公会計の活用についてその2[2016年04月01日(Fri)]
2016年4月1日(金)
おはようございます。今日から新年度の始まりです。と言っても週末なので、あまりそんな感じはしないですね。今朝は出張先の徳島から投稿しています。あいにく雨ですが、今日も元気で行きましょう。
(要旨)
@予算の世界で動く団体には公会計情報がなくても困らない
A会計の知識や経験を持つ人が少ない
B会計に関心を持って活用するためにはどうすればよいか
さて、本日のテーマは「公会計の活用についてその2」です。前回、非営利団体はそのほとんどが公会計情報を活用できていないことをお伝えしました。その理由としてはいくつかあります。
@予算の世界で動く団体には公会計情報がなくても困らない
団体の活動は予算の編成を起点に動きます。すなわち、予算を策定し、それを執行するのです。行政叱り、公益法人など非営利法人もしかりで、予算の策定が最重要事項であり、これがないと事業を行うことができません。
予算の世界は現金主義の世界です。お金の入りと出で構成されます。いくら収入があり、それをどのように使うかがわかれば良いのです。団体にいくら資産や負債があり、現金の収支を伴わない減価償却費など、非資金費用がどれくらい発生するかは直接関係ありません。
こうした発生主義の世界の収益や費用がわからなくても、現金の収支さえ勘定が合えば、それで予算の目的が達成されるからです。なくても困らないものを誰も積極的に使いません。そこに経営判断の情報として活用するインセンティブが働かないとも言えます。
A会計の知識や経験を持つ人が少ない
予算の世界で動く人にとって、会計情報がなくても困らない前に、そもそも会計に対する知識や能力を持つ人が少ないです。人は必要に迫られないと勉強しませんので、その人の能力以前の問題として、会計に対する関心が少なく、また、会計を使う機会が少ないことも要因の一つです。
よく、会計ってわからないとか、細かいことを難しく言うので、すっと入りにくいとか、いろいろ言われる方もいらっしゃいます。そうすると、会計に対する食わず嫌いから、どうしても敬遠しがちになります。
会計に対する理解や経験が乏しいと、その使いみちや活用方法についてまで関心が行きにくいので、後回しになってしまうのです。
B会計に関心を持って活用するためにはどうすればよいか
では、どうすれば会計に関心を持ってもらい、会計を活用しようという気になるのでしょうか。一つは、団体の活動について、会計情報を利用する多様な関係者、たとえば、住民、金融機関、取引先、政府などが予算執行のみの会計情報だけではわからないと声を大きくすることです。
実際、自治体や非営利団体の会計情報をどれくらいの方々が関心を持って見ているのでしょうか。穿った見方をすれば、あえてそのようにしているのでは思える情報開示の団体もあります。
組織で人の金を使って活動する以上、説明責任を果たす必要があるのは当然のことであり、それができていないのであれば、もっと説明責任を果たせと会計情報の利用者が声を上げなければなりません。
この点、自治体にも平成29年度から財務諸表の作成が義務付けられ、一定の会計情報を開示することが求められます。非営利団体はすでに概ね、財務諸表の公表を義務付けられています。これにより、いやでも会計に対する知識や経験が少しづつでも蓄積することが期待されます。
もう一つは、内部で会計情報を使うメリットを受けることです。予算の策定の際に、事業のトータルコストや資産負債情報を把握することをセットにしたり、民間企業では普通に行っている経営判断に資する管理会計に活用したりすることです。
内部で活用するメリットを感じることができると、会計情報が案外使えることがわかりますので、ではこれを使ってみよういうインセンティブが働きます。先進的な自治体や団体では、積極的に公会計情報を活用する事例も出てきています。
こうした取り組みにも是非とも注目して、ご自身の団体でも会計情報の活用について、一度検討されてみてはいかがでしょうか。このブログでも、良い事例はどんどん紹介したいと思います。まずは、使ってみてくださいね。
おはようございます。今日から新年度の始まりです。と言っても週末なので、あまりそんな感じはしないですね。今朝は出張先の徳島から投稿しています。あいにく雨ですが、今日も元気で行きましょう。
(要旨)
@予算の世界で動く団体には公会計情報がなくても困らない
A会計の知識や経験を持つ人が少ない
B会計に関心を持って活用するためにはどうすればよいか
さて、本日のテーマは「公会計の活用についてその2」です。前回、非営利団体はそのほとんどが公会計情報を活用できていないことをお伝えしました。その理由としてはいくつかあります。
@予算の世界で動く団体には公会計情報がなくても困らない
団体の活動は予算の編成を起点に動きます。すなわち、予算を策定し、それを執行するのです。行政叱り、公益法人など非営利法人もしかりで、予算の策定が最重要事項であり、これがないと事業を行うことができません。
予算の世界は現金主義の世界です。お金の入りと出で構成されます。いくら収入があり、それをどのように使うかがわかれば良いのです。団体にいくら資産や負債があり、現金の収支を伴わない減価償却費など、非資金費用がどれくらい発生するかは直接関係ありません。
こうした発生主義の世界の収益や費用がわからなくても、現金の収支さえ勘定が合えば、それで予算の目的が達成されるからです。なくても困らないものを誰も積極的に使いません。そこに経営判断の情報として活用するインセンティブが働かないとも言えます。
A会計の知識や経験を持つ人が少ない
予算の世界で動く人にとって、会計情報がなくても困らない前に、そもそも会計に対する知識や能力を持つ人が少ないです。人は必要に迫られないと勉強しませんので、その人の能力以前の問題として、会計に対する関心が少なく、また、会計を使う機会が少ないことも要因の一つです。
よく、会計ってわからないとか、細かいことを難しく言うので、すっと入りにくいとか、いろいろ言われる方もいらっしゃいます。そうすると、会計に対する食わず嫌いから、どうしても敬遠しがちになります。
会計に対する理解や経験が乏しいと、その使いみちや活用方法についてまで関心が行きにくいので、後回しになってしまうのです。
B会計に関心を持って活用するためにはどうすればよいか
では、どうすれば会計に関心を持ってもらい、会計を活用しようという気になるのでしょうか。一つは、団体の活動について、会計情報を利用する多様な関係者、たとえば、住民、金融機関、取引先、政府などが予算執行のみの会計情報だけではわからないと声を大きくすることです。
実際、自治体や非営利団体の会計情報をどれくらいの方々が関心を持って見ているのでしょうか。穿った見方をすれば、あえてそのようにしているのでは思える情報開示の団体もあります。
組織で人の金を使って活動する以上、説明責任を果たす必要があるのは当然のことであり、それができていないのであれば、もっと説明責任を果たせと会計情報の利用者が声を上げなければなりません。
この点、自治体にも平成29年度から財務諸表の作成が義務付けられ、一定の会計情報を開示することが求められます。非営利団体はすでに概ね、財務諸表の公表を義務付けられています。これにより、いやでも会計に対する知識や経験が少しづつでも蓄積することが期待されます。
もう一つは、内部で会計情報を使うメリットを受けることです。予算の策定の際に、事業のトータルコストや資産負債情報を把握することをセットにしたり、民間企業では普通に行っている経営判断に資する管理会計に活用したりすることです。
内部で活用するメリットを感じることができると、会計情報が案外使えることがわかりますので、ではこれを使ってみよういうインセンティブが働きます。先進的な自治体や団体では、積極的に公会計情報を活用する事例も出てきています。
こうした取り組みにも是非とも注目して、ご自身の団体でも会計情報の活用について、一度検討されてみてはいかがでしょうか。このブログでも、良い事例はどんどん紹介したいと思います。まずは、使ってみてくださいね。