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社会起業家の熱い想いをカタチにするお役立ち情報
社会起業家の事業継続と経営基盤強化に役立つ情報について、公的機関15年の実績ある会計士の経験・ノウハウをお伝えします。
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監事監査の留意点(6)[2016年07月29日(Fri)]
2016年7月29日(金)

 おはようございます。昨日は久しぶりに大阪のロイヤルホテルで昼食をとりました。午前中の打ち合わせをすまして、ホテルに移動し、しばしのゆったりの食事をすることができました。ロイヤルホテルの東隣には、大阪市の新美術館予定地と大きな看板が立っていました。紆余曲折がありましたが、大阪市が新美術館建設にゴーサインを出したものです。

 さて、今月もあと少しで終わりが近づいてきています。このブログも2月から始めて、半年が経過しようとしています。これに関して、今後の方針をどうするか思案しています。具体的には、7月31日(日)にお伝えしたいと思います。今日も元気で行きましょう。

(要旨)
@監事になる人の心構えとは?
A法人の目指す方向について第三者の視点でチェックする
B監査を通して法人に社会に貢献する


 さて、本日のテーマは「監事監査の留意点(6)」です。前回、監事監査を網羅的に実施するツールとして、監事監査のチェックリストについてのお伝えしました。今回は、監事監査の総括をしたいと思います。

@監事になる人の心構えとは?

 これまで監事監査の留意点として、いくつかポイントとなる事項をお伝えしてきました。今回はそれを再度、重要と思われる事項を取りまとめたいと思います。まずは、監事になる人の心構えです。

 監事に求められる役割は、結構重たいものがあります。残念ながら、非営利法人でも相当の不祥事や不正事件が起こっています。その時、いつも思うのは監事はどうしていたのかなあということです。

 現状では、監事としてパフォーマンスを発揮する環境は、実はそれほど良くはありません。監事の能力、監査をする時間、場所、協力者など数多くの制約があることが事実として横たわっています。そうした制約条件の中で、監事としての心の持ちようはどうすれば良いのでしょうか。

A法人の目指す方向について第三者の視点でチェックする

 監事は、一義的には、理事等の役員の業務執行のチェックや決算のチェックをすることになります。ただ、それらの業務は、つまるところ、法人が掲げた理念やミッションが本当にその通り達成できているかを第三者の視点で観察し、チェックすることではないでしょうか。

 法人内部の関係者は、どうしても執行側として内向きの論理で物事を進めがちです。それも悪くはないのですが、それが度を過ぎると、知らないうちに法令や規則からはみ出たり、法人運営に偏りが出たりして、効率が悪くなることがあります。

 監事は、そうした状況をつぶさに観察して、第三者の視点でモニタリングし、チェックするのです。この第三者の視点、時には消費者の目かも知れません。また、時には取引先や銀行の目かも知れません。

 この多様な第三者の視点を常に重点を置くことで、法人を外からの意識を持って客観的に見ることができます。そして、その視点から何かおかしいことはないか、これって本当にロスが生じていないかと言った問題意識を持つことが大切です。

B監査を通して法人に社会に貢献する

 上記のことは、監事の姿勢の問題です。ですので、それをしっかりやろうとすれば、当然に時間とコストがかかります。逆に手を抜こうとすれば、いくらでも手を抜くこともできます。どちらのスタンスで監査に臨むのか、監事の姿勢が問われるところです。

 とは言っても、できることと、できないことがあります。与えられた環境や制約の中で、監査を行うしかありません。別に他の法人と比べることもありません。ご自身の団体の方向性をどのように監査するか、できることから地道に進めるだけです。

 強いて言えば、監査を通じて法人の役に立ち法人に貢献するのだという気概をもつことが重要です。そしてそのことが、法人が掲げた理念やミッションの達成に一役を担っており、結果として、広い意味では社会に貢献するのだという意識を持つことができればと思います。

 監事さんのすることはたくさんありますが、ご自身の業務を振り返り、あらためて監事の仕事を見つめていただく契機となることを願っています。
 
監事監査の留意点(5)[2016年07月22日(Fri)]
2016年7月22日(金)

 おはようございます。昨日はサラブライトマンのコンサートに行ってきました。サラブライトマンは弟から教えてもらったのですが、もともとはクラッシク畑の歌手で、ソプラノの魅力を存分に味わうことができました。

 圧倒的な声量と透き通るような高音のアンサンプルが絶妙で、何十年ぶりかのコンサートであったことを忘れさせてくれるぐらい、素晴らしい声に聞き惚れていました。たまにはコンサートに行って、生の歌や演奏を聴くのはいいものですね。今日も元気で行きましょう。

(要旨)
@監事は監査をどのくらい実施している?
A監事監査を網羅的に実施するツールの活用
Bチェックリストにある事項を掘り下げる


 さて、本日のテーマは「監事監査の留意点(5)」です。前回、監事は積極的に監査の情報を仕入れて、監事の専門性を追求する必要があることをお伝えしました。今回は、監事監査のチェックリストについてのお話をしたいと思います。

@監事は監査をどのくらい実施している? 

 監事は、業務監査をしなければなりませんし、会計監査もしなければなりません。理事会等にも出て役員の執行チェックもしなければなりません。こうしてみると結構盛りだくさんですね。それらの業務をとても限られた時間で実施することを求められますので、大変です。

 そうしますと、どうしても優先順位を付けて監査をすることになります。あれもこれもできないかも知れません。もちろん、時間があればたっぷりとやることもできます。この辺は監事が置かれている環境や立ち位置の問題です。

 どれくらい監査を実施すればよいなんて特段ありません。監事がこれで十分と思える、あるいは、最低限これこれの監査を実施したと関係者に説明できるレベルを自分で作っていくしかありません。

A監事監査を網羅的に実施するツールの活用

 とは言うものの、いったいどれくらい実施すれば良いかわからないという監事さんもいると思います。その場合、一つの方法として監事監査のチェックリストを使うことをお勧めします。

 たとえば、NPO法人の監事ですと、ご存知の方も多いと思いますが、NPO 法人NPO 会計税務専門家ネットワークでは監事監査のチェックリストを公表しています。http://cache.yahoofs.jp/search/cache?c=nhItKVwN0E0J&p=%E7%9B%A3%E4%BA%8B%E7%9B%A3%E6%9F%BB%E3%81%AE%E3%83%81%E3%82%A7%E3%83%83%E3%82%AF%E3%83%AA%E3%82%B9%E3%83%88&u=npoatpro.org%2Fkaikeitools%2Faudit.pdf#search='%E7%9B%A3%E4%BA%8B%E7%9B%A3%E6%9F%BB%E3%81%AE%E3%83%81%E3%82%A7%E3%83%83%E3%82%AF%E3%83%AA%E3%82%B9%E3%83%88'

 このチェックリストは監事監査をある程度網羅的に記載されていますので、この中から自分がこれと思うものを実施すればよいのです。もちろん、時間のある方は、すべてやっていただいて結構です(笑)。他の非営利法人でも多かれ少なかれこうしたチェックリストはあるはずです。

Bチェックリストにある事項を掘り下げる

 このチェックリストを実際にやろうとすると、結構、大変なことがわかります。ある程度監査の知識や情報、さらには経験がないとチェックリストの項目をこなせないと思います。重要なことはそうした項目を完璧に実施するのではなく、できるところからやるということです。

