• もっと見る

風をあつめて

不登校・ひきこもりの支援活動をしているNPO法人フリースクール阿波風月庵の代表をしているかぜさんです。この活動で色んな若者やその親御さんと会いました。人の心っておもしろいです。僕自身も活動の中で、生き方がどんどん楽になってきました。そんな不思議な心の話をしてみたいなあ!


眉山の桜 [2022年03月31日(Thu)]

三寒四温の季節を潜り抜けて、一気に春の訪れかと思わされると、徳島市のシンボル「眉山」の山肌が、淡い桃色へと染まり始めました。

いよいよソメイヨシノの出番でしょうか?
「待ってました!」と声がかかり、花見弁当を仕入れてきて、奥さんと二人で、昼過ぎに出かけました。

西側から入り、少し登ったところの中腹に、人気の花見スポットがあり、そこを目指した。

戦時中に慰霊塔を訪れる人のために、山道の両側に学生や住民により、勤労奉仕で桜が植えられたと聞いています。
慰霊塔の階段の裾の一帯が、公園になっていて、市内を見渡しながら、いくつもの種類の桜が楽しめる場所として賑わっていた。

CIMG1453.JPG

今は車でその道を登っていきますと、公園の駐車場は勿論のこと、公園上下の山道に数珠繋ぎで駐車されていました。

ここを少し登ったところにキリスト教の共同墓地があり、私達はそこに車を停めて、降りていきました。

CIMG1462.JPG

見晴らしのよい高台では、桜の下何組もの円陣が座を占め、昼食を楽しみながら、賑わっていました。
「これは場所を探すのが大変だぞ」と思いつつ歩いていくと、枝垂桜の前にベンチが一つ、私達を待ってくれていました。

私達の前の桜は枝振りが美しいのか、その桜をバックに記念写真を撮る子ども、カップル、お年寄り、お友達と、次から次へとやってきました。

澄んだ青空は一際桜の淡桃色を際立たせ、冷たい風が心地よいほどに流れると、一片の花びらがそのかぜに誘われて、舞い落ちてきます。

CIMG1459.JPG

30分程の日常を離れたひと時を味わい、次は何処の桜を見に行こうかと話しながら家路についたのでした。

CIMG1450.JPG
ルーツを探せ;2 [2022年03月31日(Thu)]

「自分で決める」「親に反発する」「ルーツを知る」は、自立への3ステップと考えるようになった。

「自分で決める」とは、些細なことも自分で決めるし、自分の人生も自分で決めるという「自分の勇気」と「社会への信頼」を持つ行為だ。

「親に反発する」とは、その決める為の自分の価値基準を点検整備する作業といえる。
自分の価値観と他者の価値観は違って当然だし、その違いを尊重し合えることが、自信と安心につながっていく。

CIMG0438.JPG

「ルーツを知る」とは、反発攻撃する親の価値観や世間・社会の価値観に対して批判し、評価し、尊重できるようになって、違いを受け入れる心の余裕ができることだ。

駄目な親に腹が立ち、その親に振り回されてきた自分も情けないと思う時、親の欠点も、自分の至らなさも、丸ごと許し、受け入れ、愛していこうとする作業につながると思う。

親を、社会を、他者を許し、誰よりも自分自身を許して、自分を褒めてやり、自分を愛おしむ、感情を素直に湧き上がり、受け入れるには、自分を、親を、社会を、駄目なところも含めて丸ごと付き合っていこうと腹を決める作業でもある。

この「ルーツを知る」とは、親の実際を知ること、当時の社会を知ること、その中で自分はどう作られてきたのか?を知ることから始まるのだろうが、そこはどうしようもない許せない気持ちが正直ある。

その許せない、やるせない感情を充分に噛み締め、世の中にはどうしようもないことがいくつもあり、それでも生きているのが生き物なのだと、小さく悟ることで、歩み出せるし、歩み続けることにつながっていくのでしょう。

CIMG0455.JPG

それは、新しい自分の生き方に出会っていく旅の始まりにもなると思うのです。
蜂須賀桜 [2022年03月17日(Thu)]

ソメイヨシノよりも色鮮やかな蜂須賀桜が、助任川に沿って咲き誇っているとのニュースを見た。
3回目のワクチン接種の後、気晴らしにと妻と二人で出かけた。

蜂須賀藩の居城「徳島城」を抱く城山と称される丘をぐるりと一回り出きる公園で、市街地にある大きな公園ゆえに「徳島中央公園」と呼ばれ、市民に親しまれている。

その北側を流れる助任川に沿って、300m程連なり、川面にその艶やかさを映し出している、蜂須賀桜を愛でる為にやってきた。

CIMG1433.JPG

丁度その日は、大学の卒業式だったのか、羽織袴姿で凛とした立ち振る舞いの女性達が、桜並木の下を闊歩する姿を見た。

その桜をバックに、思い出のスナップを、記念の艶姿をカメラに収めようと、カメラマン同伴で撮影に余念がない。
よく観ていると、桜を撮影に来たカメラマニアのお爺さんが撮影をかってでたのか、ポーズや撮影位置をあれこれと指示し、できばえを覗き込んでいた。

CIMG1432.JPG

そこには、老若男女のカップル、家族連れ、ワンちゃんとの散歩がてら、自転車を停めての記念撮影、その横をランニングのランナーが横目で通り過ぎていく。

そんな日常の一コマとして楽しんでいる人、人ゴミに出ることが億劫だった若者が、何年か振りにふらふらと歩いている、待ちくたびれた春の暖かさに孫と歩く人、横に敷かれたテニスコートでは汗を流している、並木の奥の芝生が広がる三角公園では、持ち寄った遊具で体を動かしている。

