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お薬 A [2007年01月14日(Sun)]

今日はお薬パート2です。あっこちゃんとともこちゃんの経験談です。

暖冬と言えども、風邪の季節ですよね注射
皆さんの周りのお子さんもお薬と格闘なさっていることと思います。。。

身近な問題として受け止めていただけると幸いです。



(あっこちゃん)
「バクタ」というお薬との戦いは親子ともにストレスでした。薬を口に入れようとする親と口をつむってにげる子ども。二人ともお薬の粉まみれになり、なんどもお薬の飲み直しをしました。やっと口に入れて飲んだと思えば、直後に吐いてしまい、また吐いてしまったことにたいして「なんで?」と子どもにつらくあたることもありました。
普通に考えれば、抗がん剤の副作用で大好きなおやつも食べない、食べ物をみれば吐き気がするときに、苦いお薬が飲めるわけはないのです。お薬が飲めないのは、子どものせいではないのです。そのことをわかっているため、余計に親もつらい、子どもにつらくあたっている自分が情けなくなる、でも誰にも頼れず子どもにあたってしまう、、そんな悪循環でした。

 こんなに苦しい思いをしているのに、バクタを配りにきた看護師さんが「バクタって苦いんですかぁ??」とおっしゃいました。その言葉に周りは唖然としました。私たちの苦しみをわかってもらえないというよりも、わかろうとしてくれていないように思えてつらかったです。週に二回(バクタは週2回の服用指示が出ていました)の恐ろしいバトル。失敗のために週の半分はお薬に悩まされる生活が続き、「どうしても負担なので、、、」と相談すると、他のお母さんから「月1回の吸入に切り替えるという方法もあるよ」と教えてもらいました。吸入もおそろしく苦いという話でしたが、先生に一度挑戦してみたいと相談しました。子どもがあばれまわるくらい苦い吸入でしたが、吸入なので吐いても飲み直しなどはなく(蒸気を吸っていればよいので)月に一度だけでよいというのは、子どもと親の精神的な負担はかなり減りました。「吸入より飲むほうが苦くない」という人もいますが、負担に感じる方法は人それぞれです。様子を見て早めに出来る限りの選択肢を提示してほしいです。

 また医療スタッフは、いえ化学治療にかかわるすべての人は、必ず子どもに処方されているお薬の味を知っていてほしいと思います。「私もなめました。すごく苦いですよね。。。」という一言は、「子どもと親のがんばりをわかってくれようとしているのだなぁ」と少し救われる気持ちになります。


(ともこちゃん)
小児科なのに…なぜ?と思うぐらいどれも飲みにくく量も多いように思います。バクタなどは一番ひどくて水に溶けにくく味も苦すぎます。どの薬も大事なのはよくわかりますが、食事もろくに食べられない時に薬だけ一日三回も飲むのは残酷な話です。特に飲みにくく大切な薬は可能な限り輸液から投与して経口摂取を少なくできたらいいなぁと思っていました。ドライシロップなどでもっと飲みやすくできないものでしょうか?単シロップは甘すぎて飲みにくいです。プリンやアイスクリームに混ぜてみたり工夫はしてみたが、子供にはどれも見破られてしまって、逆に普通のプリンやアイスクリームまで一切食べなくなってしまいます。その子供に合わせた薬をキャンディーやアイスに調合、形成してくれたらなぁ・・・と思っていました。
 仕方がないことですが、「お薬=まずい=いや」というのが強く根付いてしまっています。
 子供にとっても苦痛ですが、親にとっても毎回ストレスとプレッシャーです。
飲み薬は増える時はすぐに増えますが、なかなか減る事はなくて、案外どちらでもよい薬を飲み続け ている事もあり、輸液管理ほど細かくないのでは?と思った事がありました。
 経口が無理なら鼻注になりますが、この鼻注のチューブを入れるのも大変で、入れっぱなしにしておくのも不快に違いありません。苦労してチューブを入れても1〜2週間で入れ替えなければならないので、またたいへんです。子供への負担を出来る限り軽く出来るように強く望みます。


クローバーまさみさまクローバー
お薬 @ [2007年01月10日(Wed)]

さて、今回はお薬注射がテーマになっています。

薬の処方、内服指示などの仕方はそれぞれ病院によって、違ってくると思いますが、私たちチャイケモ家族WGは、自分達の入院した病院で、子供達が経験したことを書きました。
ですから、読者の皆さまには、少し違和感を与えてしまうこともあるかも知れませんが、ご理解のほどよろしくお願いいたします。

今日は、よしこちゃん、夕子ちゃんの書いてくれた闘病記です。

何より「苦い」「まずい」お薬は飲む子供が辛いのは当たり前ですが、飲ませる親の苦労も並大抵のものではありません。

自分が飲むより辛い、、、
代わってあげたい、、、
もっと良い方法はないの、、、?