 監査の専門家ならともかく、そうでなければ実際のところ、このチェックリストをすべてこなすには現実的には無理があります。そうではなく、自分が大事だと思う事項をとにかくやってみる。そのうえで、少しずつ監査の項目を増やしていけばよいのです。

 だれでも最初から完璧にできる人はいません。ただ、やる以上は中途半端にしないことが肝心です。わからなければ、自分で調べる、人に聞く、研修会に参加する、方法はいくらでもあります。自分なりのやり方でどんどん深堀をして行けばよいのです。

 監事として果たすべきマインドさえあれば、それで十分です。そのマインドを持って、できるところから、自信を持って監査をしましょう。その姿勢があればきっとできると確信しています。その意味で監事さんにエールを送りたいと思います。






監事監査の留意点(4)[2016年07月15日(Fri)]
2016年7月15日(金)

 おはようございます。昨日は大学の士業の集まりで勉強会に行ってきました。専門家の責任問題を研究するのがテーマでした。専門家はその道のプロですから、あってはならないのですが、いろいろな要因でミスをしたり、依頼者の求めるものとは異なる結果が出たことにより、専門家責任を負うケースも出てきます。

 こうした場合、訴訟案件になることもあり、お互い納得がいかない場合は最高裁まで争うことも珍しくありません。その根っこのところを探ってみると、コミニュケーション不足であったり、認識のずれであったり、ちょっとした双方の理解不足が原因になっていることも少なくありません。

 専門家として、平易に相手にわかりやすく伝えること、そうした積み重ねが大事であることをあらためて思い知りました。このブログも、小難しいことを言っているのではないかと自省している次第です。今日も元気で行きましょう。

(要旨)
@監事は監査の情報をどこで仕入れている?
A監事も積極的に研修に行こう
B監事の専門性を追求することに終わりはない


 さて、本日のテーマは「監事監査の留意点(4)」です。前回、監事は理事会等に出て第3者の視点で発言し、決算監査では必ず現預金のチェックをするとともに、団体内の情報収集に努めることをお伝えしました。今回は、監事監査の研修についてのお話をしたいと思います。

@監事は監査の情報をどこで仕入れている? 

 監事はその専門性を発揮して、監事の仕事を全うしなければなりません。もともと専門性がある監事はその素養は持っていますが、監査をあまりしたことがない方が監事になることも珍しくありません。

 たとえば、同業の理事さんがお互いの法人の監事になったり、取引先や業界団体の役員をしている方が頼まれて監事になっていることがあると思います。そのような方でも、監査のご経験があれば良いのですが、そうでない方もいらっしゃいます。

 そうした監査のバックボーンがない方は、どこで監査の情報を仕入れば良いのでしょうか。先輩の監事から教えてもらうこともあるでしょう。過去の監査資料がありますので、それを眺めて大体どんなことをするかを把握することもあります。

A監事も積極的に研修に行こう

 それ以外にも、書籍を買ってきて勉強することもあります。ここでは、それに加えて研修に参加することをお勧めしたいと思います。巷には、監事に監査に関わる研修会は探せばいくらでもあります。

 民間の研修企業が行っている研修会に参加するとか、法人が加盟している上部団体の研修会に参加することもあります。研修内容もガバナンス法務や会計、監査は言うに及ばず、ITやセキュリティなど多岐に渡ります。

 あるいは、法人が普段お付き合いしている団体の監事が集まって、自ら監査の事例研修などをすることも可能です。この辺は、監事が研修することについて積極的な団体であれば、いろいろなルートで研修する機会を逃さないということが言えます。

B監事の専門性を追求することに終わりはない

 このように、監事になったらすることはいっぱいあります。それに対して監事の役割を果たすには、それ相応の情報を収集する必要があるということをあらためて強調したいと思います。単に理事会に出るだけが監事の仕事ではありません。

 対内的にも対外的にも、自ら情報を取りにいかないと取り残されてしまいます。知らなかったら聞けばよいのです。どこからでも情報を仕入れてくれば良いのです。そして、少しずつでも良いから、監査の専門性を付けていく努力をする。

 こうした積み重ねが監事監査の仕事のレベルが上がっていきます。自ら仕入れた情報を駆使して、監査をすることができます。ひいては、法人の事業活動のレベルを上げることに繋がります。

 監事がしっかり仕事をすれば、法人の活動が適切に行われるようけん制機能が働きますので、監査を通じて法人が向かう方向性を確認することができます。

 監事が法人に果たす役割はとても重要です。そのためには、監事が普段から終わりのない専門性を追求し、法人に貢献することを願ってやみません。
監事監査の留意点(3)[2016年07月08日(Fri)]
2016年7月8日(金)

 おはようございます。昨日は夏風邪ですべての業務をキャンセルして、終日、自宅にいました。今朝は少し眠れたのですが、その分、寝坊しをしてしまい、まだ、ぼーっとしています。本日は、もともと溜まった報告書の作成等で自宅での作業でしたので、この2日間で何とか回復できればと思います。
 
 この週末は、最近では珍しく発生が遅い台風の影響のせいか、大雨の予報が出てきそうです。大きな問題にならなければよいのですが、反面、水不足の声も聞こえてきます。ダムにまとまった雨が降ってほしい関係者も多く、雨乞いまでしているニュースもやっていました。

 関わる関係者により、一つも事象も評価が変わる。そんなことをぼんやり考えながらの始動となりました。今日も少しは元気で行きましょう。

(要旨)
@監事は理事会等に出て第3者の視点で発言すべし
A決算監査では必ず現預金のチェックをすべし
B団体内の情報収集に努めるべし


 さて、本日のテーマは「監事監査の留意点(3)」です。前回、非営利法人の監事監査の種類は会計監査と業務監査であり、実際には法人によっては会計監査が業務監査を兼ねていたり、諸般の事情で監査に時間が掛けられていない実情をお伝えしました。今回は、監事監査で重点的にすべき事項についてのお話をしたいと思います。

@監事は理事会等に出て第3者の視点で発言すべし

 監事監査の重要な監査業務に理事会等への出席があります。この出席というのは当然のことですが、単に出席するのではなく、そこで第3者の立場で意見や質問をすることが求められます。ガバナンスの一つですね。執行機関である理事や理事会へのチェック機能を果たすには、こうした外部の目の視点がとても重要です。

 この監事に求められるガバナンス機能をいかんなく発揮すればよいのですが、実際のところはいかがでしょうか。誤解を恐れずに言えば、理事会等への出席をしても話を聞いているだけ、はたまた忙しさにかまけて理事会等への出席は年1回の決算理事会のみとなっているケースもあるかもしれません。

 そのような姿勢であれば、本来の監事の役割を果たしていないと言われても仕方がありません。もちろん、いろいろな事情で理事会等への出席ができない場合もあります。その時でも、理事会等での議論がどんなことがされ、何が問題となったか、議事録等で情報収集することは可能です。

 肝心なことは、監事として意見や質問をすることです。それが良い意味での役員間の緊張関係を維持することができます。しっかりと理事たちの活動を見ていますよというアナウンスを監事自らが行う必要があります。

A決算監査では必ず現預金のチェックをすべし

 これは、どの監事もさすがに実施していると思います。ですが、どこまで実施していますでしょうか。担当者から決算説明を聞いていくつかヒアリングしているだけということはありませんでしょうか。

