようございます。今日は全国的には祝日で、いつもより遅い目のスタートです。良い天気で行楽には持って来いですね。昨日は、以前子供がお世話になっていたソフトボールのチームの行事があり、小学校に行ってきました。そこで残り梅が結構咲いていて、一瞬、さくらと見間違えましたよ。今日も張り切って行きましょう。

(要旨)
@決算対応のチェックポイントの第1回目は決算日を意識しよう
A財やサービスの受渡しに関して未払金の計上漏れは結構ある
B未払金漏れを防ぐには簡単なチェックリストを作ることがポイント

 さて、本日のテーマは「決算対応のチェックポイント」です。いよいよ、決算が迫り、1年間の総仕上げの時期を迎えています。本日から3回に分けて決算対応のチェックポイントをお伝えします。

@決算対応のチェックポイントの第1回目は決算日を意識しよう

第1回目は、決算日を意識しようです。3月決算の場合、当然のことですが、3月までに事業を完了し、それを決算に反映させる必要があります。たとえば、取引先との財やサービスの受渡しは3月末までに実施して、現金が入らない時は未収金または未払金に計上します。

 その前段として、必ず財やサービスの実施を確認する必要があります。これが確定しないと未収金または未払金に計上できません。会計でいう発生主義・実現主義の原則の適用です。財やサービスの提供が行われていること、金額が確定していることが会計処理の要件です。

A財やサービスの受渡しに関して未払金の計上漏れは結構ある

ところが、もらう側の未収金はそうでもないのですが、払う側の未払金は結構計上漏れがあります。特に、本部と現場が遠いと、現場から請求書が上がってこなかったり、普段から現金の入出金のベースで会計伝票を作成していると、忘れたりすることがあります。

 その結果、年度末までに財やサービスの提供は完了しているのに、決算に反映されないことになってしまい、当年度の決算書ではなく、次年度の決算書に計上されてしまいます。そうすると、事業活動と決算とがずれてしまうので、正しい決算書が作成されないことになります。

B未払金漏れを防ぐには簡単なチェックリストを作ることがポイント

 このような未収金または未払金漏れを防ぐにはどうすればよいでしょうか。それは簡単なチェックリストを作ることです。日々の業務の中で、財やサービスについてリストを作成し、財やサービス名、相手先、業務内容、金額、期間などを書いていきます。

 ルーティンの業務であれば、すぐにリストは作成できると思います。後は、固定資産の売却や購入など不定期に実施する案件を計上すれば、出来上がりです。これでかなりのものが計上漏れから救われるはずです。

 当該年度に実施した業務に係る会計処理は、会計のルールに従って、適切に実施したいですね。それが、団体の事業をきちんと把握することにもつながります。一度、未収金または未払金のチェックリストの作成を検討されてはいかがでしょうか。
失敗しないデザイナーの選び方 そのE「横のつながりで紹介してもらう」[2016年03月19日(Sat)]
こんにちは、小さなNPOをデザインで応援している林田です。デザインを活用したいNPOのために有用なノウハウをまとめましたので、共有させていただきます。

失敗しないデザイナーの選び方
「予算も確保できたし、デザイナーに依頼したいけれど、どうやって探せばいいの?」
そんな時に押さえておきたいポイントを何回かに分けてお伝えしていきます。

金額が高いからといって、満足のいくデザインが仕上がるとは限りません。“こんなはずじゃなかった!”というマッチングの悲劇を避けるためには、どのような点に気をつければいいのでしょうか。

そのE 横のつながりで紹介してもらう
ゼロからデザイナーさんを探すよりも、やっぱり紹介してもらうのが堅実です。予算感はどのくらいか、やりとりは安心できるのか、あるいは気をつけた方がいい点など、紹介してもらう際に確認してみましょう。

