事業統合を円滑に進めるためのいくつかのこと[
2016年05月10日(Tue)]
2016年5月10日(火)
おはようございます。今朝も徳島から発信しています。昨日からの雨で、宿泊所は深い霧で周りは何にも見えません。何か別世界に迷い込んだ感じです。なかなかこのような雰囲気は味わえることはないように思います。自然の現象は、人知の及ばないところにあることを思い知らされます。今日も元気で張り切って行きましょう。
(要旨)
@事業統合はすごく気を使う業務であることを忘れてはならない
A関係者の協力を最大限に受けて初めてなし得ることに留意する
B事業統合の目指すゴールを共有する
さて、本日のテーマは「事業統合を円滑に進めるためのいくつかのこと」です。以前、「新規事業、事業連携、事業統合の進め方は」というテーマで、事業連携とは異なる方法としての事業統合の話をさせていただきました。https://blog.canpan.info/kin-cpa/daily/201604/05
本日は、少し毛色の変わった事業統合のことに触れたいと思います。
@事業統合はすごく気を使う業務であることを忘れてはならない
事業統合とは平たく言うと、同じ事業を実施している団体のどちらかに当該事業を継続できない場合に、他の団体に事業を譲渡することを言います。いわゆるM&Aになります。事業統合という言葉自体はそうでもないですが、実際の業務はなかなか難しい作業を強いられます。
まず、心理的なハードルがすごく高いです。そこには統合する側と統合される側があり、統合される側のやむを得ないというあきらめの気持ちと、外からずけずけと入って来られる抵抗感が入り混じっています。
これは、ある意味どうしようもない心理です。そこにはやはり勝ち負けの世界が厳格に存在するからです。他人に自らを委ねなければならないこの屈折した心理は理屈では補いきれないものがあります。
それ故に、統合する側はそうした前提があることを十分承知し、間違っても相手の懐に何の遠慮もなしに入ってくることについて避けなければなりません。そうしないと実際の業務を進めるうえで強烈な反発を受けるリスクが高くなるからです。
A関係者の協力を最大限に受けて初めてなし得ることに留意する
そうであるために、事業統合を進めるには、細心の注意と細かな作業を積み重ねる必要があります。そして多くの関係者の協力を得なければ前に進まないことに留意すべきです。実際には多くの作業が待っています。
たとえば、事業統合に核になる事業ノウハウ、技術などの無形の資産から始まり、人事、労務、財務、システム、取引先など広範囲な事業活動や財産について、一つ一つどのような形で統合を進めていくかを検討することになります。
これが、単に財産の譲渡であれば、モノカネだけの話になるので、比較的簡単に進めることができます。譲渡の範囲が絞られるからです。ですが、事業統合の場合、事業を一体的に譲渡することになるため、ヒトモノカネ情報のすべてを含みます。それだけに与える影響が広範囲になります。
B事業統合の目指すゴールを共有する
それでも、事業統合をするのは、これまで築いてきた事業を継続する手法の一つとして、経済的にも有効な手段になるからです。これにより、積み上げた事業ノウハウや経験を途絶えさせることなく、そこで働く職員の雇用を守り、経済を活性化させる効果をもたらすことが期待されます。
しかしながら、微妙で複雑な問題を抱えやすい業務だけに、上手く行かないこともそれなりにあります。事業統合の失敗ですね。その失敗の要因はいくつか考えられるところですが、やはり最初の心理的な側面と実際の実務を進める際に阻害するものがあるということになります。
これを新規に事業を行うと仮定した場合、どういう手順で事業を進めることになるかを考えるとヒントになるものと思います。多くの関係者の協力を得るために、トップは何を優先するのでしょうか。
それは、関係者に事業統合により何を目指すのか、そのゴールを明らかにし、将来像を明確に伝えることだと思います。そのゴールに向かうとどんな良いことがあるのか、共通のイメージを植え付けることができれば、それに向かって関係者の協力を得やするくなります。
では、どのように進めていくのか、何に留意して、効率的効果的に事業統合という難業に立ち向かえば良いのか。次週に続きます。