 もちろん、決算に際していろいろな角度から質問することはとても重要です。それにより、その年度の会計とそれに関わる業務についてある程度監査することができます。それに加えて、必ずしなければならない手続があります。

 それは、現預金を帳簿と外部の資料との照合です。現金であれば、現金実査表、預金であれば、銀行の残高証明や通帳との照合です。これは、監事として最低限実施しなければならない必須の手続です。

 過去の事件から、この手続を実施していれば防げたであろう不正事件がいまだに時々出ています。比較的小さな団体で、出納や経理事務を1人の人が実施している場合、どうしても誰もチェックしていないが故に、こうした問題が発生しやすいです。

 もし、そのようなことが行われていても、監事の監査でこれをしっかりやっていれば、ある程度は防げます。もちろん、相手が巧妙に残高証明等を偽造などすれば発見は遅れるかもしれませんが、それでもチェックされるということで抑止力にはなります。

B団体内の情報収集に努めるべし

 監事は、そんなに団体との接点がありません。せいぜい、理事会等に出席したり、年に数回、監査で伺う程度です。そうすると、どうしても団体との接点が少ないので、団体の情報に疎くなりがちです。

 当然ですよね。そもそも団体に行かないのですから。それを補うためには、フォーマル・インフォーマルな機会を活用して団体内の情報収集に努めることが求められます。その中で、いろいろな気づきがあるでしょうし、実際に監査に際してヒントになることがあるでしょう。

 情報は待っていても来ませんから、自ら取りに行く工夫が必要です。法人でもそうした監事が動けるための各種情報を積極的に提供することが必要です。この辺は、お互い様ですから、双方の姿勢がとても重要です。

 この辺は、いつも言っている監査に対してそれに関わる関係者の意識の問題ですから、スルーするのもそこに目が留まるのも関係者次第です。できれば、後者であって欲しいと切に願うばかりです。
監事監査の留意点(2)[2016年07月01日(Fri)]
2016年7月1日(金)
 おはようございます。昨日で1年の半分は終了しました。本日からもうすでに後半戦ですね。最近は、小説を読まなくなって久しいのですが、何故か新聞小説だけは読んでいます。もうかなりの筋金入りの新聞小説の読者です(笑)。
 
 その新聞小説で、昨日まで日経新聞に掲載されていたのが宮部みゆき氏作の「迷いの旅籠」です。江戸時代の神田にある袋物屋の三島屋の主人公のおちかさんが、一度に一人の語り手を客間に招き入れ、不思議な話や恐ろしい話を聞き出す物語です。

 宮部みゆき氏が4つの不思議怪奇の物語をオムニバス方式で江戸時代の庶民の生活を丁寧に描いており、奇妙ながらも人間心理を突いたストーリーで、読後の余韻が残った良い作品でした。以前に読んだ「火車」と同じ、最後の結末を読者に予想させる手法は、さすが宮部氏と思わせる良質な作品に仕上がっていました。今日も元気で行きましょう。

(要旨)
@監事監査の種類は会計監査と業務監査
A会計監査が業務監査を兼ねている
B監事監査に求められる機能と役割の再認識


 さて、本日のテーマは「監事監査の留意点(2)」です。前回、非営利法人の監事になる人は専門的な能力を持っていても、なかなか監事の役割を果たすインフラが整備されていない現状についてお伝えしました。今回は、監事監査の種類についてのお話をしたいと思います。

@監事監査の種類は会計監査と業務監査

 非営利法人の監事は、主にどんな監査をしているのでしょうか。監査の種類としては、会計監査と業務監査があります。主に行う監査は会計監査で、通常は年次決算の監査です。法人が作成する年次決算書全般について、正確に作成され間違った決算書になっていないかをチェックします。

 業務監査は、主に法人の理事が執行する業務について、法令等に準拠しており、違法な行為をしていないか、効率的な業務を実施しているかをチェックします。そのためには、理事会等に同席し、必要に応じて監事としての意見を言うこともできます。

 監事はこの会計監査と業務監査の両方をする必要がありますが、実際には会計監査をメインにすることが多くなっています。これは、監事の実働が実質的には1年に数日という実態があるため、どうしても限られた時間で監査をするには、決算書のチェックが優先されるからです。

A会計監査が業務監査を兼ねている

 そうだとしても、まったく監事が業務監査をしていないわけではありません。監事の実働にもよりますが、年数回開催される理事会には監事が出席することは多いですし、会計監査の際に、理事の法令等への違反の有無をチェックすることは普通に実施されています。

 実際のところ、年次決算の会計監査の際に、業務監査を兼ねて実施しているというのが実態ではないでしょうか。監事の報酬を考えると、それくらいの分量で手一杯というところでしょう。

 それ以上のものを監事に求めることは、ひょっとしたら酷なことかもしれません。本来実施すべき監事監査の質量では、限界があるということが言えると思います。

B監事監査に求められる機能と役割の再認識

 このように、監事監査にも一定の限界がある中で、監事はどこまで監査を行えばよいのでしょうか。誤解を恐れずに言えば、もっと監事に監査の時間を増やす機会を持つことに専念しましょうということです。

 そのためには、監事が動きやすい実施体制を法人のトップが用意する必要があります。たとえば、監事監査にもっと内部の人を付ける、監査の役割分担を行うために複数の監事を選任するなどが考えられます。

 それをすることでコストがかかり過ぎるということになれば、実現困難になってしまいます。法人によりそうした対応は様々だと思いますが、少なくとも監事監査の重要性を認識すれば、限られた人員の中でもできることはあるはずです。

 この辺は、前回にもお伝えしたように、法人のトップ次第です。監査の重要性を考えたうえで、優先順位を付けた対応をしてほしいと思います。

 
 
 
監事監査の留意点(1)[2016年06月24日(Fri)]
2016年6月24日(金)
 おはようございます。昨日は、会計士協会の総会に行ってきました。と言っても、業務の関係で終盤からのちょこっと参加でした(笑)。最近は毎年、リッツカールトンのホテルでやってます。
 
 リッツカールトンのホテルに行かれた方はご存知だと思いますが、ホテルのポリシーで、部屋の案内がありません。ですので、トイレを探すのも一苦労です。何度も行っているので、わかっているはずなのに、迷路に入ったがごとく迷ってしまいますね。今日も元気で行きましょう。

(要旨)
@監事にはどんな人がなっている?
A監事になる人は専門的な能力を発揮している?
B監事の役割を果たすインフラを考える


 さて、本日のテーマは「監事監査の留意点(1)」です。前回まで、自治体の現状や特性を踏まえた内部統制の評価とリスクについてお伝えしました。今回から、非営利法人の監事監査の留意点についてのお話をしたいと思います。

@監事にはどんな人がなっている?

 民間企業は監査役と言い、非営利法人の場合は監事と言います。呼び名は違いますが、業務は同じです。理事会に主席して理事長や理事の執行について監視をし、法人の運営について業務監査と会計監査をします。

 監事は、総会で選任されます。選任の際には法人で監事候補を上程します。その監事はどんな人が選任されていますでしょうか。弁護士、会計士、税理士などの職業専門家もいれば、他の法人の理事など業務の関係先での役員もいれば、内部の職員から監事になる人もいるでしょう。

 大別すれば、外部の方が、内部昇格の方よりも多いと思います。多分、どこかに統計上のデータがあったように思いますが、そんなに外れてはいないでしょう。

A監事になる人は専門的な能力を発揮している?

