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非営利法人の想いをカタチにするお役立ち情報
非営利法人の事業継続と経営基盤強化に役立つ情報について、公的機関20年の実績ある会計士の経験・ノウハウをお伝えします。
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非営利法人向けの研修メニューの提案について(予告)[2018年12月01日(Sat)]
おはようございます。今日から師走に入りましたね。1年は本当にあっという間に過ぎてしまいます。1年の総括をする間もなく、目の前の業務に追われている今日この頃です。

 さて、前回から忙しさにかまけて、だいぶん間が空いてしましました。久しぶりにブログを更新しました。こちらをご覧ください。よろしくお願いいたします。
http://kin-cpa.com/blog/非営利法人向けの研修メニューの提案について%ef%bc%88/

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金 公認会計士事務所
公認会計士・税理士 金 志煥
〒651-1202 神戸市北区花山中尾台2−3−6
phone : 090-9053-5368 e-mail : shikankin@hotmail.co.jp
site : http://kin-cpa.com/ http://koyu-ac.com/index.html
blog : https://blog.canpan.info/kin-cpa/
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最近の災害に思うこと[2018年07月14日(Sat)]
おはようございます。梅雨明けした最初の週末をいかがお過ごしでしょうか。朝から30度近くになっているようで、暑くて早くも目が覚めてしまいました。

 さて、6月18日の大阪北部震災、そして7月5日ごろからの大雨と立て続けに災害が続いています。この間、家族や仕事関係などのいろいろな方々との話をする機会がありました。

 それはこうした災害は忘れたころにやってきて、その時に右往左往するのか、予防的な準備ができているのかで随分次の対応が変わってくるというあらためてのことです。私も含めて、その時はしっかり考えて対応しないと思いますが、やはり忘れてしまいがちです。

 個人的には、災害に備えての1週間ほど持つ程度の食料や水、災害グッズの常備があるでしょうし、組織的には、危機管理対応としてBCP計画の策定やその準備、災害発生時の初動対応などいくらでも検討しなければならないことがあります。

 そして、こうしたことは実践からしか経験値が上がらないということもあらためて感じた次第です。ある自治体の人と話した際に、防災計画を策定し、毎年予行演習もしているにもかかわらず、今回の災害では想定外のことが沢山あったということが印象に残っています。

 いくら、机上で完璧な計画を作ったところで、実際にそれを行動に移したときに本当に機能するのか、現場での刻々と変わる状況に臨機応変に適切な判断ができるのか、そうしたことを失敗しながら学んだことを蓄積していく過程こそが重要だということでしょうか。

 
 個人としては、自宅が土石流の危険流域の近くにあるので、今回の大雨は気が気ではなかったというのがあり、近くに土砂崩れが発生するも、幸いにも自宅は事なきを得たというところです。みなさまの団体では、今回の災害をどうとらえて、行動し対応されたでしょうか。

 ということで、その時の自分の行動を振り返りつつ、自分でもできることはないかということで、ある市への災害ボランティアに行ってまいります。そこで、何ができるかわかりませんが、現場での状況を感じることが出来ればと思います。
NPOにも投資の発想を持とう![2018年04月20日(Fri)]
 おはようございます。もう4月も下旬に差し掛かろうとしています。新年度からロケットスタートしている団体もあれば、これからというところもあるのではないでしょうか。それぞれのペースで進めて行けば良いと思います。

 さて、本日は前回から少し間が空いてしまいましたが、表題の「NPOにも投資の発想を持とう!」を述べたいと思います。「NPOに投資?」という方もいるかも知れません。ですが、NPOも法人として事業活動を継続するためには、この投資概念を持っていただきたいと思います。

1.NPOに投資が必要か。

 民間企業であれば、普通というか、これがなければ利益を獲得することが出来ません。すなわち、企業が守備範囲としている事業分野に打って出るには、ヒト・モノ・カネを投入(投資)して自らのポジションと優位性を構築しなければなりません。それがハマれば利益の源泉になるからです。

 何を当たり前のことを言っているのだとお叱りを受けそうですが、この当たり前のことをNPOがどう受け止めているでしょうか。NPOもそのビジョン・ミッションを達成するために事業を行うわけですが、そのためにヒト・モノ・カネを投入(投資)しています。

 そして、事業継続させるにはそこから利益、あえて利益と言わせていただきますが、その利益を獲得しなければなりません。

 つまり、NPOもヒト・モノ・カネを投資して初めて資金(利益)を得て、次の活動にヒト・モノ・カネを再投資することが可能となります。ということをあらためて考えていくと、NPOにも当然に投資が必要であることがわかります。

2.NPOの投資に対する感覚はどうか。

 では、肝心のNPOに民間企業と同様の投資感覚はあるのでしょうか。誤解を恐れずに言えば、こうした民間企業のような投資感覚を持っているNPOは少ないと思います。これは、非営利だから必要ないというのは適切ではありません。

 ビジョン・ミッションを達成するための持続可能な事業を行うのに、経営的な視点からの投資感覚があるのかという問題意識です。

 そう、この持続可能な事業を行うには、効率的効果的なヒト・モノ・カネを投資することが求められます。その前段として、NPOのビジョン・ミッションを達成する事業戦略とそれを具体的に実行する事業計画が必要になります。その事業計画を具体的な実務に落とし込む際に、ヒト・モノ・カネを投資するという流れになります。

 こうした法人運営の全体像を俯瞰しながら、投資を考えて行けば、それが今すぐにでも必要であれば、NPOに当座の資金があればそれを活用しますし、その資金がなければ、どこからか資金を調達することになります。

