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資金繰りと資金管理の具体的方法5[ 2016年07月06日(Wed)]
2016年7月6日(水)
 おはようございます。昨日は中小企業等経営強化法のお勉強に行ってきました。中小企業等経営強化法はこの7月1日より施行されましたが、従来あった中小企業等の支援の法律を焼き直しをしたものです。

 中小企業等経営強化法は、中小企業等が経営力向上のための人材育成や財務管理、設備投資などの取組を記載した「経営力向上計画」を申請すれば、認定されることにより固定資産税の軽減措置や各種金融支援が受けられます。

 補助金と違って、所定の要件を記載すれば認定されるので、これから設備投資や融資を考えている中小企業等はそれなりのメリットがあります。申請書も2枚だけでそれほど大きな負荷はかかりませんので、一度トライされてみてはいかがでしょうか。今日も元気で張り切って行きましょう。

(要旨)
1.資産側の資金繰りの方法その4
2.負債側の資金繰りの方法その1
3.負債側の資金繰りの方法その2


 さて、本日のテーマは「資金繰りと資金管理の具体的方法5」です。前回、個別の具体的な資金繰りの方法として、資産側の資金繰りの方法についてお伝えしました。今回は、もう少し資産側の資金繰りの方法を述べてから負債側の資金繰りの方法にシフトします。

1.資産側の資金繰りの方法その4 

 前回、遊休資産の活用についてお伝えしましたが、実は遊休資産ではありませんが、これを活用する手法があります。以前にも少しお話ししましたセールアンドリースバック方式です。この方式は、現在使用している本社や工場等の土地建物を売却して、その後売却先から賃借する方法です。

 この方法は、現在使用している本社や工場等の土地建物を売却しますので、まとまった資金が一度に入ります。本社は通常、地価の高いところに構えていることが多いので、この土地建物は時価が高いのが一般的です。

 そして、同じ土地建物を賃借(リース)するので、現状は何も変わりません。そこで働く人々にも影響はありません。ただし、土地建物の所有権は相手に移転しますので、そのぶん、資産が減少することになります。一時的には土地建物から現預金に変わりますが、すぐその現預金は借金返済や賃借料に使用されるからです。

 この方式は、究極の資産を現金化する方法ですが、対外的にはやはり企業の窮状をさらけ出してしまいます。最近では、シャープがこの手法を適用したニュースがありましたね。背に腹は代えられない所ですが、できれば使いたくない禁じ手かも知れません。

2.負債側の資金繰りの方法その1

 次からは負債側の資金繰りの方法です。銀行からの融資返済を待ってもらうか新たな融資を受けることになります。これは、とても奥が深いです。銀行という相手を十分に知って対応することが求められます。

 銀行も最近は不動産担保一辺倒の融資はするなと金融庁にきつく言われているので、企業の評価をしっかりするようにプレッシャーをかけられています。しかし、これまでの対応から企業の目利き力をそう簡単には養うことができません。

 他方、銀行は支店ベースや銀行員ベースの業績目標(ノルマ)が課せられており、できるだけ融資の焦げ付きを防ぐとともに、新たな融資拡大も求められています。しかし、銀行も人員削減の一環で人は少なくなっているうえに、国債や保険販売など業務範囲が増えているので、なかなか手が回らないというのが実情のようです。

 実際に私が住んでいる近所の銀行に行ったところ、補助金関係の融資をあまり取り扱っていない銀行でした。ということは、融資を受けている銀行やこれから融資を受けようとする銀行の実情を探り、しかるべき対応をする必要があるということに留意することになります。

3.負債側の資金繰りの方法その2

 このように、銀行の実情と自社の実情を勘案し、最初の命題である銀行からの融資返済を待ってもらうか新たな融資を受けるかを検討しなければなりません。この辺は、相手との交渉ごとになります。己を知り相手を知って有利な展開をすることが求められます。

 これに関しては、普段からの銀行との付き合い方がとても大きな影響を与えます。普段から銀行とどれくらい友好関係を構築しているか、無理をお互いが聞いてくれるような関係になっているかが重要です。

 銀行はリスクに対してはとても敏感ですので、企業の状況をいろいろな角度から情報収集しています。それに対抗するためにも、まずは自社の財務状況を正確に把握して、銀行に対してものを言える材料をそろえておく必要があります。では、具体的にどうすれば良いか。次週に続きます。
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