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事業承継補助金におけるNPO法人との関係性[ 2018年02月02日(Fri)]
 おはようございます。関西はそうでもないですが、関東一円は朝から雪でしょうか。今年はいつになく雪が多く、多くの方々の生活に影響を及ぼしています。自衛できるところはやっていると思います。今日も元気で行きましょう。

 さて、前回から少し間が空きました。いよいよ2月に入り、一連の補助金の公募が始まりますね。準備の方はいかがでしょうか。本日は、少し毛色が違った事業承継補助金を取り扱いたいと思います。

1.事業承継補助金とNPO法人
 事業承継補助金は、中小企業庁によれば、(1)地域経済に貢献する中小企業による、(2)事業承継をきっかけとした、(3)経営革新や事業転換などの新しい取組を支援する補助金としています。
 この補助金を申請して採択されれば、事業承継をきっかけとした新しい取組として、経営革新を行う場合は補助上限額200万円、事業転換に挑戦する場合は補助上限額500万円がもらえます。

 これは事業承継をきっかけとした、中小企業による経営革新や事業転換への挑戦を応援するため、平成29年度に従来の「第二創業補助金」をリニューアルしたものですが、今回からNPO法人にも適用されることになりました。ただし、平成30年度は公募の可否を含めて、別途確認が必要です。

2.事業承継補助金の対象となるNPO法人の要件
 事業承継補助金は、NPO法人であれば何でも良いのではなく、「中小企業者の振興に資する事業を行うこと」が求められます。つまり、事業承継補助金がもともとは中小企業を支援することを前提にしていることから、中小企業との関わりを要件としているのです。

 具体的には、以下の要件が求められます。
ア)中小企業者と連携して事業を行うもの
イ)中小企業者の支援を行うために中小企業者が主体となって設立するもの
ウ)新たな市場の創出を通じて、中小企業の市場拡大にも資する事業活動を行う者であって、有給職員を雇用するもの

 これらは、基本、中小企業との関わりを説明できればよく、それほど厳密に考える必要はないと考えます。通常は上記ア)又はウ)との関連で事業承継を検討することになります。

3.NPO法人が事業承継を検討する際の留意点
 中小企業もNPO法人も持続可能な運営をすることには何ら異なるものではありません。中小企業の事業承継はNPO法人の事業承継にも相通ずるものがあります。

 たとえば、経営の「見える化」として、10年後の法人像とのギャップを埋めるために法人の現状を把握することがあります。事業・組織の見える化として、事業の将来性の分析や法人の経営及び組織の状況の確認を行い、事業・組織における法人の強み・弱みを再認識することで取り組むべき課題が見える化できます。

 財務の「見える化」として、法人の活動を適切な会計処理を通じて、客観的な財務状況を明らかにするとともに、それを財務諸表として公表することがあります。法人の活動を客観的な数値で把握し、それを今後の活動に活用することが法人内外の関係者に説明し得るツールになります。

 このように、経営者が将来の事業承継を見据えて、本業の競争力の強化などにより法人の価値を高めることで、後継者にとって魅力的な状態にまで引き上げることが求められます。これができて初めて、誰に法人の経営を託すかの検討が可能な状態になります。託される方もそうした状態で承継するとプラスからのスタートが切れるようになります。

4.NPO法人が取り組むべき課題
 事業承継の事前準備の対応の重要性は、前述のとおりですが、これまでの経験からして、上手く行くケースはそう多くはないと思います。やはり後継者問題が一筋縄では行かないからです。 
 NPO法人の場合、中小企業と異なり財務及び税務上の課題はそれほどないことから、その重点は後継者選定と人材育成に焦点が絞られます。

 御多分にもれず、NPO法人は人材不足が常にあるため、経営者が相当な覚悟と意識で後継者問題を考えないと手遅れになることも十分考えられます。特にカリスマ経営者の場合、その方の際立った個性の強さと経営に対する執着が後継者問題を後手に回すといった弊害も考えられます。

 10年20年先を見据えた法人のあり方や経営状況がどうなっているか、その前段の法人のビジョンミッションを達成するビジネスモデルと組織体制は色あせていないかなど、普段から考えていないとなかなか自分なりの答えを見出すことは簡単ではないと思います。

 日常の経営に忙殺されることは多いのですが、事業承継のことが頭の片隅に乗っていると、このような事業承継補助金を活用するのも一考かと思います。

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金 公認会計士事務所
公認会計士・税理士 金 志煥
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