 その資金調達方法は様々であり、NPOにより会費や寄附金、補助金や助成金、あるいは事業活動資金から捻出するなどが考えられます。

 その際、本当にその投資が必要ならその機会を逃すことなく、適切な手段を講じる経営判断ができるかどうかが鍵となります。間違っても、手元に資金がないからその投資をあきらめるなんてことはしないことです。何故なら、その投資をすることで、後で何倍にも回収できる手立てを打っているからです。

 法人の経営者であれば、投資時期の目利きが求められます。その時期を決して逃さないことです。そう、お金はあとからついて来ます。今必要な投資を実行できるかどうかの経営判断をするのです。そして、その投資を回収するのです。

3.IT補助金は投資資金として活用可能な制度である。

 以上、NPOにも投資が必要で、その投資時期を経営者として判断することに重要性と必要性を述べてきました。とはいうものの、やはり資金的な目途がないまま行うのはリスクがあります。その意味で、返済の必要のない資金を活用したいと思うのは当然のことです。その一つに表題のIT補助金があります。

 IT補助金は以前にも紹介させていただきました。昨年から始まったこの補助金制度、今年は昨年よりも予算をいっきに5倍の500億円に増額して、多くの事業者に活用してもらう準備を進めています。実は、本日から第1回目の公募が始まります。民間企業はもちろん、NPOにも適用されます。    https://www.it-hojo.jp/

 昨年はこの制度の周知が十分されておらず、2回の公募になりました。1回目はほとんど採択されましたが、2回目は採択率が一挙に約4割と大きく割り込んだと聞き及んでいます。

 助成金と異なり、補助金は競争ですので、採択されないと何の意味もありません。採択される申請書を出さないとせっかくの機会を逸してしまいます。今年は3回の公募が予定されていますが、後になればなるほど採択率が下がる傾向にあります。

 NPOにも使えるこの制度、法人のビジョン・ミッションを達成するためのIT投資を考えるには、ちょうど良い時期かも知れません。NPOにも投資の発想をもっていただき、その資金をぜひとも回収してください。それにより、NPOの経営基盤の強化に繋がる可能性が拡がってきます。

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金 公認会計士事務所
公認会計士・税理士 金 志煥
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新年度に向けた取り組みについて[2018年03月30日(Fri)]
 おはようございます。今週はずっと天気が良く、例年より1週間程度も早く桜が満開になりつつあります。見ごろは今週末が実はワンチャンスではないでしょうか。とは言え、自宅近辺は、まだまだちらほらというところであり、桜の咲き具合は随分と場所により違うなあという感じです。

1.今年度を振り返って

 さて、前回まで「CSVと職業専門家の役割について」と題して、公認会計士に求められる役割と、1人でも多くの職業専門家が企業とNPOの協働に関わることについて、自分の考えを述べました。

 その中で、あらためて自分が行うべき方向性が見えてきたような気がします。自分の立ち位置として、公認会計士である自分がNPOとの関わりに中で何ができるのか、何をしたいのか。

 それは、やはり公認会計士として、地域や社会貢献をしているNPOの経営基盤の強化を支援することを通じて、自らの専門性を発揮して貢献することだということです。

 そのためには、NPOのことをもっと知り、NPOの実情や課題を肌感覚で理解するとともに、その解決の方向性を一緒に考え実行することを自分の使命として、問い続けることだと考えています。

2.新年度に向けて考えていること

 その手法はいろいろなルートが考えられます。webやリアルの場を通じて、できるだけ多くの機会を作り、NPOと可能な限り接点を持つことです。また、私と同じようなことを考えている人や法人と繋がり、そうした関係性を構築することも必要です。一人でできることには限界があるので、連携することで相乗効果を得ることが期待できます。

 では、どれくらいのことをしていくのか。いろいろとアイデアはあるのですが、まだ、カタチにはできていないことも多いので、それが見えてきたら、随時、情報発信してきたいと思います。

 手始めに、これまで投稿したブログを整理し再構築したうえで、法人運営に役立つ情報をお伝えしていきたいと考えています。

 また、私と同じようなことを考えている方々と一緒に、ジョイントしたセミナーなども実施したいと考えています。この辺は、もう少しブラッシュアップが必要ですので、カタチになったらお知らせできればと思います。

3.今後の動きについて

 普段の業務で、良く計画性を持って事業をしてPDCAを回しましょうと言っていますが、自分の事業のPDCAを回せないと説得力がありませんので、有言実行で実施していきたいと思います。

 こんなこと言って本当に大丈夫と自分自身が心配になりますが、良い意味で開き直って、自分のしたいことをやって行きたいと考えます。

 今年度も実質的には、本日が最終日です。新年度に向けて、これまでのことを振り返りつつ、いろいろと新しいことを思い巡らしていることでしょう。

 読者のみなさまの想いをカタチにできるようお祈り申し上げますとともに、その一端に関われることが出来れば、望外の喜びです。新年度もどうぞよろしくお願いいたします。

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CSVと職業専門家の役割について[2018年03月22日(Thu)]
 おはようございます。3月も終盤戦に入ってきました。役所では、そろそそ人事異動のお知らせが聞こえてきそうですね。また、年度末を迎えて、最後の追い込みに入っている方々も多いのではないでしょうか。

 昨日は春分の日だというのに大雪のところもあったようで、桜の勢いも少しそがれた感じでしょうか。でも、あちこちで開花宣言もされ始めましたので、あと少しというところですね。

