生い立ち4 [2008年08月21日(Thu)]
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昭和63年はバブル景気の絶頂期、そして団塊ジュニア世代のお受験ブームの時代。 私も中学受験戦争に参加し、いわゆる進学校に通っていました。 そんな時代を反映してか、中学受験の国語の問題には「本当の豊かさとは何か」みたいな文章が結構ありました。 「物質的な豊かさ」ではなく「精神的な豊かさ」が大切、という趣旨の受験問題がいくつか出題されていました。 しかし現実は、NTT株やゴルフの会員権や土地の値段が高騰し、財テクでいかに要領よく儲けるかが注目され、 中学生だった私たちも、いかに他人より要領よく、よい成績をとるかということが一番の価値観になっていました。 歌謡界ではローラースケートをはいて口パクで歌っていた光GENJIが大人気でした。 一方で長渕剛さんの「乾杯」がヒットし、ドラマ「とんぼ」も話題になりました。 汗をかきながら、声を搾り出すように一生懸命歌っていた長渕剛さんに私は惹かれました。 ドラマ「とんぼ」の最終回、長渕剛さん演じる英二が東京のど真ん中で刺されて倒れます。 血を流しながら這いずる英二を、通行人は誰も助けず、横目で見ながら通り過ぎていきます。 バブル絶頂で豊かになる一方、他人との関係が希薄になっていることに気がついていた人も多く、だからこそあのドラマがヒットしたのだと思います。 正月には頭に「合格」と書いたはちまきをした小学生が学習塾の合宿で「エイエイオー!!」と言ってる姿がテレビでよく放送されていた。僕も中学受験のとき「学業成就」と書いたはちまきをして勉強していた。何がしたいわけでもなく、ただ他人に負けるのが嫌だった。中学では「落ちこぼれないこと」が大切で、成績が悪い生徒は、なにか罪を犯したかのような目で教師から見られた。入院する前、成績がどんどん下がっていたので職員室に呼び出され、 1時間くらい立たされて説教を受けた。今から考えれば、成績が下がったくらいで、なぜ呼び出しをうけないといけないのかと思う。またそのころ、成績が悪い生徒が職員室でビンタされたという情報が回っていた。ただ僕も含めて、そのころの大半の同級生は、そのような状況をそれほど疑問に思っていなかった。成績が悪ければ怒られたり、ひどい扱いをされるのは当たり前だと思っていた。そのような状況に疑問を持っていた同級生で、学校の言うことは聞かず、アウトローな生活をし、学校の成績は悪かったが東大に入った同級生がいた。そのころは変わった奴だと思われていたが、今から思うと彼が正常なのだと思う。 入院した後、僕は「中学から大阪の進学校に通っている頭のいい子」というレッテルを貼られた。僕もそれに応えるような態度をとった。いつも難しい表情で、何事にも動じない、無愛想な態度をとった。注射や点滴、にがい薬の内服、骨髄検査、髄注など、どんな医療行為にも文句を言わなかった。そして日中は、ベット上で時間割を組んで勉強した。おそらく今までの人生で一番勉強した。 s.kusuki |