 監事の業務は、まさに法人の運営の監視役ですから、誰でも良いという訳には行きません。監査をする専門的な能力と資質が求められます。特に、最近ではガバナンス強化が言われており、監事の権限と責任は大きく、かつ、重たくなっています。

 残念ながら、法人の不正や法令違反の行為が増加しており、その時監事は何をしていたと言われることが増えています。とは言うものの、いろいろな要因があって、監事が持っている専門的な能力を発揮しているとは言い難い状況があります。

 たとえば、監事が監査を行う日数です。非営利法人と言っても様々です。大規模法人もあれば、本当にこじんまりした法人までいろいろです。この監事が年間どれくらいの日数をかけて監査をしているかというと、理事会の出席は別にしても、年次決算の監査で1日という法人が多いのではないでしょうか。

 もちろん、大規模法人だと監事も複数いて、業務分担も行い、担当職員もつけて本格的な監査をしている法人もあるでしょう。ですが、そうした法人はほんの一握りで、そこそこの規模の法人でも、経済的な理由で1人の監事が年間1日監査というところが多いと思います。

B監事の役割を果たすインフラを考える

 このように、監事が専門的な能力を持っていたとしても、それを発揮するインフラが整っていないと、なかなか監事監査の実効性が上がってこないリスクがあります。

 監事が専門的な能力を発揮するインフラとしては、経済的な報酬であったり、実施体制であったり、そして監事の専門的な能力そのものであったりします。こうしたインフラをどう考えるのかは、つまるところ法人トップの考え方によるところが大きいと思います。

 法人のガバナンスをどう考えるのか、監事の役割は何か、監事にふさわしい人が身近な所にいるかなど、いくつかのポイントを探っていくと、法人の抱える制約条件の中で、その答えはある程度出てくるように思います。

 監事が果たす役割は大きいです。それを活かすも活かさないも法人次第です。自団体の監事がこうした役割を発揮できる状況にあるかについて、一度確認されてみてはいかがでしょうか。次週に続きます。
 

 
内部統制の評価(4)[2016年06月17日(Fri)]
2016年6月17日(金)
 おはようございます。昨日はうれしいニュースがありました。マーリンズのイチローが日米通算安打でピート・ローズの持つメジャー歴代最多安打記録(4256本)を上回ったというものです。

 イチローのことは全く野球を知らない人でも、名前くらいは聞いたことがあるのではないでしょうか。42歳にして若手と引けをとらないプレーぶりにエールを送る人は多いと思います。イチローの凄いところは、その強靭なルーティンにあると見ています。日常の所作と練習をこれでもかというくらいに反復する、それを徹底できるところがイチローたる所以でしょう。

 気の遠くなるような1本1本の積み重ねがここまで来た大きな原動力になっています。こうしたイチローの取り組みは、いろいろな所で見本となります。ちりも積もれば山となる。これをどこまで徹底できるか、イチローの足元にも及びませんが、これを見本に精進したいと思います。今日も元気で行きましょう。

(要旨)
@監査計画策定時におけるリスク評価
A予備調査での情報収集でほぼ決まる
Bリスクの仕分けがリスク評価となる

 さて、本日のテーマは「内部統制の評価(4)」です。前回は、自治体の現状や特性を踏まえた内部統制を評価する際には、自治体固有のリスクの中で、リスクの質的重要性を重視した評価をする必要性についてお伝えしました。今回は、どういう局面でリスク評価をするか話をします。

@監査計画策定時におけるリスク評価

 自治体の現状や特性を踏まえた内部統制のリスク評価は、通常、監査計画策定時に行います。すなわち、監査に際しては、必ず監査計画を策定します。監査を始める前にどこを監査の対象とし、何を重点的に監査をするのかについて、計画を作成するのです。

 その監査計画策定時に内部統制のリスク評価をします。以前、お伝えしたリスク・アプローチを思い出してください。監査を効果的効率的に実施する手法として、リスク・アプローチの手法を取り入れます。

 もちろん、監査計画策定時においてもリスク・アプローチの手法に基づき、どこの部門にどんなリスクがあるかを効率的に洗い出し、そのリスクに優先順位を付けてリスク評価をすることになります。

A予備調査での情報収集でほぼ決まる

 内部統制のリスク評価をする際には、事前の準備として予備調査を行います。すなわち、監査対象部門について、いろいろな角度から、どこにどんなリスクが潜んでいるかの情報収集を行うのです。

 たとえば、過去の監査結果等、新聞やメディアによる報道や議会の質疑などの確認の他、必要に応じて問い合わせをしたり、現場に足を運ぶなど、いろいろな方面からどんなリスクが想定されるかを調査します。

 この情報収集した中から、こういう問題がありそうだと一定の仮説を立て、それに対応したリスクを評価し、優先順位付けします。監査対象部門のリスクは多岐に渡るため、こうした辺りを付けるための予備調査がすごく大事です。これにどれだけ時間をかけるかでほぼ決まってしまいます。

Bリスクの仕分けがリスク評価となる

 予備調査の結果として、リスクが洗い出され、それを評価することになります。リスクの発生頻度(低〜高)や影響度(少〜大)を勘案して、重要なリスクとそれ以外のリスクに区分するのです。

 このリスク評価を通じて、重要なリスクのあるものを重点的に監査し、それ以外のリスクは、その次に監査をする計画を作成します。ここでも、重要性の原則を適用することになります。

 このリスク評価に関しては、どうしても主観が入ります。できるだけ客観的にするに越したことはないのですが、まずはリスク評価することを日常の監査に取り入れることの方が大事です。ですが、こうした対応を必ずしもできていない自治体が多いのではないでしょうか。

 こうしたリスク・アプローチに基づく内部統制のリスク評価は、ある程度監査に対する専門性が求められますが、できないわけではありません。肝心なことは、こうした対応を組織的にするのだという方針を決定することです。後は、いつも言っているように方法論です。やるかやらないか、最後は組織の覚悟のほどが問われているのだと思います。

内部統制の評価(3)[2016年06月10日(Fri)]
2016年6月10日(金)
 おはようございます。昨日は1日こもって今週の大学の講義の資料をしこしこと作成していました。今回は新しいテーマでの講義なので、これまでのストックを使うことがほとんどできません。ですので、最初から情報収集して構成を考えてと、楽しい反面、時間に追われています。また、こういう時に限って他の要件が発生したり、少し時間があることをいいことにロスが生じたりと思うように行きません。日が替わる加減でようやく原稿が出来ました。反省。今日も元気で行きましょう。

(要旨)
@自治体の現状を踏まえた内部統制の評価とは?
A内部統制におけるリスク評価と重要性の原則について
B内部統制におけるリスクの質的重要性を重視した評価

 さて、本日のテーマは「内部統制の評価(3)」です。前回は、リスク・アプローチの考え方に基づく自治体の監査をする際に、内部統制の現状についてお伝えしました。今回は、いよいよ自治体における内部統制とリスクの評価の話をします。

@自治体の現状を踏まえた内部統制の評価とは?

