事業統合を円滑に進めるためのいくつかのことその3[2016年05月24日(Tue)]
2016年5月24日(火)
おはようございます。今朝は少し寝坊をしてしまいました。なので、少し短めにします。すみません。昨日、ある首長の講演会に行ってきました。そこでは地域の資源である企業、NPO等、行政がどのように協働すればよいかについて、これまでの研究者であった時からの経験を踏まえて、お話をされていました。そこでは地域に集まる場づくりには繋げる人が決定的に大事であり、対話による共感と信頼づくりが極めて重要というのが骨子で、さもありなんという思いで聞いていました。今日も元気で張り切って行きましょう。
(要旨)
@事業譲渡の隠れた瑕疵に留意する
Aヒトに関わる問題は複雑でトラブルの元になりやすい
Bカネに関わる問題は潜在的な財務リスクになりやすい
さて、本日のテーマは「事業統合を円滑に進めるためのいくつかのことその3」です。前回、事業統合の対象として、ヒトモノカネの範囲を確定するのには、時間が相当かかることをお伝えしました。
@事業譲渡の隠れた瑕疵に留意する
では、実際の譲渡の際にはどんな問題が起こりやすいのでしょうか。一つには事業譲渡の隠れた瑕疵があります。ここでは、譲渡する側では少しでも高く売りたいとすることから、自分たちに都合の悪いことはあまり詳らかにしたくないという心理的抑制が働きやすいです。
できればそっとしておいてほしい。もちろん、それが重要なことであれば、信義則に反しますし、契約でもそのようなことがあれば無効になることだってあります。この重要性については、解釈が入りやすく、先ほどの心理的抑制と相まって認識のギャップが生じることがあります。
つまり、譲渡する側はさほど大きな問題でないとしても、これを受ける側は問題にすることが往々にして起こりやすいということです。このわずかな解釈の差がともすれば相互の不信感になることも場合により起こり得ます。
Aヒトに関わる問題は複雑でトラブルの元になりやすい
このうち、人に関わる事項はカタチがないだけに、取りようによっては後で問題になることがあります。たとえば、社内に問題社員がいてよくトラブルを起こして、関係者に迷惑をかけるケースがあります。
と言っても、何か法的にまでの問題ではないことから、それ以上具体的な対応を迫られるところまでは行かないというレベルです。ですが、もともとそのような問題を起こすかもしれないという潜在的な不安はありますので、引き継ぎの際に、そうした社員がいないかどうかは確認した方が良いと思います。
また、身体的精神的に病んでいる社員がいる場合です。この場合は、そもそも戦力にならないリスクがあります。そうすると、譲渡を受けた法人で業務をしっかりと実施できるかどうかの不安材料になることがあります。
Bカネに関わる問題は潜在的な財務リスクになりやすい
カネの問題はどうでしょう。よくあるのは、会計処理の問題です。たとえば、資産の評価です。引き継ぐ資産として売れない在庫を抱えていたり、ずいぶん長く稼働していない固定資産があるとします。あるいは、債権に回収が難しいものが含まれているとします。
これらの資産は、将来的には価値がなくなるか減額する必要があるものの予備軍です。つまり、本来であれば、譲渡する前にこうした問題資産の評価を下げたり、除却したりすることが求められます。ですが、そうした対応をしないとは限りません。
これらは、直接的には譲渡資産負債の対価に影響するものです。本来の処理がされていないために、実際の価値とはかい離した評価をすると、引き継いだ後でこうした処理を迫られます。すると、譲渡を受ける側では最初から毀損した資産を保有するリスクが残ることになってしまいます。
以上、いくつか事業譲渡の隠れた瑕疵を紹介しました。できれば、こうした問題を事前にキャッチし、お互いのためにできるだけ実態に近い譲渡をしたいですよね。そこで、専門家の登場です。次週に続きます。
おはようございます。今朝は少し寝坊をしてしまいました。なので、少し短めにします。すみません。昨日、ある首長の講演会に行ってきました。そこでは地域の資源である企業、NPO等、行政がどのように協働すればよいかについて、これまでの研究者であった時からの経験を踏まえて、お話をされていました。そこでは地域に集まる場づくりには繋げる人が決定的に大事であり、対話による共感と信頼づくりが極めて重要というのが骨子で、さもありなんという思いで聞いていました。今日も元気で張り切って行きましょう。
(要旨)
@事業譲渡の隠れた瑕疵に留意する
Aヒトに関わる問題は複雑でトラブルの元になりやすい
Bカネに関わる問題は潜在的な財務リスクになりやすい
さて、本日のテーマは「事業統合を円滑に進めるためのいくつかのことその3」です。前回、事業統合の対象として、ヒトモノカネの範囲を確定するのには、時間が相当かかることをお伝えしました。
@事業譲渡の隠れた瑕疵に留意する
では、実際の譲渡の際にはどんな問題が起こりやすいのでしょうか。一つには事業譲渡の隠れた瑕疵があります。ここでは、譲渡する側では少しでも高く売りたいとすることから、自分たちに都合の悪いことはあまり詳らかにしたくないという心理的抑制が働きやすいです。
できればそっとしておいてほしい。もちろん、それが重要なことであれば、信義則に反しますし、契約でもそのようなことがあれば無効になることだってあります。この重要性については、解釈が入りやすく、先ほどの心理的抑制と相まって認識のギャップが生じることがあります。
つまり、譲渡する側はさほど大きな問題でないとしても、これを受ける側は問題にすることが往々にして起こりやすいということです。このわずかな解釈の差がともすれば相互の不信感になることも場合により起こり得ます。
Aヒトに関わる問題は複雑でトラブルの元になりやすい
このうち、人に関わる事項はカタチがないだけに、取りようによっては後で問題になることがあります。たとえば、社内に問題社員がいてよくトラブルを起こして、関係者に迷惑をかけるケースがあります。
と言っても、何か法的にまでの問題ではないことから、それ以上具体的な対応を迫られるところまでは行かないというレベルです。ですが、もともとそのような問題を起こすかもしれないという潜在的な不安はありますので、引き継ぎの際に、そうした社員がいないかどうかは確認した方が良いと思います。
また、身体的精神的に病んでいる社員がいる場合です。この場合は、そもそも戦力にならないリスクがあります。そうすると、譲渡を受けた法人で業務をしっかりと実施できるかどうかの不安材料になることがあります。
Bカネに関わる問題は潜在的な財務リスクになりやすい
カネの問題はどうでしょう。よくあるのは、会計処理の問題です。たとえば、資産の評価です。引き継ぐ資産として売れない在庫を抱えていたり、ずいぶん長く稼働していない固定資産があるとします。あるいは、債権に回収が難しいものが含まれているとします。
これらの資産は、将来的には価値がなくなるか減額する必要があるものの予備軍です。つまり、本来であれば、譲渡する前にこうした問題資産の評価を下げたり、除却したりすることが求められます。ですが、そうした対応をしないとは限りません。
これらは、直接的には譲渡資産負債の対価に影響するものです。本来の処理がされていないために、実際の価値とはかい離した評価をすると、引き継いだ後でこうした処理を迫られます。すると、譲渡を受ける側では最初から毀損した資産を保有するリスクが残ることになってしまいます。
以上、いくつか事業譲渡の隠れた瑕疵を紹介しました。できれば、こうした問題を事前にキャッチし、お互いのためにできるだけ実態に近い譲渡をしたいですよね。そこで、専門家の登場です。次週に続きます。