ただし、相談相手となる団体とあなたの団体の間に、デザイナーさんを紹介してもらえるほど信頼関係が構築されているかどうか、にもよりますね。相手のの団体が普段やりとりしているデザイナーさんは、ひょっとすると虎の子とも言えるお抱え?デザイナーなのかもしれません。そうなると、名刺交換しただけの相手に紹介するのは難しいでしょう。

また、紹介してもらった団体に後日何も連絡をしない、というのも考えものです。紹介してもらったデザイナーさんとどんな仕事ができたのか、お礼の言葉とともにフィードバックを忘れないようにしてください。困った時はお互い様であり、親しき仲にも礼儀あり、です。


これまでの記事
@ 自分たちのつくりたいイメージに近い制作実績があるかどうか
A NPOなど公益組織の実績があるかどうか
B 価値観や相性が合うかどうか
C 制作予算の折り合いがつくこと
D レスポンスが早い、もしくは返事をしっかり返してくれる
公監査の現状と課題についてその4[2016年03月18日(Fri)]
2016年3月18日(金)
 おはようございます。本日は、小学校や中学校の卒業式が多いようです。昨日、仕事で行った自治体でもそんなことを話されていました。そして、来週は各学校の修了式や、会社では課長職以下の人事異動もそろそろ出てくる感じでしょうか。今日も元気で行きましょう。

(要旨)
@自治体の監査には、監査委員監査のほかに包括外部監査があり、いろいろな問題がある
A包括外部監査の役割は、多様な関係者のために、自治体の業務執行をチェックする機能
B税金が投入される非営利団体の外部監査は、自分が払った税金の使い道をチェックする役割を持つ

 さて、本日のテーマは「公監査の現状と課題についてその4」です。前回まで3回にわたって監査委員監査の現状と課題についてお伝えしてきました。今回は、残りの公監査のことに触れたいと思います。

@自治体の監査には、監査委員監査のほかに包括外部監査があり、いろいろな問題がある

 自治体の監査には、監査委員監査のほかに、包括外部監査というものがあります。監査委員監査が内部監査の性格を持っているのに対し、包括外部監査は文字どおり外部の第三者が平成10年から、監査を実施しています。

 地方自治法で、包括外部監査を受ける対象は、都道府県、政令市、中核市と条例で決めた自治体と規定されています。要は、人口30万人以上の自治体はすべて対象となるということです。一度、皆さんが住まわれている自治体のサイトから、包括外部監査で検索してみてください。

 包括外部監査を実施する監査人は、弁護士、公認会計士、税理士等です。自治体とは何のしがらみもありませんので、外部の人間が一定のテーマを決めて一年間かけて財務に関わる監査を実施します。

 この包括外部監査もいろいろと問題を指摘されています。監査委員との棲み分けや、監査対象が監査委員と違って財務監査のみに限定されている弊害、監査委員と同様、統一した包括外部監査としての監査基準がないことによる品質の問題などです。

A包括外部監査の役割は、多様な関係者のために、自治体の業務執行をチェックする機能

 こうした問題を受けて、もう、包括外部監査の役割は終わったという声もあるようです。ですが、外部監査の意味は、その組織からの影響を受けない独立した外部の第三者が自由に監査を行うことです。

 そして、外部監査の役割は、その組織をめぐる多様な関係者のために、自治体の業務の執行をチェックする機能を持たせることです。外部から見られているという適度な緊張感が自治体の業務執行に、説明責任を果たしてもらうという良い効果が期待できます。

B税金が投入される非営利団体の外部監査は、自分が払った税金の使い道をチェックする役割を持つ

 これは、非営利団体すべてに言えることです。およそ、税金が投入されている非営利団体は、自らの業務について説明責任を果たす必要があります。それを外部のチェックを受けることでその責任を解除することにもなります。

 もちろん、議会や住民やいろいろな関係者がもっと非営利団体に関心を持つことが必要です。自分が払った税金がきちんと適切な団体の業務に使われているのを確認するのは、ごく自然のことではないでしょうか。

