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NPO法人の決算書の見方と経営の視点3[ 2016年06月23日(Thu)]
2016年6月23日(木)
 おはようございます。先週はチューリップの話をしました。今週はムスカリです。家の庭には、毎年春先ちょっと早い時期に、ムスカリの花が咲き始めます。ムスカリってご存知ですか。これも球根ですから一度植えると、毎年同じ場所に同じように咲きます。

 ムスカリは、紫色をした小さな花を棒状に咲かせています。すみません。写真があれば良いのですが、今、手元にありません。ムスカリは集団で花を咲かせますので、一つ一つは取るに足らない感じですが、集団で咲くことで、ここにいますよと主張しているようです。

 ムスカリは、比較的厳しい環境でもぐんぐん、しかも、割と長く咲き続けます。どちらかと言えば、目立つ花ではありませんが、しっかりとたくましく存在感のあるところが気に入っています。今日も張り切って元気に行きましょう。

(要旨)
@事業別損益とは
A事業別損益をしっかり開示していますか
B事業別損益をしっかり経営に活用していますか


 さて、本日のテーマは「NPO法人の決算書の見方と経営の視点3」です。前回、NPO法人の決算書において、ボランティア活動という無償の行為を金額換算して積極的に開示しようという話をお伝えしました。今回は、事業別損益の開示です。

@事業別損益とは

 事業別損益は、民間企業で言うセグメント情報です。すなわち、団体にはいくつかの事業を複数行っているところが大半です。たとえば、介護事業をしているNPO法人であれば、高齢者介護事業、障害者介護事業、介護啓発事業などがあります。

 これらの事業は、通常、組織を区分して別々に事業を行い、収支や採算も区分していることが多いと思います。つまり、NPO法人の中でも複数のセグメントで事業を実施する場合に、どれだけの損益状態になっているかを示すものが事業別損益になります。

 事業別損益は、基本、損益計算書(活動計算書)をセグメント別(事業区分別)に区分したものですから、NPO法人の中でどの事業で利益が出ているのか、あるいは、赤字になっているかがわかります。

A事業別損益をしっかり開示していますか

 NPO法人会計基準では、この事業別損益を注記で開示することを求めています。ただし、事業別損益ではなく、事業別費用だけでも良いことになっています。これは、NPO法人の事務負担を考慮してだと思いますが、実際に事業別費用だけ開示しているNPO法人も結構あります。

 事業別損益の重要性にお気づきの方は、もうお分かりだと思います。NPO法人は多様な関係者から多くの資源を受けて事業を行いますので、法人内の事業損益がどのような状況になっているかを公表することは、法人の説明責任を果たすとともに、自らの業績を把握する情報となります。

 ですが、NPO法人の事業別損益を眺めていると、首をかしげたくなるような開示になっていることがたまにあります。たとえば、人件費や経費の按分がおかしかったり、本社部門に多くの損益を計上していたり、実態とは大きくかい離した開示となっていることがあります。

B事業別損益をしっかり経営に活用していますか

 NPO法人の事業別損益は、まさにNPO法人の事業活動の巧拙を示すものであり、どの事業が利益が出ているのか、赤字になっているのかを把握し、その要因分析をして次の一手を行うための意思決定に影響するとても重要な情報です。

 そのためには、実態を適正に表示した事業別損益が必要となります。もし、実態とかい離した事業別損益を出してしまうと、それだけで経営判断に大きな支障をきたし、ミスリードするリスクが高くなります。

 この情報にどれだけの注意を払い、決算の節目で正確に把握し、その要因を分析し、次の年度にどのような施策を打つか、経営者の資質が問われることになります。民間企業では、こうした事業別損益の重要性を勘案し、必要な手を迅速に打つことを求められます。

 非営利法人であるNPO法人であっても、事業をすることに民間企業と何ら異なることはありません。NPO法人の経営者はそういう感覚で事業別損益を見て、どこまで必要な経営判断をしているでしょうか。

 一度、自分のところの事業別損益をじっくりと見てください。そこから次の一手のヒントが見えてくるはずです。次週に続きます。
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