夜中の発熱 [2008年03月27日(Thu)]
話が少し戻ってしまいます。
前処置中の夜中にSが突然吐き、高熱を出しました。急にとても辛そうになってしまい、一瞬「いよいよ来たか、、、」と移植について覚悟していたことのひとつが起こったかもしれないと思いました。 小児がんの子どもたちの治療に、感染はつきものですが、移植の時期にはそれに輪がかかります。感染に対する対策は付き添いにはとても負担なものです。 Sに近寄るたびに、Sが使うものを触るたびに、私は手洗いと、アルコール消毒をしなければなりません。そのため、私の手はいくらハンドクリームをぬっても追いつかないほどに荒れました。荒れた手が裂けても、切れてもアルコールの消毒は欠かせません。傷口にアルコールを吹きかけ、刷り込むと飛び上がりそうに痛かったのを思い出します。Sの使うものはすべて消毒、もしくは滅菌をしなければならず、いつもアルコールにまみれていたような気がします。 Sを感染させてしまったとしたら、それは私の責任だ。といつもどこかにいる「菌」と闘いながら過ごしていました。 先生からは「もともと体の中に持っている菌のせいで感染が起こることが多いんですよ」と説明を受けたこともあり、目に見えず、そして防ぎようのない「菌」との接触にいつもハラハラしながら過ごしました。 夜中に主治医の先生が、文字通り息を切らせながら駆けつけてくださいました。確か12時は過ぎていました。 とにかく採血。その次に吐き気をとめてあげたいと、いつも入れている吐き気止めと違うものを入れていただき、吐き気の症状はなんとか落ち着きました。 採血では感染かどうかなどを調べていただきます。結果が出るまでの間、その主治医の先生がSのカルテを調べて「お母さん。Sちゃん、まえもラステッド(抗がん剤の名前)を入れた時に急に同じくらいの熱が出てるみたいですね。。記憶にないですか?」といわれました。「まったく記憶にないけど、カルテって大事やなぁ。。。」と思っている間に検査結果がでました。感染の兆候はないとのことでホッと胸をなでおろし、先生も「では、また明日。というか数時間後、、」といって退室され、私も少し側についてSを看た後「先生は、本まに大変やなぁ。。。看ているのがSだけではないんやからなぁ、、、ほっとできる時間なんてないやろうなぁ、、、」と思いながら付き添いベッドに横になり数時間寝ました。 夜が明け、私も何とかベッドから這い出し朝を迎えました。先生もいつもどおりに。 どんなに寝れていない状況の中でも、先生も、付き添いも翌日の任務を果たすために普通に一日を過ごさなければなりません。 ![]() ![]() |