 それを自分ではできないから、外部の第三者がその役割を受け持つのです。そういうインフラがしっかりと機能するためにも、普段から自治体や学校、公益法人、社会福祉法人等の非営利団体の活動と監査に注目してほしいと思います。 
社会福祉法人の法定監査を受ける心構えと準備は大丈夫ですか、その2[2016年03月17日(Thu)]
2016年3月17日(木)
 おはようございます。私の家は標高300メートルの所にあるので、まだまだ朝のストーブが手放せません。今朝の予報では暖かいはずですが、やはりストーブをつけていますね。今日も張り切って元気に行きましょう。

(要旨)
@会計監査の対象となる財務諸表は内部統制が有効に機能していることが前提となる
A内部統制に大きな欠陥がある財務諸表の信ぴょう性は限りなく乏しい
B会計監査を受けるには、内部統制が適切に機能するような体制にする準備が必須

 さて、本日のテーマは「社会福祉法人の法定監査を受ける心構えと準備は大丈夫ですか、その2」です。前回、社会福祉法人の会計監査は所轄庁が行う指導監査とは全く異なるもので、対象となる社会福祉法人は早めの準備が必要である旨、お伝えしました。

@会計監査の対象となる財務諸表は内部統制が有効に機能していることが前提となる

 本日は、会計監査を受けるための準備として、どんなことに留意すればよいのでしょうか。会計監査は、社会福祉法人が作成する財務諸表が社会福祉法人会計基準に照らして適正に表示しているかを証明する監査です。

 つまり、焦点は財務諸表になります。民間企業ではこの財務諸表の監査を受けるインフラとして、内部統制、すなわち、財務諸表を作成するプロセスが正確で適正に作成するためのルールの整備と運用が適切に行われていることが前提となります。

A内部統制に大きな欠陥がある財務諸表の信ぴょう性は限りなく乏しい

 たとえば、日々の活動を記録する会計伝票や帳簿が、管理者の承認もなしに作成されているとしたらどうでしょうか。そのような状態だと、ひょっとすると会計伝票や帳簿がきちんと作成されず、間違ったデータがそのまま財務諸表の勘定科目に表示されているかもしれません。

 そうすると、その財務諸表の信ぴょう性は乏しくなるので、財務諸表の勘定残高が本当に正しいかどうかを検証するために、多くの時間をかけることになります。

 検証した結果、会計伝票や帳簿がきちんと作成されていないことがすごく重要で、とてもその財務諸表は信頼できないということになると、最悪の場合、監査証明ができないということになります。

 そうなれば、監査を受ける前提としての内部統制に、大きな不備があることを外部に公表するようなものですから、その社会福祉法人は内部管理に重要な欠陥ありということで信頼性を損なうことにもなりかねません。

B会計監査を受けるには、内部統制が適切に機能するような体制にする準備が必須

 会計監査は、財務諸表を作成するための内部統制が有効に機能していることが前提となりますので、会計監査を受ける際には、まずは、この内部統制が適切に機能するような体制にするための準備をすることが必須になります。

 内部統制には、このほかにも、業務が効率的効果的に行われること、財産管理ができていることなどいくつかポイントがあり、それらが有機的に運用されるために、いろいろなチェックをする必要があります。

 これらのことは、会計監査が開始される29年4月までに、体制を整備しておく必要がありますので、公認会計士などの指導・助言を事前に受けることが通常です。民間企業が株式を公開する際にいろいろな指導を受けるのと似ています。

 社会福祉法人と言っても、その内部統制は様々です。もうすでにできている法人もあるでしょう。逆に、まったくこれからと言う法人もあるでしょう。内部統制はどこの法人も備わっていますが、そのレベルは一様ではありません。

