• もっと見る
«医療者アンケートBについて | Main | 女性は子供を生む機械 発言について»
<< 2020年09月 >>
    1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30      
カテゴリアーカイブ
最新記事
最新コメント
nayuno
オープンハウスです (11/29) mn
【 模擬家族プロジェクト(看護師対象)の募集! 】 (05/10) かな
8月の建設現場にて (08/28)
24時間テレビ (03/05) まさみさま
新年です! (02/14) s.kusuki
小児がん治療の集約化(後) (02/09) ゆっきー
小児がん治療の集約化(後) (02/07) いつこ
新年です! (01/10) s.kusuki
産科病棟にて (12/05) nico*nico
産科病棟にて (11/29)
最新トラックバック
臨床の現場より @ [2007年01月29日(Mon)]

前回までは、この病院の歴史を設立者ダニー・トーマスに焦点を当ててまとめてみました。彼が病院を設立して行く過程や寄付金獲得活動の実例が、皆様に何らかの参考になればと思います。

さて、私にとっては、皆様のプロジェクトの内容はブログからしか知ることが出来ないのですが、当然のことながら、私たちがこちらで感じ目指すべきと考えている視点と、皆様が目標とされておられる視点とは同じではありません。今回からは、私たちが「日本でもこんな病院を実現したい」と感じた点について伝えるために、数回に分けてこの病院の臨床現場の様子を取り上げてみたいと思います。

まず、私自身は病院施設に隣接する研究所の研究員ですので、病棟や外来診察室に出入りしたり、況してや患者さんを診察したりすることは出来ません。それでも研究材料として使う臨床検体を取りに行ったり、取り組んでいるプロジェクトに関して病院施設のスタッフと話し合ったりする際にその様子を垣間見ることは出来ます。ただ、それでは皆様にお話しするのには、質量ともいささか不十分な気がします。

この病院で働く日本人小児血液腫瘍医の大半は私と同じ研究員なのですが、病院の臨床フェローとして働いている先生が一人います。私と同い年・同学年で、日本の大学で小児血液腫瘍の臨床と研究に取り組んだ後、一念発起して渡米し、ある州の小児病院でレジデント*として研修されました。その後、St. Judeのフェロー*として更に研修を積み、今春には認められてこの病院のスタッフに昇格される予定の、本当に羨ましい実力とキャリアの持ち主です。同い年というのは何か特別な親近感を感じるもので、この先生とはお互いの悩みや将来について語り合ったりすることなんかもよくあります。

この先生が別のところに書かれたSt. Judeの臨床現場についての記事があります。私が知り得ない具体的なこともいろいろ書かれていますので、是非その記事をこのブログで紹介したいとお願いしたところ、快く承諾して下さいました。

まずは、その記事の冒頭部分を抜粋・引用します。

1962年に開かれたSt. Jude病院は、これまで2万2000人以上を治療し、毎年4500人以上の新患及び再来の患者さんが来院しますが、その殆どが悪性腫瘍です。メンフィス地域はもちろん、治療プロトコールの基準に適合する場合は、米国内だけでなく海外からも患者さんを受け入れています。

この病院において最大の診療科はもちろん血液腫瘍科で、白血病、固形腫瘍、血液幹細胞移植、脳腫瘍、After Completion of Therapy Clinic(ACTクリニック:長期フォローアップを行う)、血液(一般血液疾患)の各部門に分かれています。特に前3者のアテンディング*はそれぞれ約10人います。さらに、感染症科、放射線治療科、放射線科、外科、病理科、集中治療科、免疫科、麻酔科などがあり、何れも血液腫瘍科と深く関わっています。診療科以外では、薬剤科、行動医学科、栄養科などがあり、特に薬剤科は、患者個人の遺伝子発現、薬物代謝データなどをもとに、それぞれの個人に適した化学療法の投与を可能にしています。それぞれの診療科は細分化されているものの、病床数は50床程度*の病院であり、殆どの医療スタッフは顔見知りで、急を要する診療科間の融通も比較的容易に受け入れてくれ、綿密なチーム医療を可能にしています。

*)
レジデント、フェロー:レジデントは日本で言う初期研修医にあたり、フェローはレジデントを修了したあとの課程。
アテンディング:レジデントやフェローを指導する層のドクター。
50床程度:その名声に比して、建物は拍子抜けするほど小ぢんまりとした病院です。これだけの病床数でたくさんの患者さんの治療が出来る理由については、後述されます。

from Hiro
トラックバック
ご利用前に必ずご利用規約(別ウィンドウで開きます)をお読みください。
CanpanBlogにトラックバックした時点で本規約を承諾したものとみなします。
この記事へのトラックバックURL
※ブログオーナーが承認したトラックバックのみ表示されます。
トラックバックの受付は終了しました

コメントする
コメント