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風をあつめて

不登校・ひきこもりの支援活動をしているNPO法人フリースクール阿波風月庵の代表をしているかぜさんです。この活動で色んな若者やその親御さんと会いました。人の心っておもしろいです。僕自身も活動の中で、生き方がどんどん楽になってきました。そんな不思議な心の話をしてみたいなあ!


動きの連鎖が始まっている [2025年10月31日(Fri)]
風月庵での活動をしていると、時々、信じられない様なことが起き、時が過ぎると、正に奇跡といってもいいのではないかという出来事がやってくるのです。

親子間のやり取りは一切ない親子で、同じような変化が起き、別々に同じような心の動きが始まることがあるのです。
お互いに、どこかから視ていたのではないのかと思われるくらい、同じ時期に、同じようなことが起こるのです。
私たちの活動はそんな驚きの連続で成り立っています。
しかし、そんな出来事が毎月起こるのではなく、1年に一回かもしれませんが、ある親子間では起こりうることなのです。

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「動きの連鎖」もまた、それに似ています。

私達が直接に関わってるご家族の変化だからわかってくるのでしょうが、毎月、家族会に参加されているお母さんから、「子どもが優しい言葉をかけてくれました。20年間こんなことは思いもよらないことでしたから、思わず涙ぐみました。」と、話してくれました。

同じ家族会で、訪問しているあるご家族では、一切話をしてくれなかった息子さんが、数年ぶりに、お母さんに話をしてくれました。
「その時は驚きましたが、普通にやり過ごしました。後で思うと信じ切れませんでした。」と、お母さんはその時の気持ちを興奮して話してくださいました。

同じような時に、ある若者に、就職の話がいきなり舞い込みました。
自分が長年ひきこもっていたことも了解してくれて、面接もしてくださり、慣れるように、少しずつゆっくり勤務に慣れていってくれていいという、理解のある内容でした。

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地球のマグマレベルの影響か?
季節の気候変化の影響か?
社会事象の変化が影響しているのか?
各家庭が風月庵を通じてリンクし、共鳴しているのか?
ある家族が動き出すと、不思議に他の家族も動き始めることが、よくあるのです。

そして、連鎖するように、各家族がそれぞれ動きを始めます。
逆に、動かない時は、どのご家族も動くことがないのです。

この10月、連鎖して何組かのご家族が動き始めています。
貴方の家でも動き始めていませんか?
丁寧に、丁寧に、自分の、子どもの、親の、家族の、変化を見つめてみましょう。
何かヒントが、チャンスが、動いているかもしれません。
繰り返し、家を出る、その先 [2025年10月20日(Mon)]
「まだ、息子が帰ってこないのです。」と、あるお母さんから、夕方に連絡が入りました。
いつもなら帰っている時刻を過ぎても帰ってこないし、連絡もないので、心配されていました。

もしかしたら、家出したのかと、私は思いましたが、そんな動きも感じていなかったとお母さんも仰るので、もう少しだけ待ってみましょうと言って返しました
そんなところに、ラインが入り、「今東京。東京で泊まります。」とだけ知らせが入り、ほっとしました。

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知らせてきてくれたということは、家出ではないのですが、私は「やっぱり、家出かな?」と、感じていました。

私の若い時を思い返すと、昔の若者は、外にひきこもり、一人旅に出ていたと思うのです。
今の若者は内に(家の中で、心の中に)家出して、ひきこもっているのかなとイメージすると、若者の気持ちがわかるように思えたのです。

その家出した「家」と、ひきこもった家の「家」は、もしかすると一緒の「家」ではないのか?と考えると、何となく納得できたのです。

時代が変わり、環境や、表現や、理解の方向性が多様化する中で、同じことを全く違う、正反対のこととして確かめ、体験して吟味しているのではないか?と、いつのころからか、考え始めていたのです。

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そうみてみると、ここでいう「家」とは、生まれて、この方住み慣れた、育った家の、育った時代の価値観が、この「家」という塊りなのではないか?と、想い至ったのです。

私は、10代では自分の部屋にいつもひきこもっていて、18歳の1年間は、下宿先でひきこもり、大学への不登校をしていました。
20代は家出をし、また舞い戻っては新しいことに挑戦したかと思うと、途中で投げ出し、また家出をすることを、繰り返していました。
30代では、新しい自分の価値観で生活し始め、40代からは自分の生き方を模索し始め、50代から今の生活スタイルが、緩やかに始まり、定着してきたように思うのです。