 ですので、早めの対応が求められるのです。監査対象となる社会福祉法人は、早めに準備することをお勧めします。これについては、また、機会を見つけてお伝えしたいと思います。
銀行から融資を引き出す際の重要事項とは、その2[2016年03月16日(Wed)]
2016年3月16日(水)
 おはようございます。昨日は仕事の関係で少し嫌なことがありました。相手がその理由を言ってくれないものですから、こちらで斟酌するしかありません。結果に対する原因は必ずあるので、同じ失敗をしないように精進しようと思っています。今日も元気で張り切って行きましょう。

(要旨)
1.月次決算や4半期決算をして自社や団体の財務状況を常に把握しておく。
2.自社や団体の経営目的や理念を反映した会社概要を用意しておく。
3.普段から銀行に顔を出しておき、会計事務所を活用する。

 さて、本日のテーマは「銀行から融資を引き出す際の重要事項とは、その2」です。前回、「銀行から融資を引き出す際の重要事項とは」で、最近の地域の銀行の状況の一端として、銀行の内部事情をお伝えしました。https://blog.canpan.info/kin-cpa/daily/201603/09

 今回は、それを受けて、本題である「銀行から融資を引き出すためにはどうすればよいか」です。すでにお伝えしているように、銀行は融資拡大を金融庁から要請されてはいるが、なかなかそれに専念できる状況にはありません。

 したがって、融資が欲しい会社や団体はその事情を先回りして対応することが求められます。その方法のいくつかをお知らせします。

1.月次決算や4半期決算をして自社や団体の財務状況を常に把握しておく。

 のっけから、何を当たり前のことを言っているのと言われそうですが、私の経験からすると案外、月次決算や4半期決算をしていない中小零細企業や団体は多いです。

 ここでの月次決算や4半期決算のレベルは、単に会計ソフトから試算表から出ている状態を言うのではなく、その出た数値について、前年比較や予算比較をしており、現在、どういう状況にあるかを他人に説明できるレベルです。

 すなわち、自分のところの決算を自分の言葉で語ることができることです。銀行は融資には慎重です。何故なら、万一融資をして返済が滞ると銀行員の成績、ひいては銀行の成績に響くので、危ない橋は決して渡りません。

 銀行は、自分の会社や団体の決算について、きちんと説明できない経営者を信用しませんので、融資に値する相手とみなさないからです。

2.自社や団体の経営目的や理念を反映した会社概要を用意しておく。

 銀行の融資担当者はお客さんをたくさん抱えていますので、いちいちその会社や団体のことを詳しく知りません。ひどい話が現場にも顔を出すことがほとんどなく、書類だけでやりとりすることだってあり得ます。

 そうすると、実際に融資申請する際に、自社や団体の経営目的や理念を反映した会社概要をあらかじめ作成していると、すごく重宝されます。融資担当者が融資稟議を上げるときの手間が省けるからです。

 会社概要を作成する際には、経営者の人間性や想いをしっかり事業内容や組織体制などに反映させるとともに、事業計画に落とし込む必要があります。つまり、経営者の軸となる意思が会社概要を見る時に判断されますので、これはとても重要です。

3.普段から銀行に顔を出しておき、会計事務所を活用する。

 銀行員も生身の人間ですから、当然、相性も好き嫌いもあります。まったく接点がなければ、この人誰ということで、なかなか相手にされません。ですので、できるだけ機会を見つけて銀行と接点を持つことをお勧めします。

 銀行に口座を作るところから始まり、銀行の主催する勉強会やセミナーに顔を出す、銀行員を個人的に紹介してもらう、何でも良いので自ら動くことが必要です。

 また、すでに融資を受けたり、預金を相当額預けているのであれば、上記1に示した月次決算や4半期決算書、さらには年次決算書を持って銀行に行くことです。

 銀行もできるだけお客さんとの接点を持ちたいと思っていますので、こちらから決算書を持参して説明に行くと断られることはまずありません。その際、自分で説明できなければ、決算を見てもらっている会計事務所の活用をお勧めします。