そのような気持ちで子供にお薬を飲ませる親は珍しくないと思います悲しい

病気には欠かせない「お薬」。
これは本当に幅広く課題の多い分野です。

どうぞ、ご自分の身に置き換えて、お付き合いください。。。



薬(よしこちゃん)
長男が4歳のときに入院していたとき、低菌(抗がん剤の副作用により白血球が減少し、抵抗力が低くなっている時)になったら「ファンギゾンとアミカシン」という恐怖のシロップが届けられました。この薬を飲まなければ、何回でも飲みなおしをしなければならず、親子でかなり苦しみました。
しかし、数年後の再入院のときには、もうこの薬は飲まなくても良いものに変わっていました。いったいあの苦しみは何だったのだろう、、、と、とても悲しくなったのを覚えています。
バクタも飲みにくい薬のひとつです。このような本当に飲みにくい薬に関しては、検討していただき、変えられるものは変えて、それでもどうしてもその薬が必要ならば製薬会社に改善をお願いすることはできないのかと思うのですが…


薬(夕子ちゃん)
 薬についてですが、そんなに嫌がることなく何でもきちんと飲んでくれていました。しかし、ただひとつ、『シプロキサン』だけはどうしても飲んでくれませんでした。それまでは「病気をやっつけるためにはお薬飲もうね」というと、ちゃんと飲んでくれていたのですが、この『シプロキサン』だけはダメでした。挙句の果てには吐き出してしまうのです。あまりにも嫌がるので少しなめてみると、それはそれは苦い薬でした。これは大人でも粉で飲むのは難しい薬でした。
処方だけして苦くて飲みづらいとか、こういう風に工夫して飲ませてくださいなどの説明もなかったことにも腹が立ち「先生は飲んだことがあるんですか!!」と食って掛かったこともありました。そのときに「飲めませんでした?」と言われました。
本当は飲ませなくてはいけない薬でも子供にとって吐き出してしまうほど苦い、飲みづらい薬があるんだということを頭に入れていてほしいと思いました。



クローバーまさみさまクローバー
退院後の居場所 [2006年12月25日(Mon)]

木星メリークリスマス星木乾杯グラス

今年も無事にウチの娘たちへサンタが訪問してくれましたプレゼント>プレゼント>プレゼント>
そして、長女はご機嫌で、終園式へ行きました太陽

さて、今日はあっこちゃんの書いてくれた「退院後」をご紹介します。
私はこの文章を最初に読んだとき、一緒に泣きそうになりました。。。
「言いたくても言えない想い」「伝えにくい、我が子の現状」「居場所がみつからない寂しさ」などなど、、、すべて私も同じように抱えていたものでした。

「そんなに気にしなくても、、、」「それくらい大丈夫よ、、、」との世間の反応に「それくらい気にしないとこの子を守ることができないのに、、、」「ぜんぜん大丈夫じゃないよ、、、」といつも思っていました。

やっと退院したけど、一番気にしなくてはならない「安全」と「清潔」が保障されている場所がなかったこと。理解者も少なかったこと。「親の過剰反応」だととられてしまう違和感、、、
短い文章ですが、そんな想いがぎゅっと凝縮されています。

では、あっこちゃんの「退院後」です。



退院後 

待ち望んでいた退院でしたが、病院との環境の変化に不安も多かったです。

元気な子どもとの接触や、人ごみをさけての生活のため一日中私と二人で過ごす日々が続きました。
安心して出かけられる場所がいかに少ないかがわかりました。

また感染の心配に加え、血小板の数が低いまま退院したため、けがなどには特に注意が必要でした。
近所の子どもと遊びはじめたときに階段で長男のことを押された時は、その子どもを大声でどなりつけてしまいました。
他のお母さんに「わざとじゃないのよ。軽く押してしまっただけなんだけど」と言われ、でもその「押してしまった」が長男にとっては一大事なんです、、、と声には出せず何度も心の中で思いました。本当にその時はそうだったのです。

でもだからといって血小板の数があがるまで、お友達と遊べないというのは何かが違う、やっぱり元気な子どもと遊ぶには、周りにもわかってもらう必要があると思い、押した子どもに「階段では、わざとじゃなくても人のことを押さないように、できるだけ注意してね」と説教しました。でも、家に帰って、なぜか涙が出たのを覚えています。。