 前回、NPOの組織運営及び資金調達上の課題として、CSVを行う企業とNPOとの協働における課題解決の方向性を示しました。今回は、いよいよこのシリーズの最後に専門家として求められる役割を考えたいと思います。

1.企業とNPO法人の協働に一番大事なこととは

 さて、あらためて企業とNPOとの協働に重要なことは何でしょうか。私が思うに、企業とNPOが地域や社会の課題を解決することにコミットし、それぞれが貢献する自らの立ち位置やあり方を再構築することだと考えています。すなわち、各法人の理念や使命(ビジョン・ミッション)から来る地域貢献や社会貢献であることを再認識することです。

 その再認識のもと、各法人が持続可能な運営を行うために、本業を通じて多様な関係者との関係を構築し、賛同を得られる手法の一つとしてCSVを行い、その中で企業とNPOの協働が行われるのです。

 これが単に各法人の成長や持続可能な運営だけを優先すると、それ自体が目的となり、その目的達成に必要なことしか行われなくなるため、地域貢献や社会貢献という大義名分から外れた底の浅い活動しかできず、長続きしないリスクが生じます。

 そうではなく、企業とNPOとの協働を成功させるためには、両者の間で目指すべき社会的価値について、地域貢献や社会貢献という上位概念が一致していることが必要であり、共通の目標を追求するイコールパートナーという意識が重要だと考えます。

2.公認会計士に求められる役割とは

 では、企業とNPOとの協働の際に専門家としての公認会計士に求められる役割とは何でしょうか。公認会計士は、その専門性において地域貢献や社会貢献が求められている職業専門家です。会計監査を通じて民間企業の社会的信頼性を付与するものから、地域の各種の委員の就任による専門家としての知見を述べるなど、その活動範囲はかなり広いものがあります。

 その地域貢献や社会貢献の一つとして、企業とNPOの協働による『価値の共創』(CSV)に関わる可能性があります。たとえば、企業側からのCSVのアプローチにおいて、企業の経営戦略の指導助言を行う可能性があります。

 特に、企業がCRMの手法を導入するには、信頼性の強化を行うNPOとの関係構築が重要となります。そこにNPOのことを熟知している公認会計士であれば、企業の本業に親和性のあるNPOとどのように組めばよいか助言できます。

 NPO側からのCSVのアプローチにおいては、認定NPO法人や資金調達に係る支援、経営戦略の策定支援などが可能です。この辺は、もともと公認会計士の得意分野ですので、NPOの個別事情を勘案する必要はありますが、比較的アプローチが容易と考えます。

 特に、CRMの手法を導入するには、企業との関係構築が重要となり、そうした点からも助言することが可能です。

3.1人でも多くの職業専門家が企業とNPOの協働に関わるには

 以上は、公認会計士の視点から、企業とNPOとの協働の際に専門家として求められる役割を示しました。でも、職業専門家は弁護士や行政書士など公認会計士以外にもたくさんいます。それぞれの専門性を発揮できる部分は当然にたくさんあります。よって、それぞれの得意分野で企業とNPOとの協働に貢献すればよいのです。

 ただ、その際に留意すべきことがあります。このような目的で職業専門家がNPOの支援に携わる場合には、まずNPOの信頼を得る必要があります。つまり、企業やNPOにアドバイスを行う以前にNPOが活動する地域や取組状況などを知り、企業やNPOと同じ土俵で議論ができる関係を構築することが必要です。

 やはり、職業専門家は信頼関係の中で、初めてその専門性を発揮できるとあらためて思います。そして、企業側及びNPO側からのCSVのアプローチにおいて、1人でも多くの職業専門家が双方の立場の違いを踏まえた協働に関わっていただきたいと思います。

 私の立ち位置で言えば、企業とNPOの双方がwin-winの関係を長く継続させることが持続可能な運営と成長を促すものであり、そこに公認会計士が触媒として関わることができれば、社会貢献に繋がるものと考えています。

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NPOの組織運営及び資金調達上の課題と解決の方向性[2018年03月09日(Fri)]
こんにちは。昨日の大雨もあがった午後ですが、いかがお過ごしでしょうか。さて、本日は、大阪はグランフロントナレッジサロンに来ています。ここでミーティングをした後、投稿記事を書いています。

1.前回の投稿記事の補足
 前回、NPOの制度上の課題として、寄附税制を取り上げましたが、ちょっと舌足らずでしたので、補足しておきます。

 企業において寄附税制が認定NPO法人のみに適用されるというのは、一般のNPO法人と違って、損金算入限度額の計算です。すなわち、企業が寄附をする場合、国や地方公共団体への寄附金と指定寄附金はその全額が損金になります。それ以外の寄附金は一定の限度額までが損金に算入されます。

 認定NPO法人の場合、この一般の寄附金の損金算入限度額に加えて、特定公益増進法人と同様に、特別損金算入限度額が認められています。したがって、同じ寄付するなら認定NPO法人の方が、企業にとっては損金算入限度額が増加しますので、その分、法人税が有利になります。詳細は、国税局のサイトをご覧ください。https://www.nta.go.jp/shiraberu/ippanjoho/pamph/koho/kurashi/html/04_3.htm

2.NPOの組織運営上の課題と解決の方向性

 ここでは、NPOの組織運営上の課題を取り上げます。NPOがCSVを行う企業と同じ土俵で協議するためには、NPOの組織体制と人材育成をセットで運営する必要があると考えます。

