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リスク・アプローチの手法について(2)[2016年04月29日(Fri)]
2016年4月29日(金)
 おはようございます。今朝は少し気温が低いですが、天気は良さそうです。近くの小学校のスポーツフェスティバルのお手伝いに行ってきます。全国的には連休に入りましたね。行楽日和でお出かけの方も多いのではないでしょうか。特に予定入れていませんが、家族でご飯を食べに行くことはしようと思っています。今日も元気で行きましょう。

(要旨)
@重要性の原則の適用とは
A金額的重要性とは金額で重要か否かの判断を行う考え方
B質的重要性とは科目や内容で重要か否かの判断を行う考え方

 さて、本日のテーマは「リスク・アプローチの手法について(2)」です。前回、リスク・アプローチとは何かということをお伝えしました。監査の手法として、重要な項目に焦点を当ててしっかりチェックする手法ということをお話ししましたね。今回から、リスク・アプローチの手法を取り入れる際に、関連する事項をいくつかお伝えしたいと思います。

@重要性の原則の適用とは

 財務諸表監査では、重要な科目は詳細に時間をかけて監査をしますが、重要でない科目は簡便な方法でも容認されています。

 元々は、財務諸表を作成する際に、重要な科目は会計のルールで規定される方法で会計処理や表示をしますが、そうでない科目は簡便な処理や表示が容認されるという理屈を監査に応用したものです。

 これを重要性の原則と言います。これは実社会でもいろいろな場面で実際に行っていますので、わかりやすい考え方だと思います。この重要性の原則は、金額的重要性と質的重要性に分かれます。

A金額的重要性とは金額で重要か否かの判断を行う考え方

 財務諸表の作成において、金額的重要性は、文字どおり金額で重要か否かを判断することを言います。前回のトヨタの例で言いますと、売上高20兆円の会社で、1億円くらい売上の計上が間違っていたところで、大勢に影響はありませんよね。

 あるいは、最近、プリウスの新車販売の広告宣伝がネット上でも良く見ます。この広告宣伝費が1000万円くらい多く計上されていてもたいしたことはないですね。

 このように、その会社にとって、いろいろな科目や財務諸表全体にとって、どれくらいの金額が重要性があるかどうかを決めて、財務諸表を作成する際の会計処理や表示を行うことを言います。

 したがって、トヨタの例でもわかりますように、金額的重要性が会社の規模などによって変わります。売上高が10億円の会社であれば、1億円は相当大きい金額ですので、その会社にとっては重要性ありということになります。

B質的重要性とは科目や内容で重要か否かの判断を行う考え方

 一方、財務諸表の作成において、質的重要性は、科目や内容で重要か否かの判断を行う考え方です。たとえば、役員報酬はその会社の役員の人件費ですが、会社の経営を行う役員にどれだけ支払っているかは結構注目度が高いです。

 そうすると金額の多寡に関係なく、この科目が適切に会計処理と表示がされているか、あるいは法律に違反していないかなどを確認することが必須になります。金額が少なくとも、そういう処理をするのは、もし、間違っていたりすると影響が大きいからです。

 このように、質的に重要な影響を与える科目や事象については、必ず適切な対応をするということは重要な考え方です。金額だけでは判断しないということですね。これも、会社にとっての質的重要性ですので、会社によってその内容は変わります。

 以上、財務諸表の作成にかかる重要性について、お伝えしました。これを監査、とりわけ、自治体や非営利法人の監査に際して、どう適用するのでしょうか。次回に続きます。
 

 
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