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何を信じればいいのか! [2010年09月21日(Tue)]

衝撃的な裁判が最近多すぎます。

一つは、看護師の爪はがし事件です。http://www.nishinippon.co.jp/nnp/item/197879
白癬菌でぼろぼろになった患者さんの爪をケアしていた看護課長さんが、逮捕された事件です。
白癬菌でぼろぼろになった爪をケアすると、ぽろっと取れてしまうことがあります。それを、「異常な看護師がストレス発散のために、患者さんの爪はがしをした」として裁判になりました。
(白癬菌の写真です。この爪を切ってあげようと思うのは、本当にえらいと思います。
http://tamamed.web.infoseek.co.jp/j_news_2003aoki/j_2003aoki.html
日本看護協会も、虐待ではなく、看護ケアであるとの見解を表明していました。
http://www.nurse.or.jp/home/opinion/newsrelease/2007pdf/20071004.pdf
それでも、一審は有罪判決が出ました。二審で無罪判決が出たのはせめてもの救いですが、この3年間本当につらかったと思います。

もう一つは、厚生労働省の村木厚子元局長(54)に無罪判決が出た郵便料金不正事件です。
http://news.tbs.co.jp/newseye/tbs_newseye4532007.html

どちらの事件も、素人の私から見ても捜査がずさんだと思います。逮捕する前に、もっとちゃんと調べたら、こんなことにならなかったではないでしょうか。どちらも逮捕を急ぐ理由が見当たりませんし。

医学生のとき、「これからの時代は、何かあったらすぐに裁判に訴えられる。だから患者さんには全てのリスクを説明しないといけない。そして軽々しく『大丈夫』とか『治ります』とか、言ってはいけない」と教えられました。
このように、裁判前提で医療方針を考えるとなると、医者はリスクを負わなくなります。
例えば、妊婦のたらいまわしなどは、その典型的な例だと思います。
「診てあげたいけど、何かあって問題になったら困る」ということが頭をよぎると診察拒否になります。
「何かあっても誠実に患者さんのためを思って対応すれば、最終的には裁判所が正しい判決を下してくれる」という最後の砦がこれでは、安心して医療が行えません。
そして何よりも、
裁判を前提にしていたら、良い医療なんてできません。

医療は人間がすることですから、大なり小なりミスはあります。裁判となれば、誠実に対応すべきでしょう。しかし、医療を裁判で争っても、誰も救われないことがほとんどです。

人の命を軽視しているひどい事件もあります。しかし、そうではない事件もあります。

医療訴訟が報道されたとき、少し慎重に判断をするべきだと強く思う今日この頃です。

s.kusuki
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