本日,5月5日は「子どもの日」、長らく、我が子の健やかな成長を願う日でした。しかし、今、祝うべき「子ども」の数は激減しています。
平成26年少子化対策白書に掲載された日本の人口構造の推移と見通しのグラフです。
最も子どもの人口割合が多かった1938年と2016年、2060年を比較してみました。いかに子どもの数が減っているか、おわかりになるでしょう。
そして子どもの数が減って行くという事は、働ける人が減るということです。
2016年と2060年を比較すると高齢者の数はほとんど変わりませんが、生産年齢人口は40%以上減っています。
当たり前ですが、子どもが増えないということは、働く人が減っていく事なのです。
超少子高齢化、これは日本の最大の課題です。
私たちキッズドアは「日本の子ども貧困」という課題を解決するために、「教育支援」という手法で取組んでいます。低所得の子どもたちに無料の学習支援を提供しています。
なぜ、教育なのか?
「教育」こそが「貧困の連鎖」を断ち切り、「貧困の再生産」を防ぐ力があると確信しているからです。
例えば、若者の非正規雇用の増加が大きな問題になっています。
非正規雇用では収入は正規雇用の約1/3です。
非正規雇用では、収入が少ないために、結婚も難しい。
「結婚して子どもを持つなんて贅沢だ」と考える若者が増えています。
これでは少子化が止まるはずがありません。
それではどんな若者が非正規雇用になってしまうかというと、学歴の低い人が非正規になるリスクが圧倒的に高いのです。
学歴別の若者非正規雇用者比率の推移
しかし、皆様ご存知のように、日本では、教育を受けるのに、とてもお金がかかります。
お金がないとちゃんとした教育が受けられないのに、
学歴がないとお金を稼げない
このような社会で、低所得の親の元に産まれた子どもたちは、どうすればいいのでしょう?
貧困状況にあるというのは、単に学費が払えない、塾や家庭教師の費用が払えないだけではありません。
家が狭いので勉強部屋はおろか、勉強机もない。机で勉強しようと思えば、1メートル先にテレビがあって、家族が騒いでいるような部屋しかない。
日本の貧困の特徴は、ワーキングプアの方がとても多いということです。例えばひとり親家庭の貧困率は世界最悪ですが、就労率は逆に世界NO1。低賃金の非正規労働を2つも3つも掛け持ちしても、貧困から抜け出せません。深夜まで帰って来ない親と暮らす子どもも少なくありません。宿題を見てもらうのも、学校の用意をするのもむずかしい。
「早寝早起き朝ご飯」が、頭の良い子を育てるのでしょうか?「早寝早起き朝ご飯」が出来る家庭だから、勉強も親がみてやれるのではないでしょうか?生活のために、「早寝早起き朝ご飯」をさせられない家庭はどうすればいいのでしょう?
食費も十分ではありません。今の日本で、お腹一杯にご飯を食べられない、給食がない夏休みがあけると体重が減ってしまう子どもがいるのです。
スポーツでも音楽でも自分の好きな事を習ったり、夏休みに家族で旅行をしたり、たまには外食したり、インターネットで調べ物学習をしたり、好きな本や参考者や問題集を買ったり・・
そういう「普通の事」が出来ないので、「自分は人より劣っている」と感じて何事にも消極的になったり、自暴自棄になったりしてしまいます。
日本の子どもの貧困率は16.3%。およそ6人に1人、300万人の子どもが貧困状況にあります。
日本では「子どもの貧困」という課題は、ごく最近までまったく認識されていませんでした。「子どもをきちんと育てるのは親の責任」という考えのもと、市国や地域社会からの支えは、ほとんどありませんでした。
「社会は自分たちに何もしてくれない」
貧困に苦しむ親も子も、そんな思いを抱えながら、それでも毎日自分たちで頑張っています。
私たちの無料学習会は、単に勉強を教える塾ではありません。
子どもたちに寄り添いながら、勉強を教え、励まし、時には悩みを聞き、時には一緒にご飯を食べる。
何よりも、子どもたちに自分の可能性をもう一度信じてもらう、あきらめていた将来の可能性を取り戻してもらう活動です。
子どもの日にあわせて、キッズドアの活動現場で接する子どもたちの様子をショートストーリーにして連続7話配信しています。
本当に頑張っている子どもたちです。
− 学習会のお昼代の予算が100円の中学生
− 中学校で成績トップなのに家庭の事情で教師になる夢をあきらめ商業高校に進む女の子
− 母子家庭と子どもの発達障害・・・
☆キッズドア 子どもの日・ショートエッセイまとめサイト☆
https://blog.canpan.info/kidsdoor/category_21/1
私たちだけでは出来ない事もたくさんあります。
他の先進国のように、大学までの教育費を無料にしたり、借金ではない給付型の奨学金をもっともっと増やせないでしょうか?
せめて、子どもにお腹一杯ご飯が食べさせられるように、低所得の子どもたちへの現金給付をもう少し増やせないでしょうか?
安心して小学校、中学校に通えるように、教材費や修学旅行や制服代の心配をしなくて良い社会にできないでしょうか?
「お弁当が持っていけないから学校を休む」をなくすためにも、すべての中学校で美味しい給食を出せないでしょうか?「給食費を払っていないから食べない」という子どもを出さないために、給食費は無料にできないでしょうか?
宿題をやってこなかったり、忘れ物が多かったり、服装が乱れていたり、夜中に出歩いている子どもたちに、「ダメな子」というレッテルを貼る変わりに、優しい声をかけてあげられないでしょうか?
保護者会にも学校行事にも顔を出さないお母さんを「あのお家は,子どもに関心がないから、あの子とは遊ばないほうがいいよ」と言う変わりに、「今度あの子と遊んでみたら。」と家で一緒に見てあげてみたらどうでしょう?
子どもの日に、鯉のぼりも兜もない、柏餅も食べられない、家族と楽しめるGWがとてもつまらない、つらい子どもたちが日本にもたくさんいます。
日本の子どもたちに私たちは何ができるのか?
子どもを産み、育てる事が贅沢ではない社会をどうやってもう一度取り戻すのか?
税金をどう使うか?
ぜひ、みなさんに「子どもの日」に考えてみてください。
最後に、キッズドアからのお願いです。
キッズドアの学習会は、全て無料で提供しています。すでに2016年度の教室も定員に達してしまいました。
まだまだ、たくさんの子どもたちに、学びの場を届けたいと思っています。
キッズドアの活動を支えてくださるマンスリーサポーターを募集しています。
現在,キッズドアのマンスリーサポーターは310名。まずは500名のマンスリーサポーターを獲得することが目標です。
月々1000円から、クレジットカードでお申込いただけます。
マンスリーサポーターの皆様には、年に4回発行するキッズドアの会報誌をお届けします。
ぜひ、あなたのご協力をよろしくお願いいたします。
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