
社会福祉法人の会計監査を受ける心構えと準備は大丈夫ですか[2016年03月10日(Thu)]
2016年3月10日(木)
おはようございます。最近は寒暖の差が激しいですね。月曜日は20度を超えて思わずコートを脱ぎましたが、火曜日から打って変って寒くなっており、今週いっぱいはこの寒さが続くようです。三寒四温を本当に実感する今日この頃です。今日も張り切って元気に行きましょう。
(要旨)
@法律で社会福祉法人の外部監査である会計監査を受けることがほぼ確実になっている
A社会福祉法人の会計監査は所轄庁が行う指導監査とは全く異なるものである
B29年度からの施行に向けて対象となる社会福祉法人は早めの準備が必要である
さて、本日のテーマは「社会福祉法人の法定監査を受ける心構えと準備は大丈夫ですか」です。
前回まで2回にわたって公益法人と社会福祉法人の指導監査についてお伝えしました。団体は、法律で義務付けられている指導監査を上手く活用してほしいものですね。
https://blog.canpan.info/kin-cpa/daily/201603/03
@法律で社会福祉法人の外部監査である会計監査を受けることがほぼ確実になっている
本日は、法律で義務付けられるもう一つの法定監査として、社会福祉法人の外部監査である会計監査を取り上げます。実は公益法人も外部監査制度があるのですが、政治的な決着もありその対象は驚くほど少ないです。
しかし、社会福祉法人の場合、これも多分に政治的なところがありますが、昨今の不正事件等の続発を鑑みて、収入規模10億円、負債規模20億円以上の社会福祉法人を対象とすべく、国会の審議を受けることになっています。
もし、法案が通ると全国で1800程度の社会福祉法人が会計監査の対象となり、毎年公認会計士等の監査を受けることが義務付けられます。今のところ、波乱気味の国会の審議状況にもよりますが、29年度から施行の予定となっています。
A社会福祉法人の会計監査は所轄庁が行う指導監査とは全く異なるものである
この会計監査は指導監査とは異にします。指導監査は会計監査と業務監査の両方を含みますが、あくまで所轄庁が指導するための監査です。これに対して、会計監査は民間企業の外部監査と同様、公認会計士等が社会福祉法人の財務諸表が社会福祉法人会計基準に準拠して適正に表示しているかについて証明をするものです。
したがって、監査主体が異なるとともに、責任の取り方も異なります。早い話が所轄庁が指導監査をミスって社会福祉法人の不正を見逃しても責任を取りませんが、公認会計士等が過失で社会福祉法人の不正を見逃すと責任を取ることにになります。
また、所轄庁の指導監査は、概ね一つの団体に1日から数日の範囲の日数で終わりますが、公認会計士等の会計監査は団体の規模にもよりますが、最低でも数十日がかかります。
B29年度からの施行に向けて対象となる社会福祉法人は早めの準備が必要である
このように、公認会計士等の会計監査が義務付けられると、監査を受ける側の社会福祉法人の対応は指導監査の比ではなくなり、相当の労力を要することになります。また、監査を受けるための体制を整備する必要がありますが、これも事前準備に相当の時間がかかります。
こうした制度変更は、ある程度経過措置的なバッファーを持たせるのが通常ですが、今回の会計監査については、その辺の配慮はあまりなされず、否が応でも対象となる社会福祉法人は、それぞれが監査を受ける準備を進めなければなりません。
次回以降では、その一端をお知らせすることにします。まだまだ、対象となる社会福祉法人は自分事と考えていない団体が多いようです。あと1年しかありませんので、早めの準備をすることをお勧めします。
おはようございます。最近は寒暖の差が激しいですね。月曜日は20度を超えて思わずコートを脱ぎましたが、火曜日から打って変って寒くなっており、今週いっぱいはこの寒さが続くようです。三寒四温を本当に実感する今日この頃です。今日も張り切って元気に行きましょう。
(要旨)
@法律で社会福祉法人の外部監査である会計監査を受けることがほぼ確実になっている
A社会福祉法人の会計監査は所轄庁が行う指導監査とは全く異なるものである
B29年度からの施行に向けて対象となる社会福祉法人は早めの準備が必要である
さて、本日のテーマは「社会福祉法人の法定監査を受ける心構えと準備は大丈夫ですか」です。
前回まで2回にわたって公益法人と社会福祉法人の指導監査についてお伝えしました。団体は、法律で義務付けられている指導監査を上手く活用してほしいものですね。
https://blog.canpan.info/kin-cpa/daily/201603/03
@法律で社会福祉法人の外部監査である会計監査を受けることがほぼ確実になっている
本日は、法律で義務付けられるもう一つの法定監査として、社会福祉法人の外部監査である会計監査を取り上げます。実は公益法人も外部監査制度があるのですが、政治的な決着もありその対象は驚くほど少ないです。
しかし、社会福祉法人の場合、これも多分に政治的なところがありますが、昨今の不正事件等の続発を鑑みて、収入規模10億円、負債規模20億円以上の社会福祉法人を対象とすべく、国会の審議を受けることになっています。
もし、法案が通ると全国で1800程度の社会福祉法人が会計監査の対象となり、毎年公認会計士等の監査を受けることが義務付けられます。今のところ、波乱気味の国会の審議状況にもよりますが、29年度から施行の予定となっています。
A社会福祉法人の会計監査は所轄庁が行う指導監査とは全く異なるものである
この会計監査は指導監査とは異にします。指導監査は会計監査と業務監査の両方を含みますが、あくまで所轄庁が指導するための監査です。これに対して、会計監査は民間企業の外部監査と同様、公認会計士等が社会福祉法人の財務諸表が社会福祉法人会計基準に準拠して適正に表示しているかについて証明をするものです。
したがって、監査主体が異なるとともに、責任の取り方も異なります。早い話が所轄庁が指導監査をミスって社会福祉法人の不正を見逃しても責任を取りませんが、公認会計士等が過失で社会福祉法人の不正を見逃すと責任を取ることにになります。
また、所轄庁の指導監査は、概ね一つの団体に1日から数日の範囲の日数で終わりますが、公認会計士等の会計監査は団体の規模にもよりますが、最低でも数十日がかかります。
B29年度からの施行に向けて対象となる社会福祉法人は早めの準備が必要である
このように、公認会計士等の会計監査が義務付けられると、監査を受ける側の社会福祉法人の対応は指導監査の比ではなくなり、相当の労力を要することになります。また、監査を受けるための体制を整備する必要がありますが、これも事前準備に相当の時間がかかります。
こうした制度変更は、ある程度経過措置的なバッファーを持たせるのが通常ですが、今回の会計監査については、その辺の配慮はあまりなされず、否が応でも対象となる社会福祉法人は、それぞれが監査を受ける準備を進めなければなりません。
次回以降では、その一端をお知らせすることにします。まだまだ、対象となる社会福祉法人は自分事と考えていない団体が多いようです。あと1年しかありませんので、早めの準備をすることをお勧めします。