 もちろん、会計事務所と綿密に相談して作戦を立て、経営者は決算の大枠を理解して自分で説明するようにし、会計事務所は決算の詳細を経営者に代わって説明するという役割分担です。そのようなサービスを会計事務所に求めるのも良いと思います。

 これを会計事務所が受けるかどうかで、また、会計事務所の自社や団体に対する対応をみることができます。その辺は経費との見合いかも知れませんが、一度トライしてみてください。

 以上、銀行の内部事情を踏まえた融資を取り付ける方法をいくつかお伝えしました。事業を行う上で資金調達は最重要事項です。財源の一つとして融資を取り入れることができると、事業運営や展開が拡がります。ぜひ、銀行から融資を引き出すことにチャレンジしてみてください。
トップは経営判断に必要な情報をどのように集めているか[2016年03月15日(Tue)]
2016年3月15日(火)
 おはようございます。もう、3月も半分が過ぎようとしています。本当に早いですね。3月は学校では卒業式に修了式、会社では早いところは4月からの異動がぽつぽつ発表されています。その中でも毎日の営みは行われていますね。今日も元気で張り切って行きましょう。

(要旨)
@トップの経営判断は孤独な作業
Aいかに経営判断に必要な情報を集めるかが鍵となる
Bトップは圧倒的な情報の中から、経営判断に必要な情報を選択し、不要な情報を捨てる作業を繰り返す
 
さて、本日のテーマは「トップは経営判断に必要な情報をどのように集めているか」です。前回、「トップと現場の情報ギャップは誰が埋める」でトップは事業規模に応じて段々と現場と遠ざかるので、そのギャップを特に事務局長が埋める必要があることをお伝えしました。
https://blog.canpan.info/kin-cpa/daily/201603/08

@トップの経営判断は孤独な作業

 本日は、トップシリーズの最終回です。トップは団体の規模に関わらず経営判断するための情報を収集し、自ら意思決定するという孤独な作業を行うことが多いです。もちろん、役職員との会議等で意思決定しますが、最後は団体の最終責任者として、誰にも相談せずに決定することもあります。

Aいかに経営判断に必要な情報を集めるかが鍵となる

 そうした場合、いかに経営判断に必要な情報を集めるかが鍵となります。情報の質と量が決定的に重要だからです。この点、対外的には、トップの人脈を生かして同業者が集まる各種会合に出かけたり、個人的なつながりで情報を取ることもあるでしょう。

 また、取引先や行政、支援者など広範囲な関係者に対して、日頃からアンテナを張っておき、関連する情報を適時に収集する仕組みを持っている場合もあります。できるだけ広範囲にネットワークを持つことが重要です。

 一方、対内的には役職員との会議や現場に出かけて、それこそトップとしていつでも必要な情報を収集することが可能です。忙しい中でも、常に内部の関係者と接点を持ち、特に現場から上がってくる情報に耳を傾けることが重要です。

Bトップは圧倒的な情報の中から、経営判断に必要な情報を選択し、不要な情報を捨てる作業を繰り返す

 このように、圧倒的な情報の質と量を集めることができて初めて、トップとしての経営判断をするインフラを備えることが可能となります。この圧倒的な情報の中から、経営判断に必要な情報を選択し、不要な情報をどんどん捨てていく。

 この繰り返しがトップの良質な経営判断に収斂されていくことになります。この間、何を残して何を捨てるのか、重要な案件ほどストレスも高いですが、これが経営者としての醍醐味と言えるのでしょう。

 本日は、当たり前過ぎてお叱りを受けそうですが、この孤独な作業をどれだけのトップが日々の業務の中で行動しているか、その原点をあらためて確認するために整理してみました。トップとしての経営判断に過不足がないか、今一度振り返って見られてはいかがでしょうか。
| 次へ
検索
検索語句
タグクラウド
プロフィール

NPO法人支援ネットワークさんの画像
https://blog.canpan.info/kin-cpa/index1_0.rdf
https://blog.canpan.info/kin-cpa/index2_0.xml