 でも現実はどうでしょうか。企業は、通常、専担部署または専担者を置いて、組織的にCSVの活動をします。こうした企業と同じレベルで対応をできるNPOはまだまだ少ないのが実情ではないでしょうか。

 つまり、一言で言うならば、NPO側の人材不足があると思います。このことは、中間支援NPO法人でも同様のことが言えると思います。企業側はNPOの社会的信用力や組織運営力を厳しくチェックすることが想定されます。

 このため、実質的にこの部分で対応できなければ、実務上で協働を進めることができないリスクが高くなります。

 この解決の方向性は、まずは、NPOのトップ自身がその立ち位置を明確にして、戦略的な組織運営を行う意思があることが挙げられます。NPOのトップ自身の本気度が問われます。

 そのうえで、自らの団体にリソースが不足しているのであれば、意識の高い中間支援NPO法人や専門家がやる気のあるNPOを支援する場を設定することが考えられます。

 具体的には、NPOが企業との協働について経営理念や使命の中に織込み、それを達成するための経営戦略を策定して実行することが求められます。そして、限られた人材の中でも企業に対する担当窓口を設定するとともに、いろいろな媒体や機会を見つけて情報発信を行います。

 一方、中間支援NPO法人や専門家は、そうしたNPOを支援するために、それぞれの役割分担を明確にし、教育研修などの機会を提供し、後方支援で協働するためのインフラづくりが考えられます。そうした協働ができれるようにしたいですね。

3.NPOの資金調達上の課題と解決の方向性

 ここでは、NPOの資金調達上の課題を取り上げます。NPOは、そもそも自ら稼ぐというビジネスモデルが弱い法人が多いため、必ずしも自立できる運営になっていないことが本質的な課題です。
 しかしながら、法人である以上、事業活動資金は必要です。その資金を安定的に調達できなければ、最終的には法人存続の問題に行きつきます。

 法人のビジョン・ミッションに賛同を得た資金として、寄附を始めとした多様な財源確保は言うまでもありませんが、そうした資金を引き出すためにも、この解決の方向性として、NPOの経営基盤の強化に努める必要があります。

 NPOのビジネスモデル、組織体制と運営方法、資金調達の方法を模索する中で、CSVを行う企業との接点を戦略的に持つ情報発信と多様な関係者との関係構築を行うことが求められます。

 逆に言えば、NPOの経営基盤の強化をすることでCSVを行う企業との接点を持ちやすくなるということが言えると思います。そうしたNPOであれば、CSVを行う企業の評価を受けやすくなりますし、協働の可能性も展開できます。

 その結果として、CSVの一環として取組むCRMを行う企業から継続的な寄附を引き出す導線を描くことが可能になると考えます。

 だいぶ長くなってきました。こうしたCSVを行う企業とNPOとの協働における課題解決の方向性を示したうえで、最後に専門家として求められる役割を考えてみたいと思います。

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NPOの制度上の課題と解決の方向性[2018年03月03日(Sat)]
こんばんは。本日はすごく良い天気でしたね。日に日に春の兆しがあちこちに出始めています。何かウキウキして、外出したい気分ですね。ワンちゃんの散歩をたっぷり時間をかけて歩きました。

 さて、今回からNPOの課題を整理して、その解決の方向性を考えてみたいと思います。NPOの成長戦略とCSVにおける企業との接点を考えた時に、どんな課題がありこれを解決すれば良いのでしょうか。今回は、NPOの制度上の課題です。

1.寄附税制上の課題

 NPO側の制度上の課題は、何といっても寄附税制です。ご存知のように寄附税制は認定NPO法人のみに適用されるため、その他大勢のNPO法人に対しては、寄附税制の恩典を活用することができません。

 内閣府の情報によると、平成30年度1月末現在のNPO法人は51,861法人ありますが、このうち、認定NPO法人は1,060法人と僅か全体の2%です。つまり、企業から見た時に、社会的な信用力の一つとして評価されるべき認定NPO法人は、わずかしか存在しないという事実です。

 企業側からすれば、寄附する際には寄附税制のメリットを受けたいと思うのは当然のことです。そうした恩典を受ける寄附先が少ないというのは、実際にNPOと関わりたいと思っていても、いざという時には障害になることは容易に想像できます。

2.NPOに対する企業側のスタンス

 あらためて、企業側のスタンスを見ると、NPOの社会的信用力や組織運営力を厳しくチェックするため、この段階で認定NPO法人でないところは、寄附の対象から外れるリスクが高くなると考えます。いくら企業側とマッチするNPOがあったとしても、寄附のメリットがある認定NPO法人でないことを理由に、アンマッチになることが考えられます。

 もちろん、寄附がすべてではなく、企業とNPOの協働は他の方法で実施できるのは言うまでもありません。ですが、企業のCSVの一環として取組むCRM(コーズ・リレイテド:マーケティング)の観点からは、対象外になってしまうリスクがあること自体が制度上の課題として残ってしまうことになります。

3.NPOの課題解決の方向性

 では、こうした制度上の課題にどう対応すれば良いのでしょうか。この解決の方向性は、NPOが認定NPO法人になることですが、現状ではその2%のハードルを越えるのは高いと言えます。しかしながら、CSVを行う企業との接点を積極的に考えるならば、いずれ乗り越えるべき壁とも言えます。

 他方で、認定NPO法人の要件については、もう少し、制度上の緩和措置が検討できないかは一考の余地があると思います。たとえば、パブリックサポートテストの要件緩和ができないかという点です。