クローバーまさみさまクローバー
闘病中の「あそび」 [2006年12月21日(Thu)]

みなさま。こんにちは太陽今日の著者は夕子ちゃんです女の子

夕子ちゃんが、入院中の「あそび」について書いてくれたものです。
ここでもまた、日常生活で本当なら「当たり前」に保障されているはずのことが苦労しなければ手に入らない闘病生活の現実が書き表されています。

制限された生活の中でも、子供はあそびをみつける天才だということ。
あそびはお薬と同じくらい大切なものだということ。。。

子供にとってあそびとは、、、どうすれば闘病中の子供達が少しでも楽しいときを過ごせるのか、、、一緒にお考えいただけると嬉しいです。

それでは、夕子ちゃんの「あそび」です。。。



遊びといっても、ベッドの上で遊ぶことには限りがあり、それに、とてもアクティブだった長女にとって病院の中での遊びは物足らないものだったと思います。部屋から出てもいいときは「お散歩、行く!!」と部屋を飛び出していくのが常でした。そして、足繁くプレイルームに通っていました。中でも、幼稚園ごっこはとても楽しみにしているものでした。元気だった頃、保育園に通い、毎日朝早くから夕方まで友達と走り回り、歌を歌い、時には泥んこになって遊んでいた彼女にとって、入院生活はとても退屈なものだったに違いありません。それでも、幼稚園ごっこで同じように、大きな声で歌を歌い、工作をしたりと、楽しい時間を過ごすことができました。しかし、小さいながらも自分が病気で、我慢しなければいけないことがあるんだということを、なんとなくではあるものの、理解していたのだと思います。

幼稚園ごっこのある日は、朝からソワソワして、一通りの診察が終わると、プレイルームに一番乗りしていたものです。幼稚園ごっこの無い日でも、もちろん一番乗りです。プレイルームにあるおもちゃを次から次へと引っ張り出し、大満足でおもちゃに埋もれて遊びます。人見知りをすることなどなかった彼女は、プレイルームにやってきたお友達に、まるで自分の部屋に遊びに来たんじゃないかと思うくらいに、おもてなしをします。おもちゃを貸してあげ、場所を譲ってあげ、何か話をするわけでもなく、そばに寄っていき、ニコニコ笑って見ているのです。プレイルームで遊んでいる最中、ルートを引きちぎってしまったこともありました。(すべりだいに引っ掛けて・・・)

幼稚園ごっこの無い日や、幼稚園ごっこが終わったあとは、いつものように廊下を『お散歩』です。まず廊下のつきあたりに窓の外にやってくる鳩を見に行きます。「今日もいっぱいウンチしてるねぇ・・・」と、いつものセリフ。次は反対の端まで歩きます。何度も何度も往復して、廊下ですれ違う人には、手を上げて挨拶をします。ついには、病棟にいる人たち、医師、看護師、ボランティアの人たち、お友達、そのお父さん、お母さん方、ほぼ把握していたように思います。そして、他の病室に遊びに行ったりもしました。病院側からすると、とても迷惑なことだったかもしれません。しかし、今までの生活からすると、彼女にとってお友達と遊ぶということは、あたりまえのことなのです。ベッドの上でしか遊べないときのお友達と触れ合った後、自分がベッドの上から動けなくなったとき、そのとき遊んだことを思い出し、「○○ちゃんみたいにして遊ぶ!」なんてこともありました。

やはり、病気になり、入院しなければならなくなった小さな子供たちの遊びには、制限があり難しいと思います。しかし、小さな子供たちにとって、遊び自体が学習であると思います。生活をしていく上で切り離せないものなのです。当たり前のことを当たり前にすることが難しいのですが、他の子供たちとも、もっと触れ合えるようだったらなーと思いました。(もちろん、調子の良い時に限りますが・・・)


クローバーまさみさまクローバー
「いってらっしゃい」 [2006年12月18日(Mon)]

今日の著者はよしこちゃんですメモ
院内学級について書かれています。
院内学級の存在がいかに大切だったか、、、

「いってらっしゃい」と送り出す幸せ。
「おかえり」と迎える事のできる幸せ。

本当はどれも当たり前に保障されていることなのです。。。

それでは、ご紹介します。。。


院内学級があることで、親子でどれほど救われたでしょう…特に私たちの場合、地元の学校の対応がひどかったので、入院中はほとんど地元校との交流もなかったのですが、長男は院内学級でのびのびと過ごすことができました。そこで知り合う子どもたちは、みんな病気と闘っている子どもたちであるせいか、友達に対して思いやりのある子が多かったように思います。先生方にも本当にお世話になりました。(ここに挙げるときりがないので割愛させていただきますが) あと、「いってらっしゃい」「おかえり」と言えることも嬉しいことでした。今でも朝、学校へ向かう時の背中をはっきりと思い出すことができます。