 組織に内部統制がある以上、それがしっかり整備され、有効に機能しているかを点検するのは組織自身が行うものです。自治体も例外ではありません。前回の静岡市などのように、自治体自らが内部統制を評価する仕組みを持つのが本則です。

 ですが、現状はそうなっていません。むしろ、自らの内部統制を自己点検評価する仕組みを持つ自治体はマレです。

 本来であれば、自治体が内部統制の一環として行うリスク評価の実施状況を評価し、よりリスクの高い項目に焦点を当てた監査を実施すべきです。そうすることにより、監査の実効性が上がるからです。

 実際にはそうなってない以上、当面は監査する側が実施するしかありません。そして監査の結果として、内部統制の評価を実施すべきと言い続けなければなりません。よって、自治体の現状を踏まえた内部統制の評価をどうするかに焦点は移ります。

A内部統制におけるリスク評価と重要性の原則について

 以前、リスク・アプローチの手法について重要性の原則のお話をしました。リスク評価についても、当然にこの重要性の原則を適用することになります。
https://blog.canpan.info/kin-cpa/daily/201604/29
https://blog.canpan.info/kin-cpa/daily/201605/06
https://blog.canpan.info/kin-cpa/daily/201605/13

 自治体の現状を踏まえた内部統制の評価する際には、このリスク評価がベースになります。自治体をめぐるリスクは、事務事業が広範囲にわたるだけに、本当に様々なリスクがあります。これらのリスクに対して、内部統制でしっかり対応することが求められます。

B内部統制におけるリスクの質的重要性を重視した評価

 その際、留意すべきは自治体固有のリスクです。自治体の信用を失墜させかねないリスク、住民サービスの提供に関わるリスクなど、リスクの質的重要性を重視します。

 たとえば、事務処理ミス、個人情報の漏えい、職員による不祥事件、住民に対する情報提供の不備、利害関係者への不適切な関与などは、リスクの金額的重要性より質的重要性が高いです。公金を扱う役所への目が厳しいからです。

 自治体の事務事業の特性を踏まえて、リスクの質的重要性を重視した評価をする必要があります。もちろん、金額的重要性も考慮します。この辺はバランス感覚ですので、実際にはリスクの質的重要性と金額的重要性を勘案します。

 これにより、リスクを重要性のあるものとそれ以外に区分することになり、効率的効果的な監査をするリスク・アプローチを支える拠り所となります。では、どういう局面でリスク評価をするのでしょうか。次週に続きます。


 
内部統制の評価(2)[2016年06月03日(Fri)]
2016年6月3日(金)
 おはようございます。昨日はあるNPO法人の理事会評議員会に参加してきました。主な議題は総会にかける項目で、2016年度の事業計画が中心でした。毎年実施している事業の中にも、新たな取り組みがあり、少しでも良くしていこうという関係者の熱い議論がされていました。今月は、こうした総会対応の理事会等があちこちで行われていることでしょうね。今日も元気で行きましょう。

(要旨)
@自治体における内部統制とは?
A自治体における内部統制の壁その1
B自治体における内部統制の壁その2

 さて、本日のテーマは「内部統制の評価(2)」です。前回まで、リスク・アプローチの考え方に基づく自治体や非営利法人の監査をする際に、内部統制の位置付けや目的などについてお伝えしました。今回は、自治体における内部統制の話をします。

@自治体における内部統制とは?

 前回、組織で活動する以上、必ず内部統制はあると言いました。そう、複数の人が一つの業務をする瞬間に、内部統制ができます。そうしないと業務が進まないからです。これを自治体に当てはめた場合、どうなるのでしょうか。

 自治体の場合にも当然に内部統制があります。管理者の決裁承認、事務分掌など、自治体の内部統制はすでに組織の中に組み込まれています。

 実際のところ、法令等の世界で業務を行うため、がんじがらめの感がなくはありません。ですが、結構いろいろな自治体で不正事件や事故が起こっていますよね。何か変な感じがします。

 これは自治体の特性から来ます。もちろん、業務を適切に執行するための内部統制がありますので、それを自ら評価し、どこにリスクがあるかを確認する必要があります。ですが、いくつかの要因で、その評価が思いのほかできていないことが多いです。

A自治体における内部統制の壁その1

 一つには、性善説です。自治体職員は法令等の世界で業務を行うため、間違ったことはするはずがないという盲信です。そんなはずないですよね。自治体職員もいろんな人がいます。大多数の職員はまじめで業務を行っていますが、もし、ざるなチェック体制があるとすれば、その気になることだってあるかもしれません。

 次に、内部統制に対する意識です。これは、誤解を恐れずに言えば、法令等の世界で動く首長をはじめとする役職員のリスクに対する理解と意識が進んでいないことがあります。内部統制って、ある意味空気みたいなものですから、法令等の世界で動いてさえいれば、あってもなくても業務は進むという感覚があるのでしょうか。

 それから、縦割りの弊害です。民間企業でも組織における縦割りの弊害はありますが、自治体ほどではないですね。いわゆるセクショナリズムが強いので、横で大変そうにしている部門や人がいても、我関せずというのは案外、まだまだ残っているのではないでしょうか。

B自治体における内部統制の壁その2

 さらに、部局間の連携が不十分で、責任の役割分担と所在があいまいなところが多いです。よく言われるのには、大きなプロジェクトの事業に失敗しても、誰も責任を取らないなんてことはよくあります(自治体の人見ていたら、ごめんなさい)。

 自治体の場合、事業の数が半端ではないほど多いですし、利害関係者も広範囲です。住民は言うに及ばず、民間企業、金融機関、同じ自治体等の公的機関など様々です。こうした利害関係者が多いという自治体の特性により、自治体を取り巻くリスクも多いということです。

 この点、自治体の中でも積極的に内部統制におけるリスクを評価して、業務を効果的効率的に進めようとするところもあります。たとえば、静岡市は全庁的に内部統制の整備に取組み、リスクチェックシート等の活用によりリスクマネジメントを実施しています。

 こうした自治体の特性を踏まえた内部統制をどのように評価し、監査を進めて行けばよいのでしょうか。次週に続きます。

 

 
内部統制の評価(1)[2016年05月27日(Fri)]
2016年5月27日(金)
 おはようございます。今朝は暑さでいつもより早く目が覚めました。少しボーっとしています。昨日は、ある法人の理事長と仕事の関係でお話をしてきました。経営管理や監査の位置付けについてディスカッションしたのですが、民間出身の方なので、話が噛みあいポンポンと響くように、段取りを決めることができました。やはり、同じ目線の方と仕事をするのは楽しいものですね。今日も元気で行きましょう。

(要旨)
@内部統制って何?
A内部統制をどの程度機能させるかは法人の姿勢による
B内部統制の目的にはどんなことがある?

 さて、本日のテーマは「内部統制の評価(1)」です。前回まで、リスク・アプローチの考え方に基づく自治体や非営利法人の監査をする際には、リスク評価には内部統制と密接な関係があることをお伝えしました。今回から、しばらく内部統制の話をします。

@内部統制って何?