 実績判定期間内の各事業年度中の寄附金の額の総額が、3000円以上である寄附者の数の合計額が年平均100人以上であることを求める絶対値基準があります。

 この寄附金額または人数の要件緩和です。その代りに、運営組織及び経理的基礎の要件として、ガバナンスや財務に係る情報公開の徹底を行うことが考えられます。また、外部監査を受けた場合は、その優位性を他の要件に先駆けて認めてもらうことができないでしょうか。

 こうした要件緩和措置について、その必要性と実務上の対応と併せて、NPO自らが情報発信するとともに、監督官庁に意見具申することが望まれます。

 次回は、組織運営及び資金調達(ファンドレイジング)の観点から、もう少し掘り下げたいと思います。よろしくお願いします。
  

NPOの成長戦略とCSVにおける企業との接点[2018年02月27日(Tue)]
 こんばんは。業務にかまけて、少し間が空いてしまいました。大阪のスタバから投稿しています。周りは若者たちが思い思いにスマホをいじったり、本を読んだりしています。こうした場所で投稿するのは、初めての経験です(笑)。

 さて、今回は、NPOの成長戦略とCSVにおける企業との接点です。前回に、NPOと企業との関係性構築のあり方について触れましたが、もう少し、これを掘り下げたいと思います。

1.NPOの成長と企業の成長を促すwin-winの関係

 NPOと企業は、持続可能な運営または経営を行うという点で共通項があります。NPOと企業が持続可能な運営または経営を行うために、双方向でwin-winの関係になることはできれば、企業から寄附を引き出す導線を描くことが可能になります。

 では、このwin-winの関係になるためには何が必要でしょうか。いろいろ考え方はあると思いますが、私はNPOと企業が双方で持続可能な成長を促すのに、地域社会の課題を解決するという大義名分が必要になると考えています。

 この地域社会の課題を解決することは、そもそもNPOが自らの存在意義を示すものであり、企業にとっては事業を通じて貢献するものであるとしたらどうでしょうか。

 すなわち、地域社会の課題を解決という共通のゴールに向けてNPOと企業が協働するという画を描くことができれば、双方がwin-winの関係を持つことができます。

 そして、そのことが社会的価値と経済的価値の創造を同時に実現するCSVの効果を上げることが可能になるのではないでしょうか。

2.NPOが企業と同じ土俵で協議するインフラづくりの重要性

 NPOが企業とwin-winの関係を持つには、企業と同じ土俵で協議するインフラが重要です。これは、地域社会の課題を解決という共通のゴールに向けた検討の場が必要となることを意味します。

 具体的には、NPOの側で、企業との窓口としての担当者を決めるなど組織的な対応を行う部署の設置などのインフラづくりが必要です。

 仮に、検討の場を設けたとしても、企業はビジネスとしての手法で進めようとします。これは至極当然ですね。企業は成果を出すことを常に求められていますので、その成果を出すためにはビジネス的手法が必須だからです。

 しかしながら、NPOはそうした対応に必ずしも慣れているわけではありません。逆にこうした対応についての経験が乏しいことが少なくないです。

 企業は同じ土俵で議論できるかどうかについて、NPOをシビアに見ています。それを前提に、NPOの方でもしっかりとした体制の整備が求められることに留意が必要です。

3.NPOが取り組むべきアプローチ
 

 NPOは、このようなインフラづくりをしたうえで、取り組むべきアプローチは、NPO自身が企業との協働に係る情報発信をするとともに、CSVを行う企業のリサーチが必要となります。

 すなわち、NPOのビジョン・ミッションと親和性のある企業を発掘することが次の活動に繋がる手立てとなると考えます。

 しかしながら、こうした取り組みを効果的に行うとしても、現実には様々な課題があります。次回以降では、NPOの課題を整理して、その解決の方向性を考えてみたいと思います。

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NPOと企業の協働について思うこと(2)[2018年02月17日(Sat)]
今日は、羽生選手の金メダルおめでとうございます。何回見ても素晴らしい演技ですね。日本中が湧きかえった日でしたね。また、ただいま、男子スキージャンプのラージヒルを見ながら、この記事を書いています。


 さて、本日はNPOと企業の協働について思うこと(2)です。前回は、NPOの意義と多様な関係者との連携でした。今回は、NPOのファンドレイジングの重要性を述べたいと思います。

1.NPOのファンドレイジングとしての寄附

 NPOが持続可能な運営を行う際の財源確保として、資金調達の方法(ファンドレイジング)は多様なものがあります。

 その中で多様な関係者と連携し、共感と賛同を得るのに最も効果的でかつ、困難な寄附を取り上げたいと思います。これが、企業が行うCSVとの接点が特に重要と考えるからです。

 寄附は文字どおり、相手に寄り添うものですが、決して見返を求めない資金です。寄附者は、NPOの活動に共感と賛同をして応援したいと思う気持ちがそのような行動を引き出すものと考えます。

 NPOの中でも、寄附を多く集めている団体は寄附を受けるのに戦略的に考え、組織的な活動として共感資金を引き出す動線を導いています。

 NPOが自らのビジョンやミッションを明確にし、寄附者に響く情報発信を継続的かつ効果的に実施して初めて、応援したいと思われる体制を整備運用しているものと考えられます。

2.NPOが多様な関係者から共感と賛同を得る体制と手法

 では、NPOとの関わりを持つ多様な関係者から、いかに共感と賛同を得ているのでしょうか。

いろいろその体制や手法がありますが、一つ考えられるのは、NPOが接点を持ってもらいたい関係者に対して、彼らの琴線に響くメッセージを継続的に情報発信する体制や手法ができていることだと思います。

