丑 [2009年07月27日(Mon)]
![]() 立秋前のこの時期、土用の丑の日に鰻を食べる風習は江戸時代に始まったようですが、夏に売れない鰻屋さんの発案だそうです。今年は、7月19日と31日の二日あります。皆さんもおいしい鰻を食べて暑い夏を乗り切ってください。 さて、本物の丑(牛)の話です。明治の文豪、夏目漱石は晩年に、当時新進気鋭の芥川龍之介に宛てた手紙の中でこう言います。「牛になる事はどうしても必要です。われわれはとかく馬になりたがるが、牛にはなかなかなり切れないです。(中略)あせっては不可(いけま)せん。頭を悪くしては不可(いけま)せん。根気ずくでお出でなさい。(中略)牛は超然として押して行くのです。何を押すかと聞くなら申します。人間を押すのです。」 私たちも、どっしりとした、着実な前進を大切にしたいと思います。 先日報道された漱石のお家騒動、漱石は怒っているような気が私にはします。そう言えば、今年は丑年でしたね。暑さきびしき折、くれぐれもご自愛ください。 by Ohta 参考文献:三好行雄編「漱石書簡集」(岩波文庫) |