この私を縛り付け、私が抜け出し、自分の生き方を求めてやまなかった〔この「家」からの脱出(卒業)〕の為に、繰り返してきた、ひきこもりと家出は同じ作業だったのではないかと、こんな経験を持つ私だから思ったのかもしれません。

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先ほど話題に上った若者は、東京から北海道まで行き、最北端を目指していたが、「もういいや!」と途中断念して帰ってきたそうです。

そんな彼を見て私は、「その内にまた、行きたくなったら家出をしたらいいよ!」と自分の過去の体験を思い出しながら、懐かしく「家出のススメ」を語ることになったのです。
母が家を出ていきます [2025年10月16日(Thu)]
先日の相談で、「息子と二人で住むことは、私がもう限界です。家を出て行きたいのですが、良いでしょうか?」と、あるお母さんから、相談をいただきました。

お母さんが「本当は、私、家を出たいんです。」と、おっしゃる話はよく聞くのですが、何も言わずに、置手紙を残して、そのまま家を出ようという提案は、とても珍しいと思われたので、詳しく聞いてみました。

定年退職後、息子と二人暮らしで、顔を合わせて日常会話はできるのですが、今後のことを話すことはできないのです。
あちらこちらに相談には行き、それも話さないといけないと思いつつ話せず、どうしたらいいのかわかりません。
いっそ、置手紙をして、支援先のパンフレットを置いて、家を出るしかないと思うのですが、それらを息子が観て、どう思うかを考えると、今一つ勇気が出ないのです。

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それを聞いて私は、お母さんがよくそこまで決心されました。家を出るのは一つの方法としていいかもしれませんね。
しかしその前に、ご本人:息子さんの気持ちや意見をお聞きしましたか?お母さんの気持ちや考えも、お伝えしましたか?

話ができるのでしたら、何故、そこの話をしないのですか?
直接に話すことができないのなら、メールで伝えることや、手紙にして読んでもらうこともできます。
まず、そこから始めてはどうでしょうか?

お母さんがいくら考えても、色んなところへ相談に行かれても、ご本人の息子さんが考え、話し、相談し、決心し、外に向かい動くことがかなければ、何も始まりませんね。

お母さんが、何が限界で、どういう思いで家を出ようとしているのか、そして、息子さんに何をしてもらいたいのか?
そこをとりあえず伝えてから、家を出ても遅くはないのではないでしょうか。
と、事例を交えてお話ししました。

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そんなお母さんの一大決心から、家族の、息子さんの動きが始まったご家庭はいくつもあります。
勇気をもって、その一歩を踏み出してもらいたいとお願いしました。

数日後に、お母さんからメールで、お母さんが思っていたこと、考えていたことよりも、ずっと色んな多くのことを思い悩み、実際の気持ちも、長々と話してくれたそうです。
そんな気持ちを知り、お母さんももっと息子の為にしてやれることがあるのではの気持ちになれたそうです。

これからの息子さん、お母さんの歩みは一歩一歩かもしれませんが、現実の動きと共に着実に進めていって貰いたいのです。
私も一緒に考えていきたいと、応援する想いを伝えました。
 なんか、ピリピリとしてしまう私なので [2025年10月15日(Wed)]
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自分でもどうしようもなくイライラしていて、命令的に何か言われると、その内容に関係なく、怒りっぽくなってしまっている自分がいて、情けなくなります。

先日も私の通う教会で、些細な規約改正について、ある人が提案した意見を、満場一致で即決したのです。
教会から帰宅して、モヤモヤと湧き上がるものがあり、何か引っかかっているのでした。

その提案者に腹を立てているのではないのですが、もしかすると、そうかもしれませんが、それにしても思った以上に腹立たしさが大きいので、「自分の中に何かがある」と思うことにして、自分の気持ちを見つめてみました。

ひきこもり特性を持つ者として、自分をないがしろにされたのではないかとの被害者意識も思いましたが、そんな不安も感じつつ、どうもそうではないと思われました。

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考えている内に解ってきたことは、提案者が無理にその日に決定して、規約にし、すぐに実施するようにというニュワンスで、やり取りが進んでいったからなのではないでしょうか?