 内部統制って、そもそも何のことでしょうか?小難しい定義は別として平たく言うと、法人の活動が上手く流れるようにするための組織体制、守るべきルールや手続を示したものであり、それに基づいて管理する仕組みのことを言います。

 組織として活動するのに、組織の一員が勝手にばらばらな動き方をすれば、当然に効率は悪くなります。また、その人の実施したことを誰かが確認していないとヌケモレが生じやすくなります。さらには、一人に業務が集中しすぎると、誰も見ていないので不正が起こりやすくなります。

 このような弊害を未然に防ぎ、法人として業務が円滑に進むようにするための仕組みが内部統制です。組織で活動する以上、必ず内部統制はあります。それは一人で業務をするには限界があり、他の人と一緒に仕事をするには、こうしたルールが必要になるからです。

A内部統制をどの程度機能させるかは法人の姿勢による

 では、この内部統制があるとしても、みなさんの団体ではどの程度機能しているでしょうか。昨日のニュースで、どこかのタクシー会社の元経理部長が2億円ほど会社のお金の使い込みをした事件がありました。

 これって、何故起きたのでしょうか。詳細はわかりませんが、経理事務を一人ですべてやっていて、誰もチェックする人がいなかったようです。最初はきちんと処理していたはずですが、誰も見ていないことを受けて魔が差したでしょうか。

 もし、この会社にある程度のチェックのシステムがあり、誰かの確認を受けていれば簡単には使い込みはできなかったと思います。ですが、その人を信用していたと思いますが、それに安心してチェックを怠ったと言えなくもありません。

 この辺は、法人により様々だと思います。少人数の組織と大人数の組織ではその意識も違うことは容易に想像できます。ですが、複数の人が業務をする瞬間に、最低限のチェックする仕組みは必要です。それをどの程度行うかは、法人の姿勢の問題と言えるかもしれません。

B内部統制の目的にはどんなことがある?

 では、内部統制を機能させるにはどうすれば良いでしょうか。それを示す前に、内部統制には4つの目的があります。まず、業務の有効性・効率性です。これは業務が法人の事業目的に沿って効率よく回すことが求められます。

 次に、財務報告の信頼性です。事業活動は最終的に法人の決算書に反映されますが、活動結果がきちんと報告され信頼されることが求められます。間違った報告がされないことが必要です。

 その次に、法令等の遵守です。これは、法律等を守れということで、違法なことはダメですよということでわかりやすいと思います。最後に、資産の保全です。法人の活動をするには元手が要りますし、それを資産として管理することが求められます。

 このように、事業活動を効果的効率的に実施するための内部統制には4つの目的があります。この目的を達成する際に、どんなリスクがありどのようにこれを評価していくのでしょうか。次週に続きます。
リスク・アプローチの手法について(5)[2016年05月20日(Fri)]
2016年5月20日(金)
 おはようございます。昨日、サクランボの話をしました。実は、我が家はサクランボ以外にいくつかの花木を植えています。何分、山の麓にある家なので、山の土が花木に合っているのか、放っておいても成長が良く、季節の彩りを演出してくれます。これからさつきの花が咲く時期です。5月に入ればつつじが満開になるのですが、その次に咲くのがさつきです。花は小ぶりなのにピンクの色合いがとても好きな花です。これ以上書くと、花の投稿記事になってしまいますので、これぐらいにしておきます(笑)。今日も元気で行きましょう。

(要旨)
@監査におけるリスクにはいろいろな種類のリスクがある
A監査リスクを評価するとは?
Bリスク評価には内部統制と密接な関係がある

 さて、本日のテーマは「リスク・アプローチの手法について(5)」です。前回、自治体や非営利法人の監査では、監査のあらゆる段階で重要性の原則を適用することをお伝えしました。今回は、どこに問題があるかという当たりを付けるリスクの評価です。

@監査におけるリスクにはいろいろな種類のリスクがある

 監査におけるリスクとは、平たく言うと監査をミスってしまうリスクを言います。財務諸表が意図的に表示(虚偽の表示)されているのにそれをそのまま認めてしまったり、自治体や非営利法人の事業が適切に実施されていないのにそれを指摘できないリスクです。

 この監査リスクは、いくつかに区分されます。まず、固有のリスクです。これは、監査対象それ自体にある固有のリスクです。

 たとえば、財務諸表監査で言えば、売上はいろいろ操作しやすいという意味で、固有のリスクがあります。自治体や非営利法人の監査では、その事務事業自体が持つ独自のリスクです。少しわかりにくいかもしれませんが、要は監査をする科目や事業にもともとあるリスクを言います。

 次に、統制リスクです。これは、財務諸表の虚偽表示や自治体や非営利法人の違法な事業の実施を内部のチェック(内部統制)で防げないリスクです。組織で業務を行う以上、何らかのチェックやけん制の仕組みがあり、これを内部統制と言います。

 この内部統制が効いていないリスクのことを言います。たまに、トップの暴走で会社がダメになること事件を見かけますが、こうした事例は内部統制が効いていない典型例ですね。

最後に、発見リスクです。これは、監査する人が一定の手続きを実施しても財務諸表の虚偽表示や自治体や非営利法人の違法な事業の実施を見逃すリスクです。監査にも限界があり、たとえ、しっかり監査しても間違った方向になるかも知れないリスクがあることを示しています。

A監査リスクを評価するとは?

 監査人は、こうした監査リスクをできるだけ低くして、監査を実施しなければなりません。最終的には監査をミスってしまうと監査の信頼性が欠けることになるため、限られた監査資源で監査をするには、リスク・アプローチの考え方に基づく必要があります。

 その場合、これらのリスクを評価して、監査を行います。監査リスクは固有のリスク、統制リスク、発見リスクの掛け算で表示されますので、この固有のリスク、統制リスクを評価して、発見リスクの大きさでそれに見合う監査手続をすることになります。

 すこし、難しいかもしれませんね。この辺は監査の理屈の世界ですので、ご放念していただいても結構です。自分でもなかなか上手く説明していないと思います。

Bリスク評価には内部統制と密接な関係がある

 リスク評価をする際には、この内部統制と密接な関係があります。内部統制がしっかり効いている組織とそうでない組織では、リスクの評価がガラッと変わります。

 すなわち、内部統制がしっかり効いていると、固有のリスクがある程度あっても統制リスクは小さくなり、発見リスクも小さくなるので、多くの手続きをしなくて済みます。

 逆に、内部統制がしっかり効いていないと、統制リスクは大きくなりますので、発見リスクも大きくなり、これを下げるために多くの手続きをしなければなりません。

 このため、内部統制がどの程度有効であるかを評価することはとても重要です。では、どのようにして内部統制を評価していくのでしょうか。次週以降では、自治体や非営利法人の監査の現場において、内部統制の評価を見ていくことにします。
 
 
リスク・アプローチの手法について(4)[2016年05月13日(Fri)]
2016年5月13日(金)
 おはようございます。今朝も良い天気です。昨日は、夏日になったところも多かったのではないでしょうか。さて、先日、成年後見の研修で認知症のお話を聞く機会がありました。認知症の方の実情と家族や施設の対応について、知ることができました。そこでわかったことは、認知症の特徴を踏まえて対応すべしということです。たとえば、食べたことを忘れてすぐに飲食を要求する過食症については、その要求に応じても問題なく、むしろそれすらも要求せず、寝たきりになった方が家族は大変ということです。これについては、別の機会でお話ししたいと思います。今日も元気で行きましょう。

