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臨床の現場より B [2007年02月19日(Mon)]

前回は入院患者さんの管理について引用しましたが、如何でしたでしょうか。患者さんの管理に、数だけでなく非常に多くの職種のスタッフが関わっていることが窺えます。例えば、先日このブログにメッセージを寄せられた小児科愛先生が、朝9時から行われる各患者さんの治療方針検討会を見学された時の話ですが、ある患者さんに対する薬剤の投与量に関して、薬剤師も加わりながら話し合っていたそうです。また、引用記事の筆者の先生によると、患者さんが人工呼吸器管理になると、呼吸器を取り扱う専門のスタッフがいて、取り扱いを任せるそうで、「日本時代の感覚で、担当医として勝手に呼吸器設定を変えたら、凄く怒られた」そうです。そして、これは前任の病院でも同じだったそうです。別の病院の話になりますが、メンフィスの約200マイル東にテネシー州都であるナッシュビルという街があり、そこにVanderbiltという大学があります。そのVanderbilt大学病院に、高校の後輩が臨床フェローとして勤めていたので、病院施設を見学させてもらったことがあります。確か日曜の午後だった思いますが、成人の一般病棟で、処置が必要な何人かの患者さんのベッドサイドにたくさんの医師以外のスタッフがいて、処置をしていたのが印象的でした。それから、前回引用記事にナースプラクティショナー(Nurse Practitioner)という職種が出て来ました。私もあまり馴染みがないのですが、一定の経験を積んだ看護師が、大学院で必要な学位を取得し、試験に合格してこの資格を得ると、診断・処方・投薬などが出来るようになるようです。

少し長くなりました。引用を続けます。

[外来患者の管理]
診断後続けて行われる化学療法は、日本では入院患者として行われますが、米国では殆ど外来で行われます。St. Judeには1日150人程度の患者が訪れ、白血病、固形腫瘍、血液幹細胞移植、脳腫瘍クリニック外来などでの診察を受けます。
診察後、何らかの治療を受ける場合は、Medicine Room (治療室)へと移されます。Medicine Room には28床のベッド(うち16床は入院病棟とほぼ同じ造りの個室)があり、それぞれの患者が、数時間各部屋にて、化学療法、輸血、その他の薬剤(主に抗ウイルス剤、抗真菌剤)の投与を受け、この間入院患者と同じようにナースが患者を観察します。また、骨髄穿刺や腰椎穿刺などが必要な場合は、Procedure Room (処置室)に移されます。ここには、これらの手技を行う部屋が4室あり、10床程のリカバリールームが併設されています。
私が日本にいた頃は、殆どの症例で骨髄穿刺はリドカインによる局所麻酔のみ、腰椎穿刺は麻酔なしで行い、多くの患者が痛みを訴えたり、泣いたりしていたのを記憶しています。St. Judeでは、患者の痛みは出来るだけ取り除かれ、麻酔科医による静脈麻酔に加えて骨髄針や腰椎穿刺針の挿入部位にはリドカインの軟膏が塗布されています。患者は殆ど痛みを感じず、処置の後は隣接したリカバリールームでナースや麻酔科医のもと麻酔から覚醒します。このように、外来にて治療や処置を済ませ、患者は自分の住居へと戻っていきます。
St. Judeの特徴として、病院を訪れる外来患者は、メンフィス周辺から来る人ももちろんいますが、多くが海外を含む遠隔地の出身者です。プロトコールに基づいた治療を受けているため、特に急性期には、治療や検査などのためメンフィスを離れて自分の家に戻ることは出来ません。そこで、これらの患者に対しては住居が与えられます。滞在期間によって3つの建物があり、@長期滞在の場合は2ベッドルームのアパートメントであるターゲットハウス、A2−3ヵ月の場合はロン・マクドナルドハウス(1ベッドルームでキッチンは共同)、B1週間未満の短期滞在ならば、メンフィスグリズリーズハウス(2ベッドの1室)に住むことになります。名前から分かるように、これらの住居はそれぞれ、@アメリカで有名なスーパーマーケット、A日本でもおなじみのマクドナルド、Bそしてメンフィス唯一の4大プロスポーツチーム(バスケットボール)による寄付金をもとに運営されています。これらの住居とSt. Judeの間には、シャトルバスが常に運行しています。

by Hiro, in Memphis
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