おはようございます。今朝も徳島から発信しています。昨日からの雨で、宿泊所は深い霧で周りは何にも見えません。何か別世界に迷い込んだ感じです。なかなかこのような雰囲気は味わえることはないように思います。自然の現象は、人知の及ばないところにあることを思い知らされます。今日も元気で張り切って行きましょう。
(要旨)
@事業統合はすごく気を使う業務であることを忘れてはならない
A関係者の協力を最大限に受けて初めてなし得ることに留意する
B事業統合の目指すゴールを共有する
さて、本日のテーマは「事業統合を円滑に進めるためのいくつかのこと」です。以前、「新規事業、事業連携、事業統合の進め方は」というテーマで、事業連携とは異なる方法としての事業統合の話をさせていただきました。https://blog.canpan.info/kin-cpa/daily/201604/05
本日は、少し毛色の変わった事業統合のことに触れたいと思います。
@事業統合はすごく気を使う業務であることを忘れてはならない
事業統合とは平たく言うと、同じ事業を実施している団体のどちらかに当該事業を継続できない場合に、他の団体に事業を譲渡することを言います。いわゆるM&Aになります。事業統合という言葉自体はそうでもないですが、実際の業務はなかなか難しい作業を強いられます。
まず、心理的なハードルがすごく高いです。そこには統合する側と統合される側があり、統合される側のやむを得ないというあきらめの気持ちと、外からずけずけと入って来られる抵抗感が入り混じっています。
これは、ある意味どうしようもない心理です。そこにはやはり勝ち負けの世界が厳格に存在するからです。他人に自らを委ねなければならないこの屈折した心理は理屈では補いきれないものがあります。
それ故に、統合する側はそうした前提があることを十分承知し、間違っても相手の懐に何の遠慮もなしに入ってくることについて避けなければなりません。そうしないと実際の業務を進めるうえで強烈な反発を受けるリスクが高くなるからです。
A関係者の協力を最大限に受けて初めてなし得ることに留意する
そうであるために、事業統合を進めるには、細心の注意と細かな作業を積み重ねる必要があります。そして多くの関係者の協力を得なければ前に進まないことに留意すべきです。実際には多くの作業が待っています。
たとえば、事業統合に核になる事業ノウハウ、技術などの無形の資産から始まり、人事、労務、財務、システム、取引先など広範囲な事業活動や財産について、一つ一つどのような形で統合を進めていくかを検討することになります。
これが、単に財産の譲渡であれば、モノカネだけの話になるので、比較的簡単に進めることができます。譲渡の範囲が絞られるからです。ですが、事業統合の場合、事業を一体的に譲渡することになるため、ヒトモノカネ情報のすべてを含みます。それだけに与える影響が広範囲になります。
B事業統合の目指すゴールを共有する
それでも、事業統合をするのは、これまで築いてきた事業を継続する手法の一つとして、経済的にも有効な手段になるからです。これにより、積み上げた事業ノウハウや経験を途絶えさせることなく、そこで働く職員の雇用を守り、経済を活性化させる効果をもたらすことが期待されます。
しかしながら、微妙で複雑な問題を抱えやすい業務だけに、上手く行かないこともそれなりにあります。事業統合の失敗ですね。その失敗の要因はいくつか考えられるところですが、やはり最初の心理的な側面と実際の実務を進める際に阻害するものがあるということになります。
これを新規に事業を行うと仮定した場合、どういう手順で事業を進めることになるかを考えるとヒントになるものと思います。多くの関係者の協力を得るために、トップは何を優先するのでしょうか。
それは、関係者に事業統合により何を目指すのか、そのゴールを明らかにし、将来像を明確に伝えることだと思います。そのゴールに向かうとどんな良いことがあるのか、共通のイメージを植え付けることができれば、それに向かって関係者の協力を得やするくなります。
では、どのように進めていくのか、何に留意して、効率的効果的に事業統合という難業に立ち向かえば良いのか。次週に続きます。