(要旨)
@まずは監査計画において重要性の原則を適用する
A次に監査の実施段階で重要性の原則を適用する
B最後に監査報告段階で重要性の原則を適用する

 さて、本日のテーマは「リスク・アプローチの手法について(4)」です。前回、リスク・アプローチの手法として、自治体や非営利法人の特性を勘案した重要性の原則を適用する必要があることをお伝えしました。今回は、どういう局面で重要性の原則を適用するかです。

@まずは監査計画において重要性の原則を適用する

 最初に監査計画を策定します。監査計画とは、その年度初めに今年は何を重点においたテーマを設定し、どこを監査対象にするかの計画を考えます。そして監査の日程や項目を作成します。監査の事業計画みたいなものですね。

 すでにお伝えしたように、自治体や非営利法人の監査の範囲は会計監査だけでなく、業務監査も含むため広範囲です。このため、限られたリソースで監査を効率的効果的に進めるためには、やみくもに行ってもダメです。そう、監査にも当然に戦略がすごく重要になるのです。

 そこで、重要性の原則の登場です。広範囲な監査対象の中から絞り込みを行う際に、過去の監査結果や最近の情勢などと併せて、どこに問題(リスク)がありそうかという当たりを付けるのに金額的重要性や質的重要性を勘案して、監査対象を考えます。

 一定の監査結果を出すのに、この当たりを付ける前段の計画がとても重要です。つまり、この辺に問題(リスク)がありそうだということを確認するために、何が重要であるかないかを考え、それを確かめるプロセスを計画に落とし込みます。

A次に監査の実施段階で重要性の原則を適用する

 監査計画ができると、その計画に基づき監査を実施します。その過程で、監査結果を出すためにどんな監査項目に対してどのような監査手続を行うかを決定して行きます。その際にも、重要性の原則を適用します。

 限られた時間で監査をしますので、この辺に問題(リスク)がありそうだという監査項目を優先して監査します。ここで、金額的重要性や質的重要性を勘案して優先順位を決定するのです。たとえば、契約事務を管轄する部署であれば、数多くの契約案件の中から、一定金額以上の案件を抽出します。

 抽出された一定金額以上の案件を集中的に監査することで、そこで大方の契約事務の範囲をカバーすることができます。もちろん、抽出されなかった案件に問題があることもあり得ます。

 しかし、リスク・アプローチの考え方からすれば、ある程度のリスクはやむを得ません。リスクをすべて抽出することは現実的に困難だからです。ただし、そうしたリスクもある程度カバーすることも必要ですが、これについては別の機会にお伝えしたいと思います。

B最後に監査報告段階で重要性の原則を適用する

 監査実施をした後は、監査結果をとりまとめます。この段階でも重要性の原則を適用します。監査結果は案件の大きいものから小さいものまで様々です。

 その中から、今後の対応や監査結果を公表する場合の影響度などについて、やはり金額的重要性や質的重要性を勘案して、監査結果として取り上げるのかどうかの優先順位を決定するのです。

 たとえば、金額的重要性が小さい旅費交通費の誤りでも、そこに不正や意図的な処理がある場合は、これを監査結果として取り上げることがあります。

 以上、重要性の原則を適用する局面は、監査のすべての過程で発生します。監査人は、あらゆる段階でこの重要性の原則の判断を迫られています。そうした適切な判断をするためにも専門的な能力と経験が求められるものと言えます。

 では、この重要性の原則を適用する際に、どこに問題があるかという当たりを付けるリスクをどのように見て行けばよいのでしょうか。次回に続きます。
リスク・アプローチの手法について(3)[2016年05月06日(Fri)]
2016年5月6日(金)
 おはようございます。今朝は昨日までの晴天と打って変って曇り空です。週末は崩れそうな感じです。昨日は神戸のアースデイのイベントに行ってきました。知らなかったのですが、今年で9回目とのことです。知り合いのNPO法人がブースを出しており、古着回収のチャリティーをしていましたので、少しばかり持参しました。すごい人で、主催者の熱気もむんむんで、本当に熱い1日でした。今日も元気で行きましょう。

(要旨)
@自治体や非営利法人の監査における重要性とは
A自治体や非営利法人の監査では質的重要性の方をより重視する
B自治体や非営利法人の特性を勘案した重要性の原則を適用する

 さて、本日のテーマは「リスク・アプローチの手法について(3)」です。前回、リスク・アプローチの手法として、財務諸表監査における重要性の原則についてお伝えしました。金額的重要性と質的重要性について、重要か否かの判断を行う考え方に触れました。

@自治体や非営利法人の監査における重要性とは

 今回は、自治体や非営利法人の監査における重要性について深堀をしていきます。自治体や非営利法人の監査では、監査対象の重点が異なります。自治体では主に監査委員、非営利法人では監事が監査を行います。加えて、非営利法人では一定の要件を満たせば、外部監査として会計監査人の監査もあります。

 どちらも外部監査を除き会計監査と業務監査を行いますが、自治体の場合は業務監査が中心であり、非営利法人では会計監査が中心です。会計監査の場合は、財務諸表をメインに監査しますが、業務監査の場合は事務事業などの業務をメインに監査します。

 したがって、監事が行う会計監査は通常、前回お伝えした財務諸表監査における重要性の原則を適用して、金額的質的に重要な影響を与える科目について監査を行います。

 これに対して、自治体における監査委員の監査は、事務事業などの業務をメインに監査しますので、法令等や経済性・効率性・有効性の観点から、金額的質的に重要な影響を与える事務事業について監査を行います。

A自治体や非営利法人の監査では質的重要性の方をより重視する

 非営利法人でも比重は異なるとはいえ、業務監査もしますので、ここからは共通の問題として取り上げます。自治体や非営利法人の監査では、民間企業の監査と比べて質的重要性の方をより重視するのが実感としてあります。

 何故なら、監査対象としての財務諸表より、事務事業の方がはるかに対象が広く、適用される法令等も段違いに多いからです。このため、監査の守備範囲が膨大になることが通常であり、そこから監査対象のリスクを評価するのに、質的重要性の方を重視することが結構あります。

 また、事務事業の財源として、税金が投入されていることから、金額的重要性がなくても、住民の関心事には一定の配慮が必要となります。たとえば、人件費や旅費交通費に対する支出を監査する際には、手当や交通費の妥当性を見るのにかなり小さな金額でも取り上げることがあります。

 それは、税金で公務員の給料や交通費の支出をしている関係で、わずかな金額の誤りや不当な手当の支出については、住民の厳しい目があるからです。そうするとたとえ数千円でもうっかりミスはもちろん、意図的な不正支出には目を光らせる必要があります。

B自治体や非営利法人の特性を勘案した重要性の原則を適用する

 このように、民間企業の監査とは同じ部分の重要性の原則を適用することがある反面、自治体や非営利法人の特性を勘案した重要性の原則を適用することも検討しなければなりません。この辺は、行政の仕組みや実態を反映したものとなりますので、重要性の原則の適用も応用が必要です。

 民間企業とは異なる自治体や非営利法人の特性は、やはり現場を経験しないとそう簡単には理解と把握はできません。ここが、民間企業の監査にはない重要性の考え方であり、自治体や非営利法人の実態を知らないと思わぬ所で足元をすくわれます。

 逆に、そうした自治体や非営利法人の実情を知ることができれば、いわゆる監査における目利きが出来てきますので、実態を踏まえた監査が可能となります。自治体や非営利法人の監査の難しさでもあり、特性でもあります。

