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血液検査 [2007年01月11日(Thu)]

血液検査によって様々なことがわかります。
今日は、その中でほとんどの場合に調べられる『白血球・赤血球・血小板』について簡単に説明したいと思います。
この3つは、骨髄というところで作られています。
骨髄とは骨の中に存在し、血を作ってくれているところです。

白血球は、ばい菌をやっつけてくれる兵隊です。風邪をひいても自力で治せるのはこの白血球のおかげです。
ところでばい菌ってなんでしょう?ばい菌の種類には細菌やウイルスなどがあります。
白血球にもいろいろ種類があり、好中球やリンパ球などがあります。簡単に言うと好中球が細菌をやっつけ、リンパ球がウイルスをやっつけます。
健康な人が細菌に感染すると、骨髄が白血球(好中球)をどんどん作ります。(体が兵隊をたくさん動員すると考えてください。)そして細菌をやっつけようと頑張ります。
しかし化学療法をすると骨髄の力が弱くなるので白血球、特に好中球が減ります。この好中球が減った状態のことを私たちは『低菌状態』と呼んでいます。(この状態の呼び方は、各施設によって異なると思います。)低菌状態のときは、感染しても上記のように白血球の数は増えません。ですから細菌に感染しやすく、感染したときには重症になる可能性があります。だから細菌による感染が疑われれば抗生剤を使います。ちなみに、抗生剤はウイルスには効きません。

次に赤血球ですが、これは全身に酸素を運ぶ仕事をしています。これが少ない状態を『貧血』と言います。よく『手術中に血を見て貧血で倒れた』と言いますがあれは間違いです。これは、『迷走神経反射』と言って血圧が下がって倒れているのです(脳貧血と言われることはあります)。
話がそれましたが、赤血球は全身に元気の源である酸素を運んでいます。貧血でも体が必要とする酸素の量は変わりませんから、貧血のときは心臓が頑張って心拍数を増やして対応しないといけません。化学療法をすると骨髄の力が弱くなるので、赤血球も減り貧血になります。心臓が頑張ってくれるうちはよいのですが、感染症にかかるといつも以上に体が酸素を必要とするので、ますます心臓が頑張らないといけません。そのような状況が続くと心臓に負担がかかってしまいますので、貧血が続くと輸血が必要となるわけです。

次に血小板ですが、これはいわゆる『かさぶた』です。血を止める働きをしています。化学療法をするとこれも減ります。すると血が止まりにくくなります。鼻血などがいつまでも続くこともあります。あまりにも出血が多いと貧血になりますから、血小板が下がりすぎると輸血が必要になります。

小児がんのお子様をもつご家族には、よくご存知の知識だと思います。
家族はこれ以外にも、輸血のリスク、手術のリスク、化学療法の副作用、上記以外の血液検査の見方などを入院生活で説明を受け、理解していかれます。
家族も小児がんと闘っているのです。

s.kusuki
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