 たとえば、大阪で病児保育の事業をしているNPO法人ノーベルは、子供が病気になって途方にくれている働く母親に対して、「子供が急な発熱で仕事を休めなくても大丈夫。」と語りかけるように、安心安全な場を提供することを情報発信しています。

 これを見た働く母親、特に1人親家庭(母子家庭)の母親は、自分のことを言ってくれていると思うのは自然の流れであり、子供が病気で身動きできない時でも、安心できる場を提供してくれるNPOを応援したいという気持ちが寄附の形に現れる導線を導いています。

 NPO法人ノーベルは、実際に専属のファンドレイザーを置き、寄附を受けるための組織体制を敷き、戦略的に寄附を受けるための広報を行っています。これは、一長一短で出来たのではありません。

 トップの方針の下、試行錯誤を繰り返して、多くの時間とコストを払って今の形にしたものと考えられます。https://byojihoiku.nponobel.jp/

3.NPOと企業との関係性構築のあり方

 こうした取組の中で、企業との関係性をどのように構築すれば良いのでしょうか。もちろん、企業が社会貢献の一環として、応援するNPOに寄附をするという関係は、これまでも普通にある形です。でも、この関係がずっと続くかどうかは何の保証もありません。

 営利を追求する企業が一つのNPOに寄附を続ける合理的理由を見つけるのは、そう簡単ではありません。結構ハードルが高いと思います。何故なら、営利を追求する企業であるがゆえに、その営利を後回しにしてもNPOを応援したいという理由とインセンティブが必要と考えるからです。

 そうすると、見返を求めない一方通行の寄附を双方向にすることができればどうでしょうか。NPOと企業が持続可能な運営または経営を行うために、双方向でwin-winの関係になることはできれば、そこに一つのNPOに寄附を続ける合理的理由が見出すことが可能になるのではないでしょうか。

 ここに、企業が行うCSVとの接点が生まれます。すなわち、NPOと企業は、持続可能な運営または経営を行うという点で、共通の求められる方向性があり、そこに双方の成長戦略が求められることになります。

 少し長くなってきたので、この続きは次回にさせていただきます。次回は、NPOの成長戦略とCSVにおける企業との接点について、あらためて考えて見たいと思います。

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NPOと企業の協働について思うこと(1)[2018年02月11日(Sun)]
 こんにちは。連休のさ中、いかがお過ごしでしょうか。金曜日から始まったオリンピックで、テレビの前にくぎ付けという方も多いのではないでしょうか。

 さて、今回からしばらくはNPOと企業の協働について書こうと思います。あるところで、このテーマでしゃべることになりましたので、頭の整理を兼ねて、何回かにわけてお伝えしようと思います。

1.NPOの意義
 
 今回は、NPOの意義と多様な関係者との連携です。NPO関係者にしたら何を今更と叱られそうですが、後で出て来る企業との協働を視野に入れた場合、そもそも「自分たちの存在意義は何だ」ということについて、あらためて問い直すことが必要と考えています。

 NPOの範囲を広くとると、一般には営利を目的とせず、公益的な市民活動を行う民間団体を言うことについては、異論はないと思います。そこには、個人やボランティア団体など、法人格の有無を問わない団体ということができます。

 ですが、ここでは、特定非営利活動法人、すなわち、特定非営利活動促進法に基づき法人格を取得したNPO法人をNPOと定義します。何故なら、企業と連携するには、組織としての対応が求められるからです。

 もちろん、個人やボランティア団体を否定するものではありませんが、企業と同じ土俵で対応するということで、法人を前提としています。

2.NPOの立ち位置と持続可能な運営

 NPOは、営利を目的としないことは言うまでもありませんが、収益を目的とする事業を行うこと自体は認められています。つまり、利益を上げて良いが、分配はできないということですね。NPOが法人である以上、事業活動をするには資金が必要です。

 当然のことですが、その活動資金を得るのに収入(利益)を獲得しなければなりません。ただし、事業で得た収入(利益)は、様々な市民活動や社会貢献活動に充てることが義務付けられているという建付けですね。

 でも、NPOは民間企業と異なり、活動の対価を受益者から受けることが必ずしも想定されていないのが特徴です。たとえば、困っている人に手を差し伸べてサポートする活動をしているNPOが、その人から対価を受け取るなんて最初から考えていませんね。

 一方、こうした活動を事業として継続するためには、多様な関係者から多くの資源を集めて効率的効果的に実施しなければなりません。そのためには、法人を存続させ持続可能な運営を行う戦略を策定し、実行することが求められます。継続して初めて、NPOの立ち位置と存在意義が問われるということになります。

3.NPOが多様な関係者との関係を構築する必要性

 NPOの成長戦略を策定するうえで最も重要なことは何でしょうか。いろいろな考え方はあると思いますが、私はいかにしてNPOのビジョンやミッションについて、多様な関係者から共感と賛同を得るかであると考えています。

 NPOは、どちらかというと脆弱な財務体質の法人が多いので、できるだけ多様な関係者から多くの資源(リソース)を吸引することが必要と考えます。その資源(リソース)の有償無償は問いませんが、NPOの裁量で使える財源(資金)が多ければ多いほど、活動の範囲が拡がることが期待できます。

 そのためには、NPOと関わりを持つ多様な関係者がそのNPOを応援する仕掛けとチャンネルをできるだけ多く持つことが必要となります。つまり、NPOと関わりを持つ多様な関係者との接点を繋ぎ、良好な関係性を構築することが求められるのです。