 では、自治体や非営利法人の監査をする際に、どういう局面で重要性の原則を適用するのでしょうか。次回に続きます。
リスク・アプローチの手法について(2)[2016年04月29日(Fri)]
2016年4月29日(金)
 おはようございます。今朝は少し気温が低いですが、天気は良さそうです。近くの小学校のスポーツフェスティバルのお手伝いに行ってきます。全国的には連休に入りましたね。行楽日和でお出かけの方も多いのではないでしょうか。特に予定入れていませんが、家族でご飯を食べに行くことはしようと思っています。今日も元気で行きましょう。

(要旨)
@重要性の原則の適用とは
A金額的重要性とは金額で重要か否かの判断を行う考え方
B質的重要性とは科目や内容で重要か否かの判断を行う考え方

 さて、本日のテーマは「リスク・アプローチの手法について(2)」です。前回、リスク・アプローチとは何かということをお伝えしました。監査の手法として、重要な項目に焦点を当ててしっかりチェックする手法ということをお話ししましたね。今回から、リスク・アプローチの手法を取り入れる際に、関連する事項をいくつかお伝えしたいと思います。

@重要性の原則の適用とは

 財務諸表監査では、重要な科目は詳細に時間をかけて監査をしますが、重要でない科目は簡便な方法でも容認されています。

 元々は、財務諸表を作成する際に、重要な科目は会計のルールで規定される方法で会計処理や表示をしますが、そうでない科目は簡便な処理や表示が容認されるという理屈を監査に応用したものです。

 これを重要性の原則と言います。これは実社会でもいろいろな場面で実際に行っていますので、わかりやすい考え方だと思います。この重要性の原則は、金額的重要性と質的重要性に分かれます。

A金額的重要性とは金額で重要か否かの判断を行う考え方

 財務諸表の作成において、金額的重要性は、文字どおり金額で重要か否かを判断することを言います。前回のトヨタの例で言いますと、売上高20兆円の会社で、1億円くらい売上の計上が間違っていたところで、大勢に影響はありませんよね。

 あるいは、最近、プリウスの新車販売の広告宣伝がネット上でも良く見ます。この広告宣伝費が1000万円くらい多く計上されていてもたいしたことはないですね。

 このように、その会社にとって、いろいろな科目や財務諸表全体にとって、どれくらいの金額が重要性があるかどうかを決めて、財務諸表を作成する際の会計処理や表示を行うことを言います。

 したがって、トヨタの例でもわかりますように、金額的重要性が会社の規模などによって変わります。売上高が10億円の会社であれば、1億円は相当大きい金額ですので、その会社にとっては重要性ありということになります。

B質的重要性とは科目や内容で重要か否かの判断を行う考え方

 一方、財務諸表の作成において、質的重要性は、科目や内容で重要か否かの判断を行う考え方です。たとえば、役員報酬はその会社の役員の人件費ですが、会社の経営を行う役員にどれだけ支払っているかは結構注目度が高いです。

 そうすると金額の多寡に関係なく、この科目が適切に会計処理と表示がされているか、あるいは法律に違反していないかなどを確認することが必須になります。金額が少なくとも、そういう処理をするのは、もし、間違っていたりすると影響が大きいからです。

 このように、質的に重要な影響を与える科目や事象については、必ず適切な対応をするということは重要な考え方です。金額だけでは判断しないということですね。これも、会社にとっての質的重要性ですので、会社によってその内容は変わります。

 以上、財務諸表の作成にかかる重要性について、お伝えしました。これを監査、とりわけ、自治体や非営利法人の監査に際して、どう適用するのでしょうか。次回に続きます。
 

 
リスク・アプローチの手法について(1)[2016年04月22日(Fri)]
2016年4月22日(金)
 おはようございます。今朝は少しどんよりしています。春の天気は変わりやすく、安定しません。天気の良い日が2日と持たないことが多いです。週末はどうでしょうか。さて、監査は全国的にはすでに繁忙期に入っています。上場会社は言うに及ばず、学校法人などの非営利法人も決算を経て監査を受けます。この時期は忙しすぎて体調を崩しやすいので、注意が必要です。今日も元気で行きましょう。

(要旨)
@リスク・アプローチって何?
A精査と試査とは?
Bリスク・アプローチの手法とは重要な項目に焦点を当ててしっかりチェックする手法

 さて、本日のテーマは「リスク・アプローチの手法について(1)」です。前回まで、公監査の活用についてお伝えしてきました。では、実際にどのような監査をしているのでしょうか。ここでは、自分の経験がある監査委員監査を中心にして、しばらくリスク・アプローチの手法についてお伝えしようと思います。少し、テクニック的な話になるかも知れませんが、できるだけ平易にお話しするように努めたいと思います。

@リスク・アプローチって何?

 リスク・アプローチとはいったい何でしょうか。これは、もともと民間企業の財務諸表監査で言われる監査の方法です。小さな会社なら、すべての取引や勘定残高をチェックすることは、それほど難しくありません。あまり時間をかけずに全部を見ることが可能です。

 これが、大きい会社だとどうでしょうか。たとえば、日本を代表するトヨタを想像してみてください。年間売上高20兆円を超えるメガ企業です。トヨタでも、いきなり20兆円になる訳ではありません。日々の何千何百という取引の積み重ねの果てがここまで巨大な金額になるのです。

A精査と試査とは?

 これらの取引を限られた時間ですべて見ることは可能でしょうか。どう考えても物理的に無理ですよね。全部の取引を見るのを監査の用語で精査と言いますが、これに対して一部の取引を見るのを試査と言います。全部の取引を見れない以上、この試査という方法で見るしかありません。

 そこで、この売上高をもう少し細分化していくと、比較的大きな売上を計上している地域とそうでない地域があります。あるいは、車種で見ていくと売上の大きい車種とそうでない車種があります。つまり、重要な地域や車種の売上とそうでないものに区分できます。

 そうすると、比較的大きな売上を計上している地域や売上の大きい車種をチェックして特に問題なければ、それ以外の地域や車種の売上もたぶん大丈夫だろうという推定が働きます。もちろん、まったく何も見ないという訳には行きませんが、それでも限られた人員を重要な項目に監査に充てることができます。

Bリスク・アプローチの手法とは重要な項目に焦点を当ててしっかりチェックする手法

 少し説明が長くなりましたが、リスク・アプローチとは重要な項目にはそれ相応の財務諸表が正しく表示されないというリスクがあるため、たっぷりと人と時間をかけて監査をしますが、重要でない項目にはそれほど人と時間をかけて監査をしなくても良いという監査の手法であることをイメージしていただけると思います。いわば監査にメリハリを付けるということですね。

 財務諸表監査では、財務諸表が適正に表示されているかを証明するものですから、万一、不正や虚偽の表示がされると多くの関係者に損害を与えることになります。これを防ぎ、安心して企業の財務諸表を信用して取引ができるようにするのが監査の役割です。

 このように、監査をする際にリスク・アプローチを適用することによって、大企業でも監査をすることが可能となります。

 財務諸表を作成する際に、どこにどんなリスクがあり、そのリスクを少なくしてその部分は詳細に時間をかけて監査をするリスク・アプローチ手法は、自治体や非営利法人にどのように適用されるのでしょうか。次週以降に続きます。
 
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