確かに、私は、その規約の内容について話し合っている時に会議を退席し、決定されたことをはっきり記憶になかったのも正直なところでした。
「私は、その内容に同意していない」と、思いつつも、同意したようにも思い、どっちだったか考えあぐねていたのです。

そういえば、彼が何故か急いでこの規約を通そうとしていたようにも思われ、提案者は何か意図(想い)があり、急いだのではないかと想像してみました。

しかし今までなら、私の想像の範囲内では納得できる場面が浮かばなくて、くよくよと悩んでは、自分の中だけでグルグルと回って、気持ちを複雑化させてきました。

そこからが、わたしとしてはポイントで、ラインで、その規約を再度議題に挙げてほしいと、勇気を出して提案しました。
そして、私のような物忘れ役員も増えてきていますから、規約の決定は、役員会で3回以上は協議していただき、その結果を、1〜3か月実際にやってみて、全員が納得いく様なら規約として決め、今後も実施していくことを検討していただきたいと考えるようになりました。
その辺で、私の気持ちはほぼ落ち着いてきました。

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私のことを無視された訳ではないのですが、そんな感じも受けて、私が誤解していたのかもしれません。
そして、その提案者も、もう一度話し合いましょうとの返信が返って来て、私の気持ちも落ち着きました。

奥さんに、その流れを話すと、私の気持ちに同感してくれながらも、「そこまでこだわることもないと思うよ」と、たしなめられ、「スッキリしなかったのだから、仕方ないね。それでいいと思う。」と言ってくれ、ほっと安心しました。

イライラしていると、直ぐ感情的に反応し、自分勝手な理屈を掘り出してきて理由付け、自分の中だけでグルグルと、悶々とする私のひきこもり特性に出会い、戸惑いましたが、今回は、改善できる方法を見つけたと思うと、ニヤリとできました。
自分のことしか言わない [2025年10月01日(Wed)]
「どうして、そんなこともできないんだ! 何歳だと思っている。自分の年も考えろ!」という言葉を、父親が息子に向かって、感情に任せて言ったとする。

その父親は、自分が経験した基準に振り回され、その基準に縛られて、自分と同じような息子を、単純に反発してしまう。
自分のその基準を、周りの人に、何の疑いもなく、振りかざしている自分を発見するはずだ。俗にいう、「ハラスメントの連鎖」と、言える。

少し冷静になって、自分の子供時代をふり返ってみよう。
また、常々言っている、何気ない、しかも何回も、よく使う言葉を思い出してみよう。
それが、例えば、「どうして、そんなこともできない!」の言葉(基準)に繋がっている。

「どうして、そんなこともできないの! 」と、優しく言われてきた自分がいませんか?
「どうして、そんなこともできない! 」と、毎日気にして、一日に何度も、言われないように先先考えて、自分をチェックして、行動してきた自分がいませんか?

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「どうして、そんなこともできないんだ! 」に悩まされて、自分は出来ない駄目な人間だと思っている人。
「どうして、そんなこともできないんだ! 」言われる前にきちんとして、言われたことのない人。
その言葉(基準)に苦しんできたことに思い当たる筈です。
「駄目な人間だと思っている人」も、「きちんとして、言われたことのない人」も、おなじ基準に縛られ、苦しんできて、なのに他者である息子にもぶつけてしまうのです。

平気で他者に、その基準を振りかざして押し付けて、怒っている人になるのは、両者ともに、同じ基準に縛られている人なのです。
なのに、だからこそ、自分の目の前の息子の、父が情けないと思っている態度を観ると、認めたくない自分の姿を息子に映し出して、感情顕わに、「どうして、そんなこともできないんだ! 」と怒っている自分を発見することになる。

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自分は、何故、こんなにも感情的に怒ってしまうのか?

「どうして、そんなこともできないんだ! 」と言われても、「初めては、そんなもんさ!」「やっていく内に出来るようになるよ」「それでもわからない時は、一緒にやってみようよ」と、根気よく一緒に方法を見つけようとする考え方の基準や、表現の仕方を知らないからではないだろうか。

「僕ができるようになるまで教えてよ。」と言われると、教えることに全く自信がなかったり、そんな矛先を自分に向けられることさえ逃げ出したい人間は、言ってくる前に子供が無能である様に言いながら、教え方がわからない人だったりする。

自分が丁寧にやさしく教えてもらった経験がないから、自分に責任を問われないように避けているのでしょう。
自分の基準で、考え方で、感情的にしゃべる人は、その言葉の内容にある一つの基準にとらわれ、縛られて、悩まされた基準を経験してきているから、その基準で人を攻撃することで、先に自分を守る方法をとっているのでしょう。

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感情的にぶつけてくる言葉には、その人が経験して、縛られ、苦しんできた価値基準があり、その価値基準から解き放たれなければ、息子さんと安心して話ができる時代は来ないように、私には思われます。

自分のこだわりの価値基準は、自分の中を探っていくと、これもあれもと出てきて、驚かれることでしょう。
それを見つけて、じっくりと自分を冷静に顧みるところから、息子との対話は始まると思うのです。
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