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貴法人の安定的な収入財源の優先順位は設定されていますかその2[ 2016年05月19日(Thu)]
2016年5月19日(木)
 おはようございます。今週はずっと良い天気が続きますね。家の庭にサクランボの木があるのですが、だいぶんと実が大きくなり色づいてきています。最初は1メートルぐらいの小さな苗木であったのが、今では5メートル近くあるでしょうか。もう脚立がないと上の方には全く手が届きません。毎年のことですが、目ざとくサクランボの実を見つけた鳥さんのかっこうの餌になっていますよ。今年は少しは残るかな?今日も張り切って元気に行きましょう。

(要旨)
@企業が継続的に寄附をする理由とは?
ANPO法人と企業のwin-winの関係を作るにはどうすれば良いか
BNPO法人と企業との接点を考える

 さて、本日のテーマは「貴法人の安定的な収入財源の優先順位は設定されていますかその2」です。前回、事業型のNPO法人のファンドレイジングで企業のCSRとCRMの可能性をお伝えしました。今回は、企業のCSRとCRMの話をもう少し深堀したいと思います。

@企業が継続的に寄附をする理由とは?

 NPO法人が企業から寄付を継続的に受けることができれば、相当強い資金調達のルートを確保することができます。何と言っても金額が大きいので、本当に財源としては強力になります。ですが、この企業から寄付を受ける仕組みを作るのはそう簡単ではありません。両者の間にwin-winの関係を作る必要があるからです。

 そのためには、両者にメリットがなければなりません。とりわけ企業側に寄付をする理由があり、それを組織として継続的に支出をするインフラを整備することが求められます。

 何故、企業が特定の団体に寄付をするのか、そのメリットは何か、そしてその団体とどんな関係を持つのか、などの環境をしっかりと説明できるようにしておく必要があります。

 言うまでもなく、企業は営利を追求する組織です。その組織が寄附をするのも、最終的には寄附を通じて企業の経営戦略の一環としての位置付けをしなければなりません。これについては、結局、企業の利益のためにするのかという声もあると思います。

 誤解を恐れずに言えば、私はそう考えます。一過性ではなく、企業から継続的に寄附を受けるには、そうした企業戦略に乗っからないと継続できないと思うからです。

ANPO法人と企業のwin-winの関係を作るにはどうすれば良いか

 では、NPO法人が企業から継続的に寄附を受けるにはどうすれば良いのでしょうか。そして、NPO法人と企業のwin-winの関係を作るにはどうすればできるのでしょうか。これの答えをずっと探しています。

 いくつか考えられることがあります。一つは、前回もお伝えした企業の財やサービスとリンクしたCRM(コーズリレーテッドマーケティング)のスキームを作ることです。たとえば、古着を日本全国から集めて海外に輸出する会社があります。

 その会社は、日本で要らなくなった古着を大量に集めてパッケージにし、海外の事業者とタイアップして現地の人々に安い価格で提供する事業です。そこで、現地の貧困の子供たちを支援しているNGOと連携して、収益金の一部から継続的に寄附を受ける仕組みを作っています。

 その会社は、自らの事業を通じて恵まれない子供たちの笑顔を見るために、寄附の形で社会貢献をされています。この場合、日本全国から古着を安価な価格または無償で集めるのに、現地の貧困の子供たちを支援することが一つの誘因となることが想定できます。

 自らの事業として、日本全国から古着を安価な価格または無償で集めることが社会貢献に繋がるということを戦略的に考えれば、それはまさにCRMを実践していることになります。

BNPO法人と企業との接点を考える

 このような企業の戦略と親和性のあるNPO法人またはNGO法人は、自分たちのビジョンミッションの達成に親和性があれば、その企業と積極的に関係を持つことが必要です。そのためには、団体自らの事業と企業との接点を考え、同じ目線で事業を考えることが重要となります。

 企業のCRMと自らの事業とどう関係させるのか、その関係を作るためにどのように企業との接点を持ち、お互いがメリットのある活動ができるのか、企業との窓口を誰にして専担的に業務を行うのか、たくさんのことを考え、実行しなければなりません。

 こうしたことは本当に大変なことであり、企業と同じ土俵で戦うぐらいでないと行けません。企業も組む相手のことをじっくり観察しています。本当にその団体が企業が連携するにふさわしい団体なのか、イコールパートナーとして一緒にやっていける団体なのかの見極めをする必要があります。

 そうすると、団体がそうした企業と組むためには、よほど戦略的に寄附のことを考え、企業からの寄付を受ける仕組みやスキームを提案しなければ上手く行きません。では、どのようにすれば、そうした一連の対応ができるのでしょうか。次週に続きます。
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