CIMG1428.JPG

この風景の中にも、色んな人生の接点がここで繰り広がれているのだろうと想いながら、川べりの道を、つけ麺ラーメン店へと、私達は足を進めた。

「この光景の中でも、涙を流し、切ない気持ちを抱えて、桜を眺める人もいるだろうね」と、何年か前の花見で、流していた涙を思い出していました。

CIMG1439.JPG
 ハッピィ・バースディ [2022年03月02日(Wed)]

今日の3月1日から、風月庵は22年目を歩み始める。
2001年3月1日に、ガランとした事務所の中で、大きな息をひとつ吐いて動き出したのが風月庵だ。

今は沢山の仲間と、応援してくださる方々と共に歩めていることに、大きな感謝を感じています。

去年は、20周年記念事業として、ピアサポーターの視点で作った支援テキスト「不登校・ひきこもりに出会ったら」を発行することが出来ました。
ご本人、ご家族、支援者の皆さんが、「不登校・ひきこもり」に向かうときに、ご本人お気持ちを想像できる内容に近づけたいとの願いがありましたので、そういった意味で活用いただければ嬉しい限りです。

CIMG1396.JPG

ご希望の方は、少し残部がありますので、ご希望の方は、住所・氏名を知らせてくだされば、無料送付いたします。

もう一つは、不登校・ひきこもりに関する無料相談サイトを立ち上げ、公開しました。
[不登校無料相談 徳島][ひきこもり無料相談 徳島]で、検索

まだまだ「不登校・ひきこもり」に関する理解が狭く、浅いことを感じています。
加えて、今では支援を受けられる手立て(支援期間や団体)が増えていること、支援を受け易い風潮への変化していることを知らないで、悩んでいるご本人やご家族が多くいらっしゃると感じます。
理解を深め、身近なところで支援を受けられるようになることを願っています。

さて、そんな動きが波及したのか、「不登校・ひきこもり」について、その実際と支援(特に訪問)を学びたいと提案していただく希望者が現れました。

未知な分野でありますが、これまでの各自の経験を持ち寄り、検証し、共通の理解をベースに学びを進め、各分野で活かせる内容へと育ててくださればと思います。
福祉関係に留まらず、保育・医療・教育の現場で、「不登校・ひきこもり」の課題を見直し、問いかける学習会になればと考えています。

第2(日)14;30〜16;30、第4(木)18:30〜20:30、風月庵事務所で行ないます。参加希望者は、お問い合わせください。

CIMG1421.JPG

夕方帰宅すると、奥さんがお祝いのケーキを用意してくれていて、二人で「ハッピィバースディ」を歌いました。
ルーツを探せ;1 [2022年03月02日(Wed)]

ひきこもり支援とは、自立支援でもある。
依存関係があちこちで残っていて、べっとりとした優しさの中で、日本は平和であるといわれている。

そんな空気の中で「ひきこもり」は培養されてきたのだろうか?長年支援活動を続けているとそんな風に思えてくる。
しかし、それはいい意味も含んでいて、いい依存関係も街のあちこちで拾い集めることが出きると私は思っている。

さて、その自立を考えるとき、風月庵を卒業した若者、また、他の支援団体から巣立った若者が、仕事を続けることが苦手で、優しいが、もろいところを感じてしまうのである。
なぜ、職場を転々としてしまうのかというのもそれだ。

CIMG1217.JPG

この点を考えてきて、先日参加した里親研修の中で、ヒントを貰うことになった。
元里子さんや元施設生活者は、ある時期が来ると、自分の実親さんの姿・実際を求めて、「ルーツ探し」をする時期がやってくるということでした。

その数日後に、風月庵の家族会があり、子どもが元不登校・ひきこもりで、長年風月庵で学習されてきたお母さんが、「先日、息子と1年ぶりに昼食をして、おごってもらったんだけど」の食事中に、唐突に「お父はんって、どんな人だったん?」と聞いてきたというのです。

ここでも「ルーツ探し」をしている人がいると、ピンときて、先日のことと繋がった気がしたのです。

私の目からは、彼は自立するために何度も挑戦しながらも、失敗をバネに自分の生き方を見つけてきた様に見ていました。
色んなことを自分だけで決めて、母親には反発し、一切会わない時期もありました。
兄と3人で暮しても、自分の弱みを家族に出すことはありません。男らしくいきているようでした。
友人も少ないが居ます。
そんな彼は、孤独な戦いを今も続けているように見えて、私はずっと気がかりだったのです。

その彼が、「お父はんって、どんな人だったん?」の言葉は、良いも悪いもひっくるめて、親を受け入れることで、今のままの自分を受け入れる準備に向かっているように、私は判断してしまったのです。

CIMG1344.JPG

あ〜、人が自分の生き方を自分のものにするときに、「ルーツ探し」が沸いてくるものなんだと直感しました。

それは、新しい自分の生き方に出会っていく旅の始まりにもなるのだろうとも思うのです。

「自分で決める」「親に反発する」「ルーツを知る」は、自立への3種の神器に思えてきたのでした。
検索
検索語句
タグクラウド
プロフィール

フリースクール阿波風月庵さんの画像
https://blog.canpan.info/kazetuki/index1_0.rdf
https://blog.canpan.info/kazetuki/index2_0.xml
QRコード