 少し長くなってきたので、この続きは次回にさせていただきます。次回は、NPOのファンドレイジングの重要性をあらためて考えて見たいと思います。

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金 公認会計士事務所
公認会計士・税理士 金 志煥
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IT補助金その2[2018年01月14日(Sun)]
 おはようございます。今週は各地で雪と最低気温更新で大変だと思います。例年、センター試験は大雪に見舞われることがおおいのですが、やはり、今年もそうなりましたね。いつも思うのですが、受験生にとっては入試だけでなく試練も受けている気がします。
 昨日は、小学校の左義長とお餅つき大会のお世話で半日学校で過ごしていました。雪が溶けずに本当に寒い一日でした。

 さて、今回は前回に引き続き、IT補助金を取り上げたいと思います。NPO法人等の中にはIT補助金のことをすでに詳細を知っている法人もあるかと思いますが、大半の法人は知り得ていないと思います。何故なら、昨年の採択結果を見ると、採択されたNPO法人等はほとんどいないからです。

 そこで、今回は基礎的なことを少しお知らせしながら、IT補助金がNPO法人等にとってどのような位置づけであり、これをどう活用するかをお話ししたいと思います。まずは、IT補助金の制度概要です。

【本事業の概要(対象者・対象費目)】
1)補助対象者
日本国内に本社及び事業所を有する中小企業者等
⇒NPO法人、社会福祉法人、医療法人を含むが、公益法人、社団法人、学校法人は対象外。

2)補助対象費目
あらかじめ登録され、事務局に承認を受け、HPに対象サービスとして公開されたITツール(ソフトウエア、サービス等)のみが対象。

3)補助金額
支出額の2分の1(ただし50万円が上限)。80万円以上の場合は、経営力向上計画を併せて申請すると有利。

(注意点)
1.ハードウェアは対象外。
2.HP開設・運営、クラウドサービス等利用料→導入後の1年間のみ対象。
※既存HPの日常的な更新・改修費用は対象外。
3.交付申請は、IT導入支援事業者が行い、当該事業者から代理申請を行う。事務局からの「交付決定通知」を受領後、初めて事業を始めることが可能。
4.事業を行う際には、必ず「交付決定通知」を受領後、IT導入支援事業者と契約・発注、支払い等 を行う。「交付決定」を受ける前に、契約・発注、支払い等を行った申請は補助金を受けることができないことに留意。
5.事業完了後、必要な証憑類を提出して初めて、補助金の支払いが可能。あらかじめ必要な証憑類についての確認を行う必要あり。


 ざっと、以上がその概要です。NPO法人、社会福祉法人、医療法人は対象ですが、公益法人、社団法人、学校法人は残念ながら対象外です。補助金額は、最大50万円で補助率は1/2です。よって、50万円なら25万円の補助、100万円以上の支出があっても50万円の補助が上限となります。

 そして、最も重要なことは、補助対象費目がIT導入導入事業者が登録するITツール(ソフトウエア、サービス等)のみが対象となります。つまり、登録されたITツールからしか選択できないということです。

 採択されたNPO法人等はほとんどいない理由の一つとして、NPO法人等が欲しいITツールが少なかったということも一因だと考えています。この点、今回のIT補助金にNPO法人等が選択できる多くのIT導入導入事業者及びITツールの登録を期待したいものですね。

 交付申請は、IT導入支援事業者が行うこと、採択されてから補助金を受けるまでには、一連の手続きを行う必要があることなどがポイントになります。 
 
 NPO法人等が導入を検討するITツールとして、HP開設・運営、業務または財務管理クラウドサービスなどが考えられますが、これをどう検討していくのかが焦点になります。そこに事業計画との連動がポイントになってきます。

 少し長くなってきましたので、次回に事業計画との整合性とこのIT補助金の活用について、お話ししたいと思います。よろしくお願いします。

今年を振り返って[2017年12月31日(Sun)]
 読者の皆さま、今年最後の日を思い思いに過ごされていることと存じます。10月以降、業務の忙しさにかまけて、ブログ更新が滞ってしまいました。数少ないコラムを楽しみにしている方々にはご迷惑をおかけして、大変申し訳ない気持ちでいっぱいです。

 今年を少し振り返ると、非営利関連の団体や法人の仕事自体はそこそこやってきました。自治体、公益法人、社会福祉法人、NPO法人、一般社団法人、独立行政法人など団体名や法人名は変わっても、非営利関連の監査や支援業務などを通じて、自らの専門性を活用してそれぞれの経営基盤の強化を愚直に追及してきたと思います。

 ですが、本当に十分やり切った感はなく、まだまだ訴求力の弱さも実感しているところです。このブログもその一つです。もっと伝えなければならない事項があるはずなのに、不完全燃焼を起こしていることを自覚しています。

 今後は、今年十分でなかったブログでの情報発信を来年は少しでも多くしたいと考えています。具体的な方法はまだ思案中ですが、有言実行して結果責任を負うくらいの覚悟で臨みたいと思います。

 読者の皆様にとって来年が良い年となりますよう、心からお祈り申し上げます。宜しければ、引き続きブログをご覧いただければ幸いです。来年もどうぞよろしくお願いいたします。

公認会計士・税理士
准認定ファンドレイザー
金 志煥
行政の行動パターンを知ろうその2[2017年10月31日(Tue)]
 おはようございます。昨日から一気に秋の気配というか寒くなってきましたね。10月は毎週のように週末は台風の影響もあって雨にたたられ、行楽を楽しみにしていた方は、予定の変更を余儀なくされることも多かったのではないでしょうか。

 さて、前回(10月2日)の投稿から忙しさにかまけて、また間が空きましたが、あっという間に今日で10月は終わりです。今日は前回に引き続いて、行政の行動パターンをお知らせしたいと思います。

2.行政はどこまで行っても予算の世界でしか動かない組織である。

 行政に限らず、公的機関というか非営利組織は予算の制約が常に付きまといます。まずは予算ありきということで行政では担当者は予算の獲得に血眼になります。予算の獲得が担当者の業績評価になることが多いからです。

 地方自治体の場合、予算のスケジュールは秋ごろから次年度の予算に向けて動き出します。年内までに所管部局と財政部局が担当者ベースで何度か調整と査定を行い、段々と上位の役職者での手続きまで上がります。

 最終的には首長査定まで行きますが、この辺は首長の政策に係る大きな事業に関するものになりますので、実質的には所管部局と財政部局との調整でほぼ次年度の予算が決まります。つまり、この段階までに所管部局では、自部門の施策を反映させる事業予算を獲得しなければなりません。

 これをNPO法人との協働という側面から見ると、行政と連携して何らかの事業を行うためには、この予算編成及び予算獲得のスケジュールを睨んで、動く必要があるということを示しています。つまり、この期間内に、行政と協働して事業を行うための交渉をしなければなりません。

 この時期を逸してしまうと、新たな事業を予算に組み込むことは実質的に不可能になります。もちろん、補正予算を組むことはありますが、その場合はトップダウン型の予算になりますので、部局でコントロールすることが難しいです。

 逆にこのような予算プロセスとスケジュールを知っておくことで、どの時期にどのように行政から情報収集し、必要に応じて協働のための交渉や調整を行うかの目安を付けることができます。いわば予算に係る先回りの対応が可能となります。

 自団体の行政の予算プロセスとスケジュールを睨んだ協働の対応はいかがでしょうか。長くなってきましたので、次回ではこのテーマでのとりあえずの終わりにしたいと思います。
行政の行動パターンを知ろうその1[2017年10月02日(Mon)]
 おはようございます。10月に入りましたね。後、残り3か月となりました。今朝はしとしと雨が降っていますが、いよいよ秋モードが近づいてきました。巷では選挙一色になっていますが、それに振り回されずにしっかり仕事をしたいですね。

 さて、前回から日が空いてしまいましたが、行政とNPOとの協働においては、両者の情報格差をできるだけ少なくし、同じ土俵で勝負するにはまずは相手のことを知るべきと言った話をしましたね。
今回は、いくつか具体的な話をしたいと思います。

1.行政は法律と規則と施策の世界で動く組織である。

 何を今さらと言われそうですが、行政はどこまで行っても基本的には法律と規則の世界で動く組織です。様々な事業の背景には、必ず法律と規則があります。それがないと事業活動の拠り所がなくなるので、何かあった時の理屈をそこに求めることになります。

 ということは、行政の事業の裏にはどんな法律と規則があるかを知っておくと、その背景や事業の目的、求められる効果などを知ることができます。たとえば、最近よく見かける待機児童のゼロにする施策は、もともと安倍政権の肝いり政策と密接な関連があることがわかります。
http://www.kantei.go.jp/jp/headline/taikijido/

 子供子育て支援制度を策定し、待機児童解消加速化プランとして様々な施策を打ち出し、その施策に予算を付けています。その前段として、各種の法律や規則・要綱などを制定し、その枠組みの中で事業を行うことになります。

 そうすると、当該施策を実施するのにどんな事業を展開し、そのうち、何を民間に委託しようとするのか、ある程度の行政の動きを読むことができます。子供子育て支援を事業の中心にしているNPO法人であれば、こうした動きを常にウォッチすることになります。

 でも、そうした行政の施策はいつまで続くかわかりません。常にその動向をキャッチしていないと置いてきぼりを受けることになりかねません。行政の施策が突然変わることは常にあるからです。

 こうした情報収集活動は日頃から実施していて初めて次の手立てを考える契機になります。自団体の取組みとして、日常業務に取り入れていると思いますが、その頻度や行政との接点を日頃から持っているかについては、温度差があると思います。

 自団体の情報収集への取組みはいかがでしょうか。そろそろ長くなってきたので、次回に続けたいと思います。

PPP提案における公会計情報の位置づけについて[2017年09月04日(Mon)]
 本日は、珍しく2回目の投稿です。先日、不動産経済FAX−LINEという 経営・事業化情報をファクシミリで提供する媒体に投稿しました。

 テーマは、「PPP提案における公会計情報の位置づけについて」という、PPP関係の記事です。私の業務の守備範囲にPPP関連業務があり、その一環でご縁があり、投稿した次第です。

 内容は、行政課題の解決に向けたPPP提案と公会計情報の関係、公会計情報の活用状況の現状と課題、自治体における公会計情報の活用と親和性のあるPPP提案の可能性について言及しています。

 詳細は記載できませんが、行政も民間(NPO含む)も地域の課題の解決に向けて、公会計情報を活用することにより、公会計情報という共通言語が両者の間で協働できる鍵になることを示唆しています。

 私の役割は、両者を繋ぐ専門家として、知恵を出すことだと考えています。

https://www.fudousankeizai.co.jp/publicationCatelist?cateId=4&id=21
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