小児外科医から見たCLS A [2008年04月25日(Fri)]
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CLSが初めて小児外科症例に関わってくれた事例を記します。男の子で、胸に大きな腫瘤が見つかったために緊急入院してきました。呼吸もかなり苦しそうです。仰向けに寝ると腫瘤の重みが心臓や気管(口や鼻から吸った空気を肺に送る管)に直接かかる状態で、座っているか横向きでないと息ができない状態です。とはいえ、病気の診断をつけるためには、頚部のリンパ節を採取して詳しく検査しなければなりません。つまり手術が必要なのです。ところが、全身麻酔で手術をするために筋弛緩薬(筋肉の力をなくす薬)を使うと、腫瘤の重みがもろに大きな血管や気管にかかり、一瞬にして心臓が止まったり、呼吸できなくなってしまいます。そのため、胸に大きな腫瘤がある患児については、局所麻酔だけで意識のある状態で手術をしなければいけません。そこでCLSにお願いをしました。術前にプリパレイションブック(絵や写真で手術室に行ってから病棟に帰るまでを絵本風にまとめた本)を使いながら、年齢に合わせて手術手順を説明してくれました。当日は手術室の中まで患児と一緒に絵本を持って付き添ってくれ、処置中も絵本を読み聞かせてくれました。担当の麻酔科の先生も全面的に協力してくれて、適度に鎮静剤を使いながら、少し眠るくらいの状態を保ってくれました。おかげで、処置をしている間、患児は少しも怖がることなく、夢見るような状態の中で全てを終えることができました。一旦パニックになったら、命に関わるような危険がある処置でした。そう思うとCLSの存在はどんなに高価なお薬よりも価値があったと言えます。その子はその後お薬の治療が奏効し、いまではすっかり元気になって、病棟を走り回っています。ほんとうにすばらしいCLSの手術場デビューでした。
とはいえ、現状では小児内科、小児外科系を合わせた阪大病院小児医療センター内に87床の病床数があり、これを1人のCLSでカバーするのは無理があると思います。毎日の病棟での検査や処置だけでも相当の数があり、1人ずつしっかりと時間をとりながら、患児の心に寄り添ってくれるCLSは何人居てもらっても充分とは言えない状態です。 大阪で、日本で、もっともっとCLSが増えて、病棟のこどもたちが笑顔でいられるように、怖がらないで検査や手術がうけられるようになってくれたらと願っています。 a.yoneda |




