スーパードクター [2007年06月22日(Fri)]
スパードクター(いわゆる名医)と呼ばれる方が、最近よくテレビに出演されています。
闘病中の患者さんの中には、 「テレビにでてるんやったら、私の手術をしてほしい」 「私の診察をして欲しい」と思われる方もいらっしゃるのではないでしょうか? スーパードクターがいる分野は成熟していない、との意見があります。 つまり、本当にその分野の医療が進歩するということは、どの医療機関でも同じレベルの治療が受けられるようにしないといけない、との考え方からくる意見です。 「この手術は、○○先生しかできません」 それなら同じ技術をもつ医師を育てるか、だれでも簡単にできる方法を考えたらいいのに、、 「○○先生に診察していただいたおかげで、私の病気の診断がつきました」 それなら、その珍しい病気をもっと誰でも診断できるように広めないと、、 おそらくテレビに出演されているスーパードクターの方々も、「私が診ていたらもっと良い医療を提供できたのに」と悔しい思いをした患者さんを数多く経験し、自分の知識・技術を広めなければとの思いでテレビに出演されているのだと思います。 ですからテレビが、スーパードクターをおもしろおかしくヒーローにしている演出には不満です。 ただ現実的には、これだけ医療が発達し細分化されてくると、難しい面もあると思います。 ここで重要になってくるのが大きな意味での「チーム医療」です。 1人の頭脳にすべての医療情報を入れることは不可能です。 また「この病気は自分では経験がないから、○○先生に相談してみよう」 と、気軽に相談するだけで事が足りることは多いと思います。 この気軽に相談できる○○先生が、どれだけいるかがこれからの医師にとって非常に大切になってくるのではないでしょうか。 私自身、現在医師9年目ですが、研修医の頃一緒に働いた他科の医師や、大学時代の同級生、先輩後輩、以前小児科で研修(いわゆるスーパーローテート)をしていた他科の医師に相談することも多いですし、非常に助かっています。 相談した相手が詳しくなくても、そのことについて詳しい上級医に相談してくれたりします。 インターネット環境が整備された現在、 「となりの医局は外国よりも遠い」なんて古臭いことを言っていないで、 どんどん気軽に相談できる環境が整えられるとありがたいですね。 私自身、わからないときには、「えいやっ」と気合を入れて 全然知らない他科の偉い先生に相談することも結構ありますが、 冷たくあしらわれたことはほとんどなく、 むしろ「顔怖そうやけど、結構フレンドリーやなあ」と思うことが多いです。 日本全体の医師がチームを組んで「チーム医療」をしているという意識が持てると、患者さんがドクターショッピングをしなくてもよくなると思います。 s.kusuki |