院内学級も養護学校そのものも、普通の学校と同じように人事異動がしょっちゅうあります。院内学級では専門的な知識が特に必要で、経験を積まなければわからないことが多いのではないかと思われます。やっと慣れてきたところで先生が変わってしまうのはとても残念に思います。人事異動も必要なことかもしれませんが、入院生活を送る親子にとっては、経験を積んだ先生が必要だと感じます。


クローバーまさみさまクローバー

おにいちゃん [2006年12月12日(Tue)]

今日から少しずつ、家族ワーキンググループ(以下WG)が経験したことをつづった「闘病記」の一部をご紹介していきたいと思います。。。

闘病を経験された方なら、きっとうなずいていただけることがたくさんかかれています。

闘病経験のない方にも「そんな世界があるのか、、、」と過酷な闘病生活の一部を知っていただけると思います。

今日は、家族WG ともこちゃんの闘病記「おにいちゃん」をご紹介します。
小児がんの闘病をする家族は病気と闘う以外にさまざまな問題とも同時に闘わなければなりません。

その中の大きな問題のひとつ、、、「きょうだい児」が今日のテーマです。
最後までお付き合いください。。。

では、ともこちゃんの「おにいちゃん」です。




娘が入院したとき、長男は幼稚園に入園して1ヶ月も過ぎていないときでした。一番かわいい盛りで、初めての幼稚園にもやっと慣れたかな・・・というときでした。

取り乱した私たちを必死で静めようとするかのように、文句も言わず、涙も見せずに誰よりも気丈にしていました。
これからどうなるのか・・・どのくらいの入院なのか・・・などまったく分からず、出口のないトンネルに入っていくようで・・・息子にもうまく説明もできませんでした。

ほとんどの闘病経験のある方は経験したかと思いますが、何の準備もなくいきなり入院になり、何からどう整理して手をつけたらいいのか、パニックになります。娘のことはもちろん心配ですが、残された息子のことも心配で、毎日毎日、身が引き裂かれてしまいそうな思いでした。本来ならまだまだ母親が恋しくてずっとそばにいてあげたい年頃なのに、淋しい思いをさせてばかりで申し訳ない気持ちでいっぱいでした。

 「いつまで待てば・・・お母さんと妹はお家に帰ってくるの?」と周りの大人に気遣いながら初めてそう言ったときも「もう少ししたら絶対みんなで一緒に暮らせるよ」とあまりにも漠然とした返事しかできず、悔しい思いでした。
私も主人も息子の前ではいつも明るく元気に振舞うことが精一杯で、妹の状態を詳しく話しすることもできませんでした。

娘がターミナル期に入り一時外泊を許されたときは「もう少しで本当に妹とお母さんが帰ってくるんだ」と、とても喜んでいる姿をみて、後ろめたい申し訳ない気持ちで胸が張り裂けそうでした・・・。近い将来にやってくる妹の死について、、、どうしても言えませんでした。最後の最後に大きな嘘をついているような罪悪感でした。小さな息子に妹の死の準備を前もってするのはあまりに残酷で・・・それが良いとは思いませんが・・・

何の疑いもなく、最後まで元気に帰ってくるという私たちの言葉を信じている息子に対して、なんの前触れもなく、辛い現実を突きつけてしまったことを後悔しています。

とても難しい問題で、どうしたら良かったのかわからないのですが、やはり小さな息子にもわかりやすく「病気」と「命」のことを教えるべきだったのだと思います。話をするタイミングや場所も配慮し、場合によっては第三者の人(心のケアのプロの人)から家族と一緒に聞くものいいかもしれませんし、あまりリアルに悲しい話にならないように絵本などを使って間接的なほうが良いのではないでしょうか?
いずれにせよ「死」という辛い現実に対しての心のケアは絶対に必要なことだと思います。

子供は大人が思っている以上に心の中が急激に成長していて驚くほどの理解力があります。その反面恐ろしい不安や恐怖にも必死で耐えて我慢したりしているんだと思います。
小さな小さな心の中が、大きな悲しみで一杯になってしまわないように、辛い現実を経験してからのケアはもちろんですが、辛い現実を受け入れるためのケアが必要だと思います。
正しい知識を正確に良いタイミングで子供に伝えるために、心のケアのスペシャリストのサポートが絶対に必要だと思います。



